« ☆『サンタクローズ(1994)』☆ | トップページ | ☆『影武者(1980)』☆ »

2008年12月20日 (土)

☆『ブラインドネス』☆

19日(金曜)の夜。
仕事の帰りに、公開期間も恐らく終盤に迫って来てる1作『ブラインドネス』をついに鑑賞して来た☆
最近では珍しいほどに「観に行こうとすれど、なかなか機に恵まれなかった」作品でもある。

今夜も少しばかりは残業めいてたので、大阪市内の各劇場では間に合わなかったんだが・・またも、遠路はるばる(?)東大阪市内にある“布施ラインシネマ10・北館”での19:15上映開始・・のプランに間に合わせた次第(=^_^=)

以前の『ICHI』は同シネマの南館で観たが、流石に北館は商店街の奥ではなく、通りに面した大きめの建物だった。
それぞれに趣はあるが、私的には1階に“マクド”の入ってる北館の方が気に入ったかな?

アメリカの何処かを思わせる巨大都市。そこでは、様々な年齢の様々な人種が「言葉の壁」「宗教の壁」に時として阻まれながらも、粛々と暮し、働いている・・

そんなある朝、交差点で信号待ちしていた車内で、運転していた日本人青年(伊勢谷友介)の視力が突然に失われる。
「見えない!」「眼の中に光の粒子が溢れて・・!」後続車にクラクションを浴びせられる青年。気を利かせた通りかがりの男が運転を代わり、彼のクルマを走らせる。
通行人らは「急に見えなくなったらしい」程度の興味しか示さなかったが、これが“大規模な感染の始まり”であったことに、気付いた者は1人としていなかった。

帰宅した青年の妻(木村佳乃)は、突然の夫の発症に戸惑う。

青年を診断した眼科医は首を傾げる。「普通は黒く感じるものだ、白くじゃない」「黒内障か? いや、それにしては白く見える筈がない」「失認症(アグノシア)の一種か?」
帰宅後も、そのことを考え続ける彼だったが・・翌朝、彼の妻(ジュリアン・ムーア)が耳にした起きがけの夫のひと言は
「見えない(I can't see)!」だった。

この“奇妙な症例”は各地で同時多発し“接触感染の可能性”に慌てた政府は、患者を専用車で特別病棟に連行⇒隔離する政策に踏み切る。この間にもハイウェイではバスが横転事故、空港では旅客機が立て続けに墜落事故を起こす。

次々と「白の病」に冒された人々が運び込まれる病棟。政府は「隔離」を「あらゆる個人的事情を超えた、公善的処置」と位置づけた。一方その頃、パニックで渋滞したハイウェイは、事故の続発により、今は1台の走行車両もなかった。

そして急速に・・人々の間から「公共心」が失われて行ったのである・・

新作映画のレビューを精力的に執筆されているituka氏のブログ記事が気になったりもしつつ・・キアヌ・リーヴスの主演最新作『地球が静止する日』にも“それなりの興味”はあったんだが・・敢えてこちらをチョイスしてみた☆

が、フェルナンド・メイレレス監督、、どうもエンタテインメント路線で本作を撮った訳では全くなかったようで、彼の前作『ナイロビの蜂(2005)』以上に「(世界が)狭い」「(世界が)暗い」「(世界が)重い」「(世界が)汚い」と言う「何だかな〜」な4拍子が絶妙に揃っていた(×_×)

いや、私的には「M・ナイト・シャマラン(監督)路線で行け!」とか「(スティーヴン)キング原作っぽく(物語を)走らせろ!」とまでは言う気もないし、期待もしてはいないんだが・・ここまで作品世界が重苦しいと、流石に「何とかしてくれ〜」とツッコミたくもなる。
「メイレレス(作品)は滅入るっス」などとヘタなダジャレを飛ばしてる場合じゃなく(・ω・)「次作には手を出さんようにするかな」と心に決めてもしまうワタシ。

世界規模の物語か? と思いきや、殆どの展開は「隔離病棟内」で進行する。
何処か『サイン(2002)』のような“ある種、世間と隔たった空間”でもあり、一方で“脱獄モノ”の雰囲気が微妙に漂ってたり(?)もする。

コンパクトな劇中世界で、それなりのカリスマを持った奴が“君臨”しちゃうノリは『ミスト』にも通じるトコがあったかも(・ω・)

それにしても、1番我慢ならなかったのが、映像を覆う「汚物/廃棄物」の群れ。流石に排泄シーンこそはなかったが(←排尿シーンはありますた)、そっち系(デカい系)の汚物も廊下や路上にゴロゴロしてたように感じた。
後半では、野良犬の群れが若者の遺体(の衣服)をくわえて引き破り合ってるし(×_×)
また、意図的に配したんかも知れないが、屋内でも、屋外でも、妙に全裸状態の男女がウロウロと動き回ってて、興奮するより先にゲンナリしてしまった(×_×)

2番目は、スッキリしない“極悪キャラ”共の行く末か。良く分かんないままにどっかに消えたりし、消化不良感が後に引いた。最近はああ言う演出が流行ってるんやろか?(『ミスト』もこの点では同様だった)

「劇中でただ1人、ホントは総て見えている人物」に関し、その謎を軸に据えストーリーを転がして行く・・と(どんでん返しも含め)予想してたので・・そっち関係が不明瞭に扱われていた描き方は、やはりワタシの感覚には合わなかったかな。
振り返るに「1度」たりと劇中で笑えなかったし。。

ま、きっとメイレレス監督が悪いんじゃなく、日本の配給会社側がそこを「ネタ」にしてホラー臭を意図的に漂わせたんだ、と決め打ちしてるワタシだが(・ω・)

〜 こんなセリフもありました 〜

青年「何故、走り出さない?」
男「信号が赤だからさ」

※「眼の見えない人間につけ入るなんて、どんな奴だよ」
 「怖いのは、眠りから覚め、眼を開ける瞬間だ」
 「外の連中には、この状況は想像もつくまい・・経験するしかないってこった」
 「人を死なせるのは、苦しいものよ」
 「人それぞれの価値観を尊重するしか」
 「俺の領分に入るな!」
 「何故彼らが自宅で眠らないか? その場所が分からないからだ」
 「シャンパン? 奇麗な水だけで感謝です」

老人「私が邪魔なら、正直に言ってくれ・・象のようにそっと消えるから」
  「老人に夢を訊ねても、仕方あるまい?」
  「私は、今が一番幸せなんだ」

※「何を喰ってる?!」
 「肉の匂いだ!」

盲目の男「今まではハンデがあったが、この状況下じゃオレは超人さ」

女「もし要求が“男を差し出せ”だったら、この中に志願者はいるのかしらね?」

夫「私だって、妻には行って欲しくない・・だが、決定権は彼女にあるのだ」

保健省の女性大臣「私も、見えなくなりました」

王様「この病室は“君主制”でね」
  「食料が欲しけりゃ、払え・・それ相応にな」
  「ここでの“モノの価値”は俺たちが決める」
  「“燃料代わり”のパンをやる」 ←不快な台詞!
  「ちょいとトシだが、悪くねぇ」
  「ゾンビもいたが、他は“プロ級”だな」

眼科医の妻「もうイヤ(oh,I can't take this.)」
     「イヤなら(貴金属を)差し出さなくても良いけど・・今後の善意には期待しないで」 ←不快な台詞!
     「この場所を決して明け渡さないで」

神父「神はパウロを回復させ、同時にその視力を奪いました・・今、神は同じ事を我々に」

眼科医「君のタルトも絶品だった」
その妻「あれはティラミスよ」

眼科医「総てを世話になっていると、まるで・・」
その妻「まるで?」
眼科医「まるで母か看護師のようだ・・惨めになる」

追記1:劇中で「エミリアーノ・ホテル」なる固有名詞が登場することから、どうやら舞台は「ブラジル・サンパウロ」ではなかったかと考える。監督のホームタウンらしいし。
追記2:『ハンニバル(2000)』でレクター博士も(会話で)使ってたと記憶してるが「近付く=warm」「離れる=cool」と表現するようだ。
追記3:ダニー・グローヴァーさん、すっかり老け込んではりますた(×_×) もはやプレデターは倒せまい、、
追記4:彼女とのデートでは観ない方が良いでしょう、本作。
追記5:ああ言う状況になると「金」だの「貴金属」だのは正直、大した価値を持たないと思う。欲求のレベルも自然と下がって来る訳で(・ω・)

※ituka氏のブログは下記の通りです。

http://blog.goo.ne.jp/ituka100mile

|

« ☆『サンタクローズ(1994)』☆ | トップページ | ☆『影武者(1980)』☆ »

コメント

ども~こんばんは

メインの映画は本作のことだったのですね。
ワタシの拙ブログの紹介をしてくださって嬉し恥ずかし
やや、緊張もしてます。

本作はトレーラーで受ける印象とは微妙に違ってましたよね。
ジュリアンさんが持ってたあのハサミが最後には
『アビス』のエド・ハルミ(ハリスです)の指輪みたいな重要性が?
と思ってましたから「なんだかなぁ~」と言う感じでした^^

>ここまで作品世界が重苦しいと、流石に「何とかしてくれ〜」とツッコミたくもなる。

ワタシ的には、この手の重苦しさ、息苦しさは許容範囲でした^^
『おくりびと』『私は貝になりたい』の方がよっぽどダメですね。
(っていうかトレーラーだけの判断ね)^^

>1番我慢ならなかったのが、映像を覆う「汚物/廃棄物」の群れ。

これ凄かったですね。
介護の実態を見せ付けられたという、ある意味
我が国の将来をイメージしたまえ!とメイレレスに言われている感じでした。
日本の介護師不足の現状では本当にそうなるかも^^

>意図的に配したんかも知れないが、屋内でも、屋外でも、
>妙に全裸状態の男女がウロウロと動き回ってて、
>興奮するより先にゲンナリしてしまった(×_×)

どうせ見えないんだから服着るのめんどい!って
B型の方たちだったかもしれませんね。
あの、裸体を世界に発信してもいいと考えた役者にプロ根性を見ましたね^^

ワタシはジュリアンさんのシャワーシーンが痛々しかったです。

>追記3:ダニー・グローヴァーさん、すっかり老け込んではりますた(×_×) 
>もはやプレデターは倒せまい、、

サングラスの女性と生活できているのか気になるトコロです^^

投稿: ituka | 2008年12月21日 (日) 00時44分

そうですか・・・「気が滅入るッス」なのですね。
私はメジャー女優のジュリアン・ムーアさんが主演と言うことで、やっぱりどっちかというとエンタテイメント路線かと思っていました。
しかし違うと聞いて(読んで)、逆に観に行ってみたい気もしています。ジュリアンさんは結構好きな女優さんですし。

>彼女とのデートでは観ない方が良いでしょう、

女一人で観に行けば逆に「生きる勇気」が湧いてくるとかあるんでしょうか??(・・・無いんでしょうね、きっと。)

>ダニー・グローヴァーさん、すっかり・・・

そうなのですか、それじゃ勇者の印としてもらったものを返さないとイケませんね。

投稿: ぺろんぱ | 2008年12月21日 (日) 14時28分

itukaさん、ばんはです。

このブログで紹介させて頂いたからには・・訪問者数もガンガン増えますよ〜!


・・と理想を語ってみる(=^_^=)

>メインの映画は本作のことだったのですね。

そ〜なんです。メチャメチャ期待してますた。

>ワタシの拙ブログの紹介をしてくださって嬉し恥ずかし
>やや、緊張もしてます。

今後は、誤字脱字は許されません(=^_^=)

>ジュリアンさんが持ってたあのハサミが最後には
>『アビス』のエド・ハルミ(ハリスです)の指輪みたいな重要性が?
>と思ってましたから「なんだかなぁ~」と言う感じでした^^

『アビス』・・すっかり忘れました(×_×)
『アビス』『デプス』『リバイアサン』が、今やワタシの中で渾然一体となってます(=^_^=)

>ワタシ的には、この手の重苦しさ、息苦しさは許容範囲でした^^
>『おくりびと』『私は貝になりたい』の方がよっぽどダメですね。
>(っていうかトレーラーだけの判断ね)^^

『おくりびと』はイイっすよ〜。
きっと、今年一番の邦画になると思います。
(って言うか、他の作品が腑甲斐ないだけかも知れないが、、)

>介護の実態を見せ付けられたという、ある意味
>我が国の将来をイメージしたまえ!とメイレレスに言われている
>感じでした。
>日本の介護師不足の現状では本当にそうなるかも^^

治安が低下すると、あんなに汚れるんですね・・
ジュリアーニNY前市長の提唱(?)した「破れ窓理論」を思い出しましたわ。

>どうせ見えないんだから服着るのめんどい!って

日本の若者も、いずれは車内で全裸で座り込み始めるかも知れませんね(=^_^=)

>あの、裸体を世界に発信してもいいと考えた役者にプロ根性を見ましたね^^

ヌーディストを起用したんかな?

>ワタシはジュリアンさんのシャワーシーンが痛々しかったです。

確かに・・バストが出てましたが、ピクッとも来なかった(おい!)ですね。
『ハンニバル』の頃にも感じましたが、主演よりも助演で輝く女優さんかな、と。
印象としては『ピアニスト』のイザベル・ユペールさんに通じる「魅力の乏しさ」がありますね、、(ファンの方、済みません)

>サングラスの女性と生活できているのか気になるトコロです^^

お互いに見えなければ、眼帯もサングラスも必要ないんですよね・・
ワタシもふと、全世界の人間が「盲目」になるのなら、自身もそうなっても良いかも・・と思いました。

きっと今だけの感慨と思いますが・・(・ω・)

投稿: TiM3(管理人) | 2008年12月23日 (火) 00時55分

ぺろんぱさん、ばんはです。

飲み会でヘロヘロとなり、今の返信となりました、、ごめん!

>そうですか・・・「気が滅入るッス」なのですね。

滅入ります。
そう言う物語を描きたいんなら、もそっとこぢんまりとした世界観で
描いてみろ! と思います。

>私はメジャー女優のジュリアン・ムーアさんが主演と言うことで、
>やっぱりどっちかというとエンタテイメント路線かと思っていました。

彼女もセミヌードを披露されるだけあり、それなりに脚本に「響くモノ」を感じたとは思うんですが・・

>しかし違うと聞いて(読んで)、逆に観に行ってみたい気もしています。
>ジュリアンさんは結構好きな女優さんですし。

代表作は何でしょうね?

気になってウィキペディアでざらっと出演作を辿りましたが・・
「う〜ん」って部分がありますね。私的に印象深かったのは『サイコ(1998)』かなぁ?

>女一人で観に行けば逆に「生きる勇気」が湧いてくるとか
>あるんでしょうか??(・・・無いんでしょうね、きっと。)

男性をぶち殺したくなるかな、と・・(こらこら)

>そうなのですか、それじゃ勇者の印としてもらったものを
>返さないとイケませんね。

あれは弾丸が出ないように加工されてます。
レプリカに過ぎません・・(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2008年12月23日 (火) 01時05分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ☆『サンタクローズ(1994)』☆ | トップページ | ☆『影武者(1980)』☆ »