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2008年11月21日 (金)

☆『狂った果実(1956)』☆

8日(土曜)の夜に鑑賞。前日に衛星第2で放送されたモノを録画しておいた次第(・ω・)

鎌倉界隈(由比ヶ浜、大磯、葉山など)を舞台に、1人の美しい女性を巡って確執を深めてゆき・・やがて“破滅”を迎える兄弟のひと夏の物語。

兄の瀧島夏久(石原裕次郎)は悪友らとつるみ、連日「学業そっちのけ」で酒とナンパと夜遊びにふけっていた。その弟である春次(津川雅彦)は温和で物静かな青年、そして(恐らくは)童貞であった。

彼ら兄弟の前に現れた魅力的な女性・恵梨(北原三枝)(引退後は石原まき子)は、逗子駅でまず春次を虜にしてしまう。
始めこそ、初(うぶ)な春次を誘い“デートごっこ”を繰り返す恵梨だったが・・彼女の“思いもかけぬ私生活”を掴んだ夏久は「このことは弟には黙っておいてやるから」と言う“ご無体な条件”を振りかざし、その躯をさっさと奪ってしまうのだった・・

夏久との“大人の関係”や“強靭な肉体”に溺れつつも、春次との“可愛らしい恋”“優しい抱擁”も棄て切れない恵梨。

だがある日、彼女から届いた待ち合せの手紙を(弟のいぬ間に)盗み読みした兄は、それを破り捨て、先に指定の場所に向かうや、恵梨をヨット「ルーチア(LUCIA)号」に強引に乗せ、さっさと大海原へ繰り出してしまう。

帰宅し、破り捨てられた手紙を見つけた弟は、急いで海へ。
共通の友人であるフランク平澤(岡田真澄)に“兄と恵梨の関係”を詳(つまび)らかに聞かされた春次は・・怒りに駆られるままモーターボート「太陽の季節(SUN-SEASON)号」で2人のヨットを追う!

翌朝・・決死の追跡の末、ようやく兄たちの乗るヨットを波間に発見した弟は・・

「昭和31年のモノクロ作品」ってことで、映像的に大した期待もしてなかったワタシであるが・・それ故に「色」を想像させてくれる台詞回しや表現などが、意外にもなかなか良かった。水槽の中で泳ぐ「青い魚」、横浜のナイトクラブ(?)「BLUE SKY」の煌煌としたネオンサイン、青々と(たぶん)広がる海に、白い(きっと)水着と海水帽の映えるヒロイン=恵梨の健康的で若々しい肢体・・
ワタシにもし巨万の富があるなら、ぜひ日活さんに提案し“パートカラー仕様”を“デジタル・リマスタリング版”で製作して貰いたいトコである☆

主演の石原裕次郎こそは「いつもの裕ちゃん」なんだが、彼を周辺から補佐する津川、北原、岡田の面々がいずれも(若さも手伝ってか)輝きまくっており、素晴らしかった!

まず津川さん。確かに同じ方なんだが・・この華奢でぶっきらぼうで不器用そうな青年が・・今ではこんな大物(体型的にも、、)になられたんですね・・としみじみするやら驚かされるやら(・ω・)
原作は無論のこと、脚本までも手がけた石原慎太郎(現:東京都知事)をして「春次は彼でなきゃダメなんだ!」と猛烈にプッシュさせたと言うだけあり、無言で無害そうな雰囲気の中に“狂気の炎”が確かにチラチラ見え隠れしてる感じがスゴかった!
本作、裕次郎映画ではあるも・・「主演:津川雅彦」と解釈したとしても、石※プロモ※ションの方々に決して恨まれることはあるまい、と思う(⌒~⌒ι)

そしておフランス生まれの美男子=岡田真澄(亡くなられましたね・・)の若き日のカッコ良さにもびっくり! ワタシの知ってる岡田さんは「何処がファンファン(←ジェラール・フィリップの愛称)やねんな」「あんさん、どっちか言うたらスターリン似ですやんか」って突っ込めるような・・まぁ“好紳士”な訳だが、こんなにカッコよかったとはね〜!
セリフまでもがいちいちキザですた(=^_^=)

ってことで、本筋は「普遍的かつ起伏に富みドラマに満ち溢れ」オチは「この上なく衝撃的で悲劇的」と言う「時代を超えたリメイクにも十分耐え得る」設定&人物造型に彩られた、ナイスな1作だと評価したい。

~ こんなセリフもありました ~

夏久「要するに、俺たちは退屈なんですよ」
  「現代に、俺たちに“ピンと来るもの”が1つでもあるか?」
  「正面切ってぶつかる、何が何処にあるんだよ?」
  「そこらには雑魚ばっかりだ・・大物はいないかねぇ」
  「こうなると、素人の強みですよ」
  「あんた、浮気は嫌いじゃねぇんだろ?」
  「女と魚はいつの間にかいなくなるもんさ」
  「死ぬものは・・いつでも死ぬよ」
  「何だか、気が滅入っていけねぇよ」
  「奴はもう“ただの弟”じゃねぇんだ」
  「帰しゃしねぇぞ・・もう帰さねぇぞ」
  「何もかもみんな棄てっちまえよ」
  「黙って俺について来いよ」

恵梨「広い水の中で1人っきりで泳ぐのって、ちょっと怖いけど気持ちのいいものよ」
  「バスストップで待ってて」 ←バス停とは言わなかったのね、当時、、
  「春次さんとは決して浮気なんかじゃないの・・
   私はね、いま自分が※※する前にしなければならなかったことをしてるのよ、順は逆さだけど」
  「私はね、真剣なの。そりゃ前に浮気は幾つかあったけど、今度だけは違うのよ」
  「あの人と逢ってると、私は“ずっと以前の自分”に戻れるのよ」

恵梨「あなた、妬いてるの? 弟さんに」
夏久「妬いてる? なる程、そうかも知れねぇな・・」
恵梨「どうしろとおっしゃるの? 私に」

夏久「俺と一緒について来いよ・・いちかばちか試すんだよ」
恵梨「何を試すの?」
夏久「俺も・・あんたもあいつもさ・・来いよ!」

フランク「人のこと言いたくないが、お前のやってることは、結局1人勝手な自分本位のお節介だよ。
     情けない奴だよ・・“ミイラ取りのミイラ”ってあんたのことだぜ」
    「兄弟でコップ(投げつけて)割ってやんの」
    「お前がいくら焦ったって、春ちゃんにあるものはお前には出て来やしないよ」

春次「みんな嘘だ! 大きなお世話だ・・畜生!」

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コメント

私はこの春に千日前国際劇場「さよならワンコイン上映」で観ましたが、中々良かったです。

ファンファン、ニヒルでカッコイイでしたね。

そして津川さん、本当に主演でしたよね。

投稿: west32@狂った果実 | 2008年11月22日 (土) 09時55分

west32さん、こんにちはです。

今日はすっかり「寝だめ」しちまいました・・
起きたら午後2時を過ぎてたし(⌒〜⌒ι)

>私はこの春に千日前国際劇場「さよならワンコイン上映」
>で観ましたが、中々良かったです。

そう言えばやってましたね〜。
ワタシはその際、地下のシアターで『実録・阿部定』を観ました(=^_^=)
この先も「孫に語る、おぢいちゃんの良き想ひ出」となって行きそうな気がします。←ウソつけ!(=^_^=)

>ファンファン、ニヒルでカッコイイでしたね。
>そして津川さん、本当に主演でしたよね。

主演が裕次郎である必然性以上に「津川が弟を」演じ「ファンファンが脇を」固める必要があったし、それ故に功を奏した印象が強かったです。

投稿: TiM3(管理人) | 2008年11月22日 (土) 16時27分

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