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2009年3月25日 (水)

☆『佐賀のがばいばあちゃん(2006)』☆

さる13日(金曜)の夜。『金曜ロードショー』で地上波再放送されたのが“波乱のお笑い芸人”島田洋七氏の(同名)自伝小説を原作とする『佐賀のがばいばあちゃん』であった。

「おや?」と感じるトコがあり、HDレコーダーを確認してみると・・2007年11月23日(金曜)に、同じ『金曜ロードショー』で“地上波初放送”された際に、しっかり録画してたのが見つかった(⌒〜⌒ι)
そこで「今夜の放送を機に、ちゃんと観ておこう!」と決意し、放送とほぼ同時刻に(=^_^=)早速(録画した方を)観始めたワタシである。

九州・博多へと向かう新幹線。間もなく広島に到着しようとするその車内に、スーツ姿の主人公(三宅裕司)の姿があった。
発車時間を迎え、広島駅からひとり乗り込んだ少年は、別れを済ませ、車窓の向こうに遠ざかってゆく母の姿にただ涙する・・
そんな少年の姿に、自身の若き日を重ね合わせる主人公。

そして物語は、昭和32年の夏、広島から幕を開けるのであった。

幼くして父を亡くし、広島で母(工藤夕貴)、兄と暮らしていた少年=昭広が、突然やって来た真佐子伯母さん(浅田美代子)に殆ど「騙される」形で佐賀へ連れて行かれる導入部。

母たち姉妹を育て上げたおばあちゃん(吉行和子)の、小柄だけどパワフルな言動に、当初こそ気圧される(=^_^=)主人公=昭広だったが・・次第にこのおばあちゃんの“がばい(=すごい)”生き様をリスペクトし始めるようになる・・

本作、適度な長さのエピソードを小気味良く積み重ねた感じの構成でもって、主人公が佐賀で過ごした(少年期の)8年間が描かれる。印象として、

・「佐賀ならでは!」ってなロケーションが伝わって来ず、インパクトが弱い。
・「ここぞ!」と言うヤマ場&泣かせ場にやや欠ける。
・現在と過去の“絡ませ方”がイマイチ美しくない(不自然で散漫な感さえある)。
・母親&兄&伯母のキャラの描き込みに不足がある。

ってな「マズい点」は見受けられたが、丁寧で飽きさせない(飽きさせにくい)作りは評価に値するかも知れない。

にしても「おばあちゃん」と劇中でさんざ言われつつ(結局、本名も良く分からなかったし)、年齢が「58歳」であることが判明もし、私的には「年齢的にちと違和感を感じるかもなぁ」と思ったりした(・ω・)

また、主人公に“野球の才能があった”って部分が中盤以降、やや大きく取り上げられて行くこととなるが・・
「チームメイトとの友情」「クラスメイトとの初恋」なんてな脚色はバッサリカットされており、残念(×_×)

世知辛い世の中、作品世界・・と身構えてもしまったが、意外と“根っからの悪人”の登場しなかった本作。
貧乏で何もなかった少年時代ではあるも、何もないが故に、代わりに“確かにあった何か”の存在を、そんな作品世界の隅々に感じた佳作でもある(・ω・)

〜 こんなセリフもありました 〜

ばあちゃん「ただぼうっと歩きよったら、がばい勿体なかろうが。
      こん世の中、拾うもんはあっても棄てるもんはなかとばい」
     「曲がった野菜も、切って煮てしまえば一緒」
     「川はがばい良かスーパーマーケットばい、配達までしてくれると」
     「大は小を兼ねる」
     「けちはいかんが、節約は天才ばい」
     「何ね、お金かかるとね・・ やめときんしゃい」
     「気のせいばい、腹減ったと思うけん食べとうなる、まだ減っとらんと思えば減っとらん」
     「靴が減る、裸足で走らんか」
     「いかん、人様の世話にはならん!」
     「貧乏には“暗い貧乏”と“明るい貧乏”の2通りある」
     「うちは先祖代々の貧乏やから自信ば持て」
     「今のうち貧乏ばしとけ」
     「貧乏で良かったろ?」
     「親にとって、おらん方がいい子供なんか、おるわけなかろうが」
     「人に気付かれんようにやるのが、本当の優しさ」
     「辛い話は夜するな、どんなに辛い話も・・昼したら、大したことない」
     「勉強ばっかしてるとくせになるよ」
     「普段は何も買わん、ばってん、買うときは一番良かもんしか買わん」

追記1:「出てはるらしい」と聞いてた故・緒形拳さん。“特別出演”として豆腐屋のおじさん役で、確かにちょっと出たはりました☆
追記2:教師役の山本太郎がなかなか良かった! 殆ど名前すらなかったのが惜しいトコロだ。
追記3:伯母が主人公に言った「広島におったら、あんたの教育に悪かけん」なるセリフは、当時の広島を知る人々にはどう聞こえたんだろ?
追記4:川で、流れて来る野菜だかを拾うばあちゃん&昭広少年。右から左にやや長回しされるシーンで、手前の「柱」が次々にパスされて行くカメラワークが結構気に入った(=^_^=) やってることはきっと基本的なんだろうけど、何だか「見せてくれる」映像演出である☆

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コメント

TiM3さん、こんばんは。

少し前では『ベンジャミン・バトン…』で多くのブロガーさんからの「置いてけぼり感」を
味わい、ここ数日では『ワルキューレ』でまたもや「置いてけぼり」の波に晒されて
いた私です。ぐすん。

やっとコメントさせて頂けます、これは映画もドラマも観ました。
映画は公開時には見送ったのでドラマ(泉ピン子主演)の鑑賞が先でした。そのせいもあるのかも知れませんが、何となくドラマの方に(実は)より心が動かされた感があります。
吉行和子さんは名女優さんなのだと思うのですが、どんと大地に根を張った泥臭さが余りなくって、“がばい”イメージにはピン子さんの方が合っていたような気がしました。(体型的なものもあるのでしょうか??)
級友との友情や母親への思慕なんかもより突っ込んで描かれていたような気もします。それだけ皆に受けるベタな作り方だったんだと言われればそうなのかも知れませんが・・・しかしどちらも楽しめましたけれどね(*^_^*)。

>代わりに“確かにあった何か”の存在を、そんな作品世界の隅々に感じた佳作

このご表現、凄くいいですね。

>故・緒形拳さん。“特別出演”として豆腐屋のおじさん役で

そうなのです、そこはこっちに軍配です! ・・・って、ドラマの方でも平田満さんが同じ役でいい味を出されていました。(*^_^*)

しかしTiM3さんが列挙されている“ばあちゃん”の言葉の数々は「名言」ばかりですね。
「辛い話は夜するな」なんて涙さえ出てきます。
幼くしてこういう名言に出会えた洋七さんは幸せな人なのかも知れませんね。

投稿: ぺろんぱ | 2009年3月25日 (水) 21時08分

ぺろんぱさん、ばんはです。

DVDソフトを大量に引っ越し箱(?)に詰め込みました。
このうちの何本かは、いずれ「ブルーレイ版」に買い直されることでしょうか?(=^_^=)

>少し前では『ベンジャミン・バトン…』で多くのブロガーさんから
>の「置いてけぼり感」を味わい、ここ数日では『ワルキューレ』で
>またもや「置いてけぼり」の波に晒されていた私です。ぐすん。

どうなんでしょうね・・双方とも、悪くはないんだけど・・ぺろんぱさんに心からおススメ出来るか? と短銃をこめかみに突き付けられながら問われたら(←だから、どんな状況だよ!)「否!」と絶叫するワタシかも知れません。(で、撃たれる、、)

まだしも『チェンジリング』をもう1度ご覧になられた方が・・とか思いますね。

>映画は公開時には見送ったのでドラマ(泉ピン子主演)の鑑賞が
>先でした。そのせいもあるのかも知れませんが、何となくドラマの
>方に(実は)より心が動かされた感があります。

脚本はハシダスガコさんでしたか?(何でやねん!)

ばあちゃんが、やがては講演会で全国引っ張りだことなり、収入もバキバキに上がり、全身シ※ネル(←高級ブランド)づくしになる・・
みたいなラストになってたら・・イヤですね(=^_^=)

>吉行和子さんは名女優さんなのだと思うのですが、どんと大地に
>根を張った泥臭さが余りなくって、“がばい”イメージには
>ピン子さんの方が合っていたような気がしました。

そう言えば、何処となく気品があったように思いますね(・ω・)

>(体型的なものもあるのでしょうか??)

余りぽっちゃりしててもアカンですよね。。

>級友との友情や母親への思慕なんかもより突っ込んで描かれていた
>ような気もします。それだけ皆に受けるベタな作り方だったんだ
>と言われればそうなのかも知れませんが・・・

そう言うのは欲しかったです、映画版。

>このご表現、凄くいいですね。

有難うございます。

>そうなのです、そこはこっちに軍配です! ・・・って、
>ドラマの方でも平田満さんが同じ役でいい味を出されていました。(*^_^*)

平田満! と言えば映画『GO(2001)』ですねー。
ご本人役で1シーンのみ出演されてますが、結構笑えるんですよ。

>しかしTiM3さんが列挙されている“ばあちゃん”の言葉の数々は
>「名言」ばかりですね。
>「辛い話は夜するな」なんて涙さえ出てきます。

コレはいいですよね。
まぁ、辛い話は朝方なんかだと、バタバタしてて、なかなか切り出せないもんですが(=^_^=)

>幼くしてこういう名言に出会えた洋七さんは幸せな人
>なのかも知れませんね。

少なくとも原作者の中では「あの頃に比べたら、その後の人生の多少の浮き沈みなんぞ、なんぼのもんでもないわい! もみじまんじゅうー!」って感じかも知れませんね(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年3月26日 (木) 00時46分

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