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2009年1月 6日 (火)

☆『ワールド・オヴ・ライズ』☆

5日(月曜)。いよいよ“泣いても叫んでも(=^_^=)”本日から仕事の開始である(×_×)
ま、昨秋以降で顕著となって来た不況&失業率の高まりから考えれば「働ける場があるだけでも幸せ」とプラス解釈すべきなんだ、と思う。

・・とこんなこと言い(書き)ながら、この先、自身や、自社がどうなって行くのか・・正直、想像もつかない部分があったりもするのだが(・ω・) 誰しも楽観は出来ませんよね。。

(お小遣い(←定額給付金とも言う)が貰えても、消費税の増税が控えてる訳だし、、)

仕事の終了後、ささやかに“懇親会的なもの”が開催されたが、どうも場がなく(=^_^=)さっさと退社させて頂き、梅田界隈へと繰り出した次第☆
今夜は、最近気になり始めてた1本『ワールド・オヴ・ライズ』を観とこうかな・・ってことで。

ホンマに観たい作品は別にあったんだが、どうにも上映開始時間が間に合わなかった。(そっちだと)本編そのものも2時間半近くあるので、ちと週始めからはキツかった感。
その点、本作なら2時間ちょいであり、近場である“梅田ブルク7”の18:45からの回に余裕で間に合ったのは嬉しかった(間に合わないケースを考え、当初は“梅田ピカデリー”での19:00からの回を観るつもりだった)。

観客が6〜7人程度しかおらず「そろそろ(終了)やなぁ・・」と感じたり。確かに年末年始にチョイスするには、ちとドンヨリし過ぎる“ハリウッド印”ではあったか、、(×_×)

イングランドのシェフィールドでバスの爆破テロが発生する。直後に「我々(=アラブ人)の流した血は、奴ら(=欧米人)の血で償わせる、最後の一滴に至るまで」なるビデオ声明を発したのは“世界規模の破壊工作”を高らかに宣言するジハード(=聖戦)組織のリーダー=アル・サリーム。
果たしてその言葉通り、イングランドのマンチェスター、そしてオランダのノールデルマルクト・・これらの都市で爆破テロが続発する。

事態を重くみたCIA(米中央情報局)は、本部ラングレーにエド・ホフマン(ラッセル・クロゥ)、現地イラクにロジャー・フェリス(レオナルド・ディカプリオ)の諜報員を配し、秘密裏に「爆破テロの阻止」及び「サリームの捕獲」の両作戦を進める。

CIAのメンバーのみでは員数&情報不足でとても対処出来ないことを悟っていたホフマンは、現地の情報組織“ヨルダン情報局(GID)”の長官ハニ・サラーム(マーク・ストロング)に共闘を持ちかける。

ハニは情報提供を約束する代わり、フェリスの瞳を静かに見つめ「最初に“ルール”を言っておく・・いいか? 嘘をつくな、私を騙さんことだ」と厳しく言い放つ。
彼を“サー(閣下)”と敬称で呼び、偽りなく接したいフェリスであるが、ホフマンは「お前のボスは奴ではなく私だ」とばかりに独断で(フェリスに)次々と別行動をとらせようとする。

そんな中も、なかなか居場所を掴ませないサリーム。

フェリスは「こちらから追うのでなく、サリーム側から接触させる」作戦に転換するようホフマンに提案する。
かくして「目覚めの兄弟」なる“架空のテロ組織をでっち上げる”プランが組立てられて行くのだったが・・

スパイアクションやラヴロマンスを期待すると大して良いデキとも思えないんだが、CIAの「リアルな諜報活動」「したたかな駆け引き」に限りなく迫ったセミ・ドキュメンタリー風な脚本は、大いに評価したい!
ラッセル・クロゥはとにもかくにも「貫禄と横柄さが全て」って感があったが、満身創痍となりながら、ひたすら走り回るディカプリオには、かなり自身の中での評価の高まりを覚えた。
『タイタニック(1997)』以降、余りパッとした印象のない彼だが(と言っても『仮面の男(1998)』『ザ・ビーチ(2000)』『ギャング・オヴ・ニューヨーク(2002)』『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002)』しか観れてないが、、)本作は取り敢えず「『タイタニック』後の約10年間で最高の主演作」とも言えるんじゃないか? と(勝手に)決め打ってしまったワタシ・・(=^_^=)>

したたかだが、冷酷非情にもなり切れず、破綻寸前の精神状態の中で(←たぶん)、自身の活動が世界にもたらす「より良さ」だけを信じ、ひたすら孤軍奮闘するのである。
決してヒーロー然としては描かれず、むしろ「吹っ飛び」「(狂犬に)咬まれ」「(金槌で)ぶっ叩かれ」ボロボロで無様な姿をさらし続けるんだが、何かを信じ、孤独な諜報活動を続けるのだ。

劇中で彼がボソッと放つ「“悪いアラブ人”を嫌う“良いアラブ人”ってのはいないのか?」なるセリフが(観賞後にだが)「これこそがフェリスの行動原理だったんでは?」と心に響いて来た。
つまり「アメリカがいつまでもアラブ社会に関与するのをよしと思ってる訳じゃない、だが、アラブ人同士の中で事態が改善されないとなれば、俺たちアメリカ人が率先してやるしかないんだ!」と信じていたのだろう、と。
それは彼の「この国が好きだ」と言うセリフ(←少なくとも「リップサービスではない」ように映った)や、後半で危難に遭う恋人=アイシャを助けんと、プライドや経歴を全て打ち捨て奔走する姿にも良く現れていた。
(ま、その甘さこそがフェリスの“最大の魅力”ともなっていたんだが)

中盤で「恐ろしく周到で、非情で、壮大な“でっち上げ”」をぶちかますCIAだが、結局はソレは展開の1つに過ぎず、最後にはフェリスをも唖然とさせるような“大きな作戦”が回っていたのだった!

ポイントとなるキャラは、(ディカプリオ以上に)存在感に満ちていたハニ役のマークさん。頭を切り替えないと、どう観てもアンディ・ガルシアにしか見えず、阪急コンコース(梅田)で松田優作に“ちょん切られる”イメージ(1989)が何とも脳裏をチラついちゃうんだが・・(⌒〜⌒ι)(←よほど強烈だったのネ、、)この人の起用が本作の質を大きく高めている!

余り記載してしまうと、どうしてもネタバレに突入してしまうんだが・・“嘘”に敏感になってしまった観賞後は、フェリスの背後(=裏)でホフマンとハニの間に“何か別な関係が存在したのではないか?”などと、どんどん疑心暗鬼が生じてしまう。。

テロリストが「信仰」を名目にした破壊活動を行うとすれば、(劇中で描かれた)CIAも「世界平和」を名目にした、ある種の“テロリスト”なんじゃないのか? と。アラーに殉教するテロリストが存在する一方で、アメリカのために命を捧げる覚悟のフェリスも、ある意味で“殉教者”ではなかったか? と。

「誰が最後に笑ったのか?」を見届けると共に、
「今日(こんにち)、世界の裏側で何が行われているのか?」を想像する力を(平和ボケした頭に)呼び起こしてくれる・・そんな見方をすれば「超一流のエンタテインメント作品」と呼べなくはない。

ただ「巨匠リドリー・スコットが自らメガホンを執った」にしては・・光るモノがなさ過ぎたのも事実だった(・ω・)

〜 こんなことも思ったり 〜

♦ラッセルの「メタボ体型」はメイク仕様(リック・ベイカー工房とか)でこと足りたのでは?
♦ディカプリオの怪我が「みるみる治って行く様」に、凄まじい劇中時間の経過を感じた。
♦諜報活動中の爆発事故で砕け散った(残されたのは“記憶”と“マッチ箱サイズの骨片”のみ、、)某現地連絡員に対し「速やかに彼の家族に補償を」と提案するフェリスに、ホフマンの放つ「君の助手と言うだけで、その男の名すら知らん」の台詞は前半の衝撃だった(×_×)
♦『ボーン・アイデンティティー(2002)』じゃないが“諜報員自身に発信器を仕込む”と言う対策はとられてなかったんやろか?
♦ハニの使った「砂漠に“釣り”をしに行く」なる表現が印象的だった。確かに、あれじゃ“釣られた魚”は逃げられまへんわな。。
♦アラブのことわざで「金持ちは四駆で街を出、庶民は自転車で砂漠から戻る」ってのはどうだろう(・ω・)
♦「盗撮写真のバラまき」「個人PC侵入&データ吸い出し」「勝手な口座開設&大量送金」「世界へのメール送信(代理!)」・・などで一般人がたちまち“大物テロリスト”に早変わり!
♦捕まった情報員がバンに押し込められる瞬間、その頭部を撃ち抜くフェリスの狙撃スキルの高さに驚愕!
♦スパイ組織たる行動の第一が「情報を掴む以上に“流す”ことであり“仕立てる”こと」であると再認識させられた。
♦「すまん、相棒」は・・「これからハメるぞ」の詫びの言葉だったか?
♦印象的な言動&描写にイマイチ欠け、その魅力の伝わり切らなかったヒロイン。。
♦スパイ衛星からの「サーモ(温度)感知」はまだ実現不可能か?
♦0.001単位近くまで座標(北緯&東経)を伝える連絡員の手腕はスゴい!
♦「皆がアメリカに行きたがるアラブ人」と「中東を好むフェリス」が対照的だった。
♦メディア面(例えば現地記者)から見た本作ってのも(スピンアウト作品とし)観てみたいかも☆
♦塀を乗り越えての「格闘シーン」は、(数少ない)アクション的な見せ場とし“スタイリッシュ”に描いて欲しかったかも(・ω・)
♦現地・アラブでは、金持ちでも、乗り回してるのは“(せいぜい)ふた昔前のベンツ”だった。。

〜 こんなセリフもありました 〜

ホフマン「長期戦は、被占領国を必ずしも疲弊させるものではない」
    「我々には、テロリストと一般人の区別すらつかない」
    「携帯もメールも使わない、彼らの“前近代的な手段”が我々の脅威となっている」
    「彼らが異教徒に迫る選択肢は“改宗”か“殺害”のどちらかだ」
    「今さら改宗しても遅いさ、そいつの保護などはしない・・街へ戻せ」 ←げっ!
    「どうせ死ぬ運命だったさ・・ん? その“沈黙”の意味は何だ?」
    「これは戦争だぞ? ヤツは(情報屋である以前に)ただのテロリストだ」
    「この職に就いた以上、誰もが結婚をしくじるのさ」
    「要点を言え!」
    「何か問題が?」
    「(ここへ来る)機内では『ポセイドン』って映画を観た」
    「話を聞き終わるまでは“ノー”と言うなよ」
    「サリームは信仰心より自尊心の強い男だ、それが奴の弱点でもある」
    「“砂場”から戻ったか・・文明社会はどうだ?」
    「ハニの首尾範囲は、狭い国内だけだ・・だが私は世界を守る」
    「頭の切れる悪ガキめ!」
    「奇麗事なんか通用せんぞ!」
    「後ろ向きの考えは良くないぞ」
    「私だけを信頼しろ」
    「戻って来い、もう日焼け止めともクスクスともおさらばだ」

バッサーム「ネットで“処刑映像”を流されたくはないからな」

ニザール「(組織は)知り過ぎた者に“殉教しろ”と迫る」
    「お前に“イスラムの苦しみ”が分かるか?」

フェリス「俺が捕まったら、撃て」
    「バビロンは酒で滅んだそうだ」
    「“良い医者のいる病院”は変えないさ」
    「ホフマンは上司だが、俺の情報なしには一歩も動けない」
    「この際、ホフマンのことは忘れましょう」
    「俺は“悪い夫”だったが・・妻はもっと悪かった」
    「このデブのクソ野郎が!」 ←遂にキレた!
    「正気じゃないのはどっちだ?!」

ホリディ「異例の出世だな・・では、君らの失脚を見届けさせて貰うとしよう」

ハニ「“罰”は“拷問”とは全く違う・・目を逸らさず良く見て、そして(上司に)報告しておけ」
  「私のやり方を見ておけ」
  「家族は“殉教”よりも大切だ」
  「アメリカは機密を守れんさ・・“民主主義の国”だからな」
  「奴(=ホフマン)は横柄だ、今に失脚するだろう」
  「友情で、(失う)命も救われるものだ」
  「“最初に見舞いに駆け付けた者が、最も心配している者”と言うぞ」

ホフマン「ガキを連れて、また『ライオンキング』の鑑賞だ・・ガキは持つなよ」
フェリス「・・俺の話を聞いてたか?」

アイシャ「男の価値は仕事じゃないわ・・本質よ」

ホフマン「何だったら、大統領からヨルダン国王に連絡させようか?」
ハニ「生憎だが、この活動については、私が“王”でね」

サリーム「危害を加えられた者は、報復する」
    「人質交渉などしないさ」 ←げっ!
    「大義に倒れた者を“死者”と言ってはならぬ、彼らは生きている」

ホフマン「冗談を言うな、中東が好きな奴なんかいない」
フェリス「あんたのそう言う考えが問題なんだ」

ホフマン「言っておくが、ここは危険だぞ」
フェリス「何処にいたって危険さ」

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コメント

こんにちは

>CIAの「リアルな諜報活動」「したたかな駆け引き」に限りなく迫ったセミ・ドキュメンタリー風な脚本

そうなんですよ!これなんですよね。
派手なアクションがなくてもこれだけ面白く観られたのは脚本が良く出来ていたからなんです。

>本作は取り敢えず「『タイタニック』後の約10年間で最高の主演作」とも言えるんじゃないか?

ディカプリオ自身、『アビエイター』でオスカー(主演男優賞)を逃して以来
その後の作品は“これでもか!”と妙に力の入った(入れ過ぎ感もあるけど)演技が続いてますよね。
『ディパーテッド』『ブラッド・ダイヤモンド』と来て本作と。
でも、今回に限っては、それまでのものと微妙に違って
少し、肩の力を抜いて自然体で演じてたように思いました^^
もしかしたら・・・。ノミネート終わりかな~


>劇中で彼がボソッと放つ「“悪いアラブ人”を嫌う“良いアラブ人”ってのはいないのか?」なるセリフが

ひとりごとのように言ってましたね。

>アラブ人同士の中で事態が改善されないとなれば、
>俺たちアメリカ人が率先してやるしかないんだ!」と信じていたのだろう、と。

あの短い台詞の中に込められていた想いというのを
見事に表現してくれてますね。これなんですよね^^

>♦ラッセルの「メタボ体型」はメイク仕様(リック・ベイカー工房とか)でこと足りたのでは?

変に役者魂なんて見せようとするから
元の体重に戻らなくて、かなり焦っているとかいないとか^^
そう考えると、クリスチャン・ベイルは逆バージョンだったけど
大した俳優なんだと思いますよ。

>♦ディカプリオの怪我が「みるみる治って行く様」に、凄まじい劇中時間の経過を感じた。

おぉ!気が付いていたのですね^^
あれには流石にリドリー・スコットの繊細さを見せられたなぁといった感じです。
それから、上空からの監視の欠点が浮き彫りになった感のある砂漠での拉致でしたよね^^
次があるならアスファルト上でディカプリオを待機させましょう(ないない)

>アイシャ「男の価値は仕事じゃないわ・・本質よ」

ここ最近、男を黙らせる女性からの決めゼリフが多いですよね^^
『ミラーズ』のなかでもキーファーが確か言われてましたけど(笑)
実生活で何かに応用出来たら、また楽しいのかもしれません(爆)

投稿: ituka | 2009年1月 7日 (水) 12時07分

こんばんはです。

なんだかんだ言って、結構細かく観てたワタシでした(=^_^=)>

>派手なアクションがなくてもこれだけ面白く観られたのは
>脚本が良く出来ていたからなんです。

でもやっぱり「トニスコ風味」でもありますかね・・?

>『ディパーテッド』『ブラッド・ダイヤモンド』と来て本作と。

『ディパ』は未開封のDVDが自室のどっかに転がってます(⌒〜⌒ι)
『ブラッド〜』は結構観たい作品ですね。
(良く似た名の『ブラ※ク・ダイヤモンド』はポンコツでしたが(=^_^=))

>少し、肩の力を抜いて自然体で演じてたように思いました^^
>もしかしたら・・・。ノミネート終わりかな~

それぐらいの方がイイのかも。

でもまた、ヒューマニズムっぽいのが出て来てオスカーをかっさらうのかも。。
アカデミーはそっち系に弱いでしょうからね。

>あの短い台詞の中に込められていた想いというのを
>見事に表現してくれてますね。これなんですよね^^

後からグングン響いて来るモノがありました(・ω・)

>変に役者魂なんて見せようとするから
>元の体重に戻らなくて、かなり焦っているとかいないとか^^

またケヴィスペとタッグ組んで、暴れて欲しいですね。
マ※ケル・マン監督の出番かな?(=^_^=)

>クリスチャン・ベイルは逆バージョンだったけど
>大した俳優なんだと思いますよ。

バッ※マンはしばらく製作しなくてイイから(=^_^=)『リベリオン』の続編が観たいのれす!

>それから、上空からの監視の欠点が浮き彫りになった感のある
>砂漠での拉致でしたよね^^
>次があるならアスファルト上でディカプリオを
>待機させましょう(ないない)

他のクルマは何処へ走ってったんでしょうね(=^_^=)
最近のデジカメじゃないけど「車両認識」として、数台を同時に検知⇒追跡出来る技術なんかも実際には完成しつつあるかも知れませんね(=^_^=)

>ここ最近、男を黙らせる女性からの決めゼリフが多いですよね^^

ああ言うパンチがないと、ヒロインを配した意味もなくなるトコロでした、、

>『ミラーズ』のなかでもキーファーが確か言われてましたけど(笑)
>実生活で何かに応用出来たら、また楽しいのかもしれません(爆)

実生活だとクローズアップやBGM挿入が技術的に難しいから(=^_^=)ムリでしょうね。
長回しっぽい状況は、たまにありますが(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年1月 7日 (水) 20時10分

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