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2009年1月 3日 (土)

☆『劇場版いぬゴえ(2005)』☆

1日(木曜)の深夜、地上波チャンネル(京※テレビ)で“新春シネマ指定席”とし放送された『劇場版いぬゴえ』を観た。
昨夏に、同じチャンネル(※都テレビ)で放送された『イヌゴエ/幸せの肉球(2006)』を期待せずに観たら・・コレがなかなか良くて(その1作目である)本作の放送を、実は「じっと待ってた」ワタシでもあった(=^_^=)

いや〜、ついに観ることが叶いました☆
年初めの1本が「TV鑑賞」と言うのはちと悲しい感もあるが・・まぁ楽しけりゃエエんですよ!

主人公・芹沢直喜(山本浩司)は人一倍“におい”に敏感な青年。その特技(?)を最大限に生かし、彼は「臭気判定士」の資格を取得、(消極的ながらも)それを生かした仕事に就いている。

そんなある月曜日。父から電話が架かって来る。「旅行に行く間、拾い犬を預かってくれ」なる唐突な内容。
一方、外出時はマスクを常用、自宅(品川区内のアパート)でも換気扇を回し、常ににおいを籠らぬようにする直喜の徹底ぶり(潔癖ぶり?)には、付き合ってる同僚=はるかすら閉口するのだった。

火曜日。芳香剤メーカー「マーブル」に呼ばれた芹沢は、新製品「世界の名所の香り」のラインナップのうち、一番親しみある(?)「日本海の香り」をテストで嗅ぎ、その強烈さに失神してしまう・・
目が覚めると・・いつの間に運ばれたか、彼はベッドに横たえられており、そして傍には1匹のフレンチ・ブルドッグが、、どうやら父が(寝てる間に)承諾なく強引に押し付けていったものだった。
残された「父より」と書かれた伝言のDVD(に収録された映像)によれば、彼は1週間ほど尼崎へ同窓会に出かけるらしい。
「仲良ぅやって」と語り、さっさと終了してしまう父の映像、、「どうすんだよ、もう~!」と思わず叫んだ直喜の耳に、回り続ける換気扇に対し「寒いな」「寒いね」とぶつくさ呟く声が聞こえて来た・・フレンチ・ブルドッグが喋っている?! それも関西弁で?!

こうして、直喜とこの不思議な拾い犬=ペスの1週間が始まるのだった・・

続編と言うべき『イヌゴエ/幸せの肉球』に比べ、よりリアルに物語設定を作り込んでる印象を受けた本作。続編では良く分からなかった“何で急に、主人公にイヌの声が聞こえるようになったのか?”のヒント(らしきもの)が劇中で語られるし、劇中で主人公に絡む人々の抱える“ドラマ”が妙にシリアスに、ヘビーに響いて来たりもする。
序盤〜中盤の展開や、続編の印象などから「つまりは恋愛映画かな?」と思って観ていると・・結構な“どんでん返し”に驚かされてしまう。
「もっとすんなり進むやろ」と油断してたワタシからすれば「子供には難解(ってか微妙)な演出が続出!」とも警告しときたいぐらいだ。
「動物を描くように見せつつ、実は人間こそが描かれてた作品」とも言えるんではないだろうか。
(そう言う意味では、続編の方が“よりファミリー対応”と言えると思う)

表面をなぞるだけの(一過性の)関係であれば「温和で丁寧で親切な人」が・・1歩、プライベートな領域に踏み込んだ瞬間に“豹変”する・・と言う演出はホラー作品のテイストにも(ある意味)通じる部分があり、ハッとさせられる。

また、続編以上に「人間同士の会話の中に、イヌの呟きがガンガン割り込んで来る」ってノリからは、赤塚不二夫のコミックや、ウディ・アレン監督の『アニー・ホール(1977)』などを連想させられた。
これを更に磨けば、凄まじいコメディに発展させることが可能ではなかろうか?!

あと、本作の特徴とし「主人公の対話シーンにおいて極力、カメラが寄らない」と言うのがある。慣れぬ内は「もっと寄って、人物の表情を見せてくれろ!」と思っちゃうんだが・・慣れて来ると、これはこれで“傍(はた)から眺めてる感”が良く出ていて、気にならなくなって来るから不思議だ(=^_^=)

意外とハリウッド大作でも、今後「斬新なカメラワーク」とし多用されるようになるんかも知れない(=^_^=) ←ないってば!

〜 こんなセリフもありました 〜

直喜「(においの原因は)ここだすね」
主婦「今、“だす”って言った?」

はるか「マスクやめた方がいいよ、どんどん過敏になっちゃうよ」
直喜「だって臭いじゃない、世の中」

直喜「石橋は叩いた方がいいの」
はるか「叩き過ぎると壊れちゃうよ」
直喜「壊れるような橋、渡らなきゃ良かったってことでしょ?」
はるか「屁理屈ばかり、つまんない・・帰る!」
直喜「あれ?怒ってる?」

力石「(イヌの名が)ペルだったら飼うのに」
直喜「良かったな、ペル!」
力石「さっきペスって言ったろ! ・・ってか、こう言うやり取りがウザったいんだよ!」

直喜「今、思い出し笑いしてただろ?」
力石「してねぇよ!」

はるか「“ワンワン”ってのが解読出来るわけ?」
直喜「ちょっと違う」

ペス“何やこの甘ったるいにおい? これアレやな、糖尿やな” ←男子トイレで
上司「調子いいんだよ~、最近」 ←勢い良く用を足す
ペス“死ぬな、こいつ”

はるか「もう直ちゃん家、行けないから」
ペス“あのメス、昨日のメスや・・絶対な・・2回は「した」な、間違いない”

父「お父ちゃんやけど・・イヌ、元気にしとるか?」
直喜「イヌが先かよ!」

父「三枝(さえぐさ)の野郎、チョッカイかけて来よったんや」
直喜「誰だよ! 三枝って」

父「お母ちゃんはバツイチやない、(父ちゃんと結婚出来たから)マルニや。
  お前はいっつもマイナス採点や、もっとポジティヴに生きな」
 「何でも、やってみた方がええんや」

ペス“また甘いにおいのおっさんや、堪らんちぅねん・・この前より悪ぅなってるわ、どんどん広がっとるわ”
  “苦しいて、息出来へんて”
  “腹減ったのぅ、ごっつメシ喰いたい”
  “人間は臭いのぅ、、臭いのぅ”
  “ごっつ※※したいのぅ” ←※部分に吠え声“ワンワン!”が入る(=^_^=)
  “人間なんて大っ嫌いなんじゃ!”
  “泡が眼ぇしみるっちぅねん”
  “とことんやったろか? やったるわ!”
  “助けたらなあかん、早よせな、手遅れになってまう・・あの子は可哀想やねん、毎日毎日ぶたれとるんや”

篠塚「イヌになった気持ちで接すると、何となく通じ合うものです」
  「イヌは飼い主に似る、とは良く言ったもんですな。恐らくあなたが本気で話していないからでしょう。
   眼を見て、本気で話したいと思わなければ(イヌの声は)聞こえないものです」

直喜「何だか、ずいぶん遠回りしたな・・」
  「良くないよ、動物虐待」
  「難しいな、人間って奴は・・でも言えて良かった、かな?」
  「人が生きてりゃ、においはするんですよ! 個性ってことでいいんじゃないですか?」

ペス“色々おもろかったな、恋のキューピットになれんかったな・・お前のにおい、嫌いやなかったで”
直喜「おおきに・・ってか、会話成立してんじゃん! 聞こえてたのかよ!」
ペス“・・最初っからな”

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