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2008年12月29日 (月)

☆『椿三十郎(2007)』☆

28日(日曜)の夜、「日曜洋画劇場」で“地上波初放送”されたものを鑑賞した。
黒澤明監督による同名作品(1962)を「まんまカラー化してリメイクしました」的な1本ではあるが・・

山間部に位置する某藩では、密かに藩内を蝕む汚職問題に、若侍(青侍?)たちが今まさに立ち上がらんとしていた。
が、頼みの綱である城代家老は“黒幕”たちの手にかかり藩内の何処かに拉致監禁されてしまったと言う。
木立の中、密談を続ける若侍・・その数わずか9人・・にも、彼らの潜む堂宇を取り囲まんとする、“黒幕”の放った手勢が既に差し迫っていた・・
まとまりに欠け、自暴自棄に走りそうになる若侍ら。
その時「ちょっと待ちなっ!」と、堂の奥で寝泊まりしていた浪人姿の男(織田裕二)が欠伸(あくび)をしながら出て来る。

不審で無作法なこの男に、一度は斬り掛からんとした一同だが、話している内に“黒幕”の真の姿を掴み、この浪人に心酔するようになる。浪人もまた、彼らを見棄てることが出来ず(あわよくばこの機に食い扶持にありつこう、とも考えてたようだが)・・最後には「危なくて見ちゃいられねぇ!」と一肌脱ぐことを決意する。

かくして、この浪人・・椿三十郎(自称)率いる若侍たちの痛快な“藩政改革”が始まるのだった。

そんな彼らの前に、不気味で不敵な侍頭、室戸半兵衛(豊川悦司)が立ち塞がる・・

うーん・・脚本的にはまんま“オリジナル版”なんだが、細かいトコで「冗長な味付け」がなされてたように感じた。
キャスト面では「可もなく不可もなく」ってトコロか? だが、ワタシは「織田が椿を演じてる」「豊川が室戸を演じてる」なる“一歩下がった見方”がどうも出来ず・・「織田が織田を、豊川が豊川をそつなく演じてる」と感じただけだった。

これってミスキャスト? って言うか企画自体「アレ」だったのかも、、うっ(森田芳光監督、すんません)

クライマックスで展開される「織田vs豊川」のガチンコ対決が、最大の見所ではあるんだろうけど、、イッキにズバッとやって欲しかったあのシーンが「スローモーション」「種明かし(?)映像付き」で“まったりした味付け”となってたのは残念、と言うか衝撃。。
北野版『座頭市(2003)』における終盤対決(北野vs浅野忠信)と、奇しくも殆ど同じ映像演出だった気もするが、、「何でもっとスピーディーに描かないのか?」とすこぶる疑問である。
私的には「間延びした刀剣バトル、なんぞ描く価値はない!」と思ってますもんで(←無論、刀を抜くまでの対峙&下腹で互いの鍔を合わせての膠着(こうちゃく)、などの演出であれば、幾ら長く描いて頂いても構わないが)。

番組で“茶室の3悪人”と紹介されてた(←セリフでは登場しない)、黒藤(小林稔侍)&菊井(西岡徳馬)&竹林(風間杜夫)の3巨頭は、各々に存在感がありなかなか。
私的には更にセンス良く(=^_^=)“離れ茶室の3悪人”と命名しときたい!

オリジナル版の室戸は仲代達矢さんが演じており、見た目“タコ入道”って感じで「どす黒い顔色&ギョロッと見はった両眼」がすこぶる印象的だった。
トヨエツ氏ではクール過ぎ、あのギラギラ&ギトギトした殺気は出せてなかったよなぁ・・とも。

「学芸会レベル」では勿論ないし、リメイクにかける意気込みのようなものは感じたんだが、、クロサワ監督の墓前で自信を持って報告出来るか? と問われたら「う〜ん、その気持ちだけでイイんじゃない?(報告はよしとこうよ)」とアドバイスするに止めたい、そんな作品である(・ω・)>

〜 こんなセリフもありました 〜

椿「盗み聞きってのは、話してる奴より、話の本筋が良く分かるもんだ」
 「手前が馬鹿だって思われてるのを気にしねぇってのは、大した大物だ」
 「岡目八目ズバリだ、聞いてみな!」
 「お前、丑年の生まれか? 何かにつけて突っかかるが」
 「さぁ、俺を踏み台にしてくれ」
 「俺は酒飲んだ方が、頭良くなるんだぜぃ」
 「馬鹿、それじゃ話がうま過ぎねぇか?」
 「待ちな! 俺はどうも気乗りがしねぇ」
 「手前たちにゃ愛想が尽きたぜ、とても付き合い切れねぇ」
 「やい! 手前らのお陰で、とんだ殺生したぜ」
 「勇ましく斬り込むつもりらしいが、隣はそれを待ってんだぜ」
 「ごっそり流しゃ、文句あるめぇ?」

室戸「貴公、なかなか出来るな」
  「類は友を呼ぶ・・俺も相当悪い」
  「なかなか聞き分けがいいな・・いい子だ」
  「夕べも貴様、俺に一杯喰わせたな?」
  「もはや、これまでですな・・」

若侍「こうなったら、死ぬも生きるも我々9人!」
椿「・・10人だ!」

奥方「すぐ人を斬るのは悪い癖ですよ、あなたは何だかギラギラし過ぎていますね。
   そう、抜き身みたいに。あなたは鞘のない刀のような人・・
   でも“本当にいい刀”は鞘に入っているものですよ」
  「お父様はなかなかの、顔の長い狸ですからね」 ←ネタバレ?(=^_^=)

菊井「心配はありません」
竹林「その心は?!」 ←口癖?

菊井「こうなったらそれもいいでしょう、今が勝負時です」

黒藤「打つだけの手は打った」

若侍「貴様の出る幕か?!」
押入れ侍「今、すぐ、引っ込みます」

室戸「何だこのざまは?! 貴様らしくもない」
椿「面目次第もねぇ」

室戸「何をしている?」
椿「俺は椿の花、好きでな」
室戸「ふざけるな!」

室戸「貴様みたいに酷い奴はない、こけにしやがって」
椿「まぁそう怒るな」

追記1:冒頭で「時間&サイズを編集した特別版でお送りします」と紹介されていた。道理で流血映像が全くと言って良いほど描かれないのに、噴出音(?)ばかりが耳についた、ちぅ訳だ(・ω・)
追記2:前半では「森林での小競り合いシーン」が新たに追加されてたと思う。なくても良かったけどね。。
追記3:製作総指揮に“御大”角川春樹氏の名が。彼からすれば「若侍が派手に斬り込んで・・玉砕!」みたいなドラマにこそ仕上げたかったんかも知れない?(・ω・) ←そうなると、主題歌は長渕剛さん?
追記4:みんなで椿の花を次々に斬り落とし、水の流れに叩き落とすシーンでは「椿愛好家団体のクレーム」が心配になってしまった。。
追記5:城代家老の屋敷にかかってた3福の掛け軸は、(左)「本来無一文」(中)「虚無恬淡」(右)「人生小笑」ですた(・ω・)
追記6:かつては血気盛んだった主人公=椿が、暴走寸前の若侍たちを(未然に)食い止め、暴走を経た室戸を(口惜しく思いつつも)倒す・・みたいな“世代間の人間ドラマ”が描かれてたようにも思い出すオリジナル版。今回は椿&室戸の年齢設定が「殆ど同じ」だったのもあり、そう言った感慨はばっさりカットされてたように・・(×_×)

あと、、2008年5月23日 (金)の拙記事に“オリジナル版”のレビューを載せてますので、良かったら併せて一読頂けると・・幸い、ちぅ訳だ。

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コメント

もう、テレビ放送されたんですね。
早すぎる~(笑)

>イッキにズバッとやって欲しかったあのシーンが「スローモーション」「種明かし(?)映像付き」で“まったりした味付け”となってたのは残念

これは、アカンですよね~
どっちが死ぬにも秒殺でやってもらわないと気の抜けたコーラみたいですよ。

>離れ茶室の3悪人

このトリオはオリジナルよりも良かったかなと思いました^^

投稿: ituka | 2008年12月29日 (月) 23時51分

itukaさん、ばんはです。

>もう、テレビ放送されたんですね。
>早すぎる~(笑)

カットしまくってた印象はありましたけどね、、

>どっちが死ぬにも秒殺でやってもらわないと
>気の抜けたコーラみたいですよ。

早過ぎて、現代人(の動体視力)には付いて行けまい、と監督の懸念した結果かも知れませんね。
そのうち、時代劇には「標準語字幕」がついたり
「標準語吹替え」処理がなされたりするかも知れませんね。

>このトリオはオリジナルよりも良かったかなと思いました^^

西岡徳馬さんの「慌てふためきながら椿を斬り落とす」演技が
観てみたかったものです(=^_^=)
あのしとだけ、(手勢を率いて)光明寺に向かったので、やや描き方が「みっともなくはない」のでした(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2008年12月30日 (火) 01時57分

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