« ☆『ダイヤモンド・イン・パラダイス(2004)』☆ | トップページ | ☆『はなれ瞽女おりん(1977)』☆ »

2008年10月28日 (火)

☆『ICHI』☆

27日(月曜)。先の週末(土日)では、微妙に映画に行くだけの時間が取れず、ややフラストレーションが溜まっていた。
特に、早々に観たかったのが、25日から一般公開の始まった『ICHI』・・つまり“綾瀬はるか主演による女版座頭市”である。
朝刊の映画案内記事(=劇場と開始時間の一覧)を見て「早めに行っとこう!」とは思いつつ、コレがなかなか時間が合わないのだ(×_×)

・梅田ブルク7・・18時10分から開始⇒ほぼ絶望的
・なんばパークスシネマ・・18時30分から開始⇒なんば駅から全力疾走中に事切れそ~
・阿倍野アポロシネマ8・・18時25分から開始⇒やはりち~と厳しい

今日の場合、結果的に18時ちょい前に退社は出来たんだが、上記3館ではいずれもムリがあった。
ついでに(iPhoneを駆使して)「高槻」「大日」「茨木」「八尾」などのシアターも調べたが、何処も似たり寄ったりの上映開始時間だった(×_×)
そんな訳で「今日は違うのにしよ・・」と一旦は、別作品を観るべくなんば方面へと向かったんだが・・

「いやっ! やはり今夜観とかないと!」と思い直し、逆方向(京橋方面)の電車に乗り換えたのだった。

実は大阪府下で唯一(?)、遠いけど上映開始に間に合う劇場があり、それこそが“布施ラインシネマ10(南館)”であった(=^_^=)
上映開始19時20分・・ってことで、全然余裕じゃん!(=^_^=)

結論とし「ちとロケーション的に寂れがち」な感はあったんだが、駅から意外に近いし、席も空いてるし、上映が終わってからもグッズ購入が出来るし、など“なかなか小旅行気分で面白い”劇場とは思った☆
んな訳で、今後もヒイキにしてエエかな~と考えている。

風雪の吹きすさぶ荒野を列を成して歩き、辿り着いた村々で三味線を演奏する盲目の女たち・・彼女らは瞽女(ごぜ)と呼ばれた。瞽女は4~5人の集団で旅し、互いを律し、行動するのが常であったが・・「貞節を乱す」などの理由により、即座に仲間から追い出され、1人で生きて行かねばならぬ・・なる“掟”もまた、存在していた。
そのようにして追放された者は“はなれ瞽女”と呼ばれた。
生きて行くため「躯を売る」ような“はなれ瞽女”もいたが、一方で、密かに剣術を極め「自らの身は自らで護る」ことを心に決めた女が1人・・その名を“市(いち)”と言った。

下総(しもうさ)から武者修行の旅に出て5年。師範代格の剣の腕を持つ、と言う藤平十馬(大沢たかお)は、通りがかったお堂(の脇)で、ごろつき共が瞽女らに危害を加えている現場に遭遇する。彼らは1人の瞽女に殴る蹴るの暴行を、もう1人の瞽女にも性的暴行を働こうとしていた。
ひとまず「待て待てっ!」と彼らを諌め“有り金のほぼ総てである十両の手形”を渡し、事なきを得ようとするも、野盗どもは納得しない。
「てめぇを斬って、十両もこの女も頂くぜ、ぐぇっへっへっ」みたいなことを言い出す。
仕方なく彼らと戦う決心をする十馬。しかし柄にかけた手がピッタリと動きを止めてしまう。
真剣を抜く事が出来ないのだ。
「何だてめぇ? ビビってんのか? ゴルァ!」的に斬り掛かって来るごろつき。十馬は思わず眼を閉じ死を覚悟する・・!

次の瞬間、血しぶきを上げ倒れたのは野盗であった。驚きの表情で「何が起こったのか」を把握しようとする十馬。
その前に「仕込み刀」を今まさに杖に収めようとする若い瞽女=市(綾瀬)の姿があった。

予告編(の映像)や“ICHI”なる表記のタイトルからして、もっとスピーディーな殺陣のガンガン展開されるスタイリッシュアクションなのか、と思いきや・・意外とゆったりした感の、実に「既視感に溢れた、予定調和な物語」ではあった。

(従来の)座頭市シリーズのイメージとし「主人公が無様でカッコ悪い」「劇中で大きな友情を育むも、それは終盤で崩壊する」「賭場で暴れたりもする」「中盤でリンチされボコボコになる」「終盤でテキの群衆を斬りまくる」などの要素があるかなと(私的に)思ってるんだが、流石に“はるかちゃん主演”だけあって「無様でカッコ悪い」キャラではなかった。。当然、畳にこぼれた酒を、口を擦り付けてチュウチュウ吸ったりするシーンなどはない(そりゃそうだろ!)

“徹底して綾瀬はるかを見せる作品”だな、と感じたのは、殆ど彼女と対峙する女性キャラが配されてなかった点からだろうか。
相対する2つの組織・・万鬼党(ばんきとう)の頭目=万鬼(中村獅童)にも、白河組の若親分=虎次(窪塚洋介)にも恋人的な存在はいなかった。そこまで描いてる余裕はなかったか?

流れとしては『はなれ瞽女おりん(1977)』の世界観に『用心棒(1961)』『七人の侍(1954)』『マッハ!!!!!!!!(2003)』『クイック&デッド(1995)』『シェーン(1953)』などの要素を“おいしい具合”にぶち込んだ印象か。
そこそこにしっかりした骨組みはあるんだけど、リズム感には著しく欠けてた気がするな(・ω・)

特に賛否の分かれるのは後半ではなかろうか? 私的にはも少し早く市に“あの場”に駆け付けて欲しかった、とも。
後半では“それまでさんざ「とんま」と呼ばれ続けて来た”十馬(とおま)がいよいよ「名誉挽回」するシチュエーションに力が注がれ過ぎてしまったかな、と。

市の「師匠」とも「父」とも解釈出来る某人物が登場するが・・「父親なのか?」と問われた彼女が静かに首を振るシーンを“敢えて盛り込んだ”トコに「何かがあるんやろか?」と妄想してしまった。
因みに彼は万鬼とも(過去に)死闘を繰り広げたようである。

市の肌身離さず持っている某アイテムが、ラストで“別な人物”に託される辺り「これが“居合の達人・座頭市の継承”の始まりなの?」とも思った。

しょっぱなの殺陣シーンは見応え十分! ここに本作のアクションのほぼ総てが集約されてたとも実感した!
・市の静かに手をかけた、仕込み杖の先端に蝶が止まっている
・居合い刀が一閃した後、刀を鞘に収める時に「ポクッ」「ポッ」なる小さな音がする
この辺りの演出には、かなり「ワクワクさせられた」ものである!

それと、窪塚君のセリフを耳で拾ってるウチに、何となく「脚本は“クドカン(宮藤官九郎)”かよっ?!」と思ってしまったのも事実(=^_^=)
何だかね、言い回しとか雰囲気とか、まんま『ピンポン(2002)』の星野“ペコ”裕(演じたのが窪塚)ですた。

一般客からすれば「前評判に比べ、ちょっとインパクトに欠けるよなぁ」と言う意見が、恐らくは多くを占めるんじゃないだろうか? しかし、綾瀬はるかファンには“マスト”な作品ではないかと考える。

かつて“学芸会レベル”とも一部で酷評された『あずみ(2003)』に主演した“あの娘”よりは「時代劇にしっくり溶け込んでおり、殺陣も自然」と感じたのは・・或いはワタシの贔屓目であったろうか・・?(⌒~⌒ι)

~ こんなセリフもありました ~

※「お前、はなれ瞽女だろ? “男の味”は知ってんだろ?」

市「私に構わないで下さい」
 「賭場は何処だい?」
 「灯りなんか、要らないよ」
 「子供は嫌いです。面倒だし、うるさいから・・でも汚れてない分、大人よりも信用出来る」
 「“境目”が見えないから、恐ろしい」
 「お節介も程々にしないと、酷い眼に遭いますよ」
 「私は私、ですから」
 「本当に何も分からなくなって、何も感じられなくなって・・」
 「今が昼なのか、夜なのか・・自分が果たして生きているのか、死んでいるのかも分からない。
  ・・別に、生きていたいとも思ってませんけどね」
 「人違いだよ」
 「あたしを万鬼の所へ連れてゆけ」
 「あんたに、訊きたいことがある」

十馬「大人は汚れている?」
市「大抵は・・」

十馬「今、鼻でフンと笑ったな?」
  「毎度、かたじけない」
  「いよいよ文無しか・・」
  「死んではならぬ」
  「生きるんだ・・生きろよ」

万鬼「“逆手一文字(さかていちもんじ)”の使い手は1人しかいないと思ってたが・・」
  「俺は、強ぇぞ」
  「俺たちは何処か“同じにおい”がする」
  「1度堕ちたヤツは2度と真っ当にゃ戻れねぇ・・特に血のにおいの染み着いたヤツはな」

長兵衛「“馬の骨”を幾らかき集めても、万鬼には叶わねぇ」
   「倅(虎次)を失うのは、本当に怖い」

虎次「死ぬ前に、2人以上叩っ斬れ~」
  「逃げんなよ、先生~」
  「(よっ)しゃぁ~」 ←まんま“ペコ”じゃないっすか(=^_^=)
  「ぶった斬って来いや~」

追記1:観終わって、かなりの興奮状態にあったか(=^_^=) グッズ販売コーナーで「鈴ストラップ(2本組)」を2ヶも購入してしまったのだった(⌒~⌒ι)
追記2:万鬼、あれでは「遠近感が掴めず、剣術面では極めて不利」と思うんだが。
追記3:虎次の父・長兵衛を演じた柄本明には「やっぱ“座頭市”と言えば、コイツが怪しい!」と思ったんだが(=^_^=)、それは考え過ぎだった。
追記4:万鬼の“隠された顔”も確かにインパクトあって怖かったが・・フツーにしてる竹内力さんも、十分に怖かった(×_×) 特にあの最後の表情は夢に出そうだ(=^_^=)
追記5:ロケ地協力は「庄内映画村」だそうだ。良さそうだなぁ・・
追記6:たけし版とは異なり“石灯籠斬り”は披露して貰えなかった。。
追記7:冒頭での市は笠をかぶり、深く顔を隠しているんだが・・このヴィジュアルをもっと引っ張って欲しかった。何となく『ゼイラム(1991)』の印象です。
追記8:考えたら、大沢さんと綾瀬ちゃんの年齢差より、大沢さんと渡辺えりさんのそれの方が少ないんやね(=^_^=)
追記9:馬は1頭のみ(?)しか登場せず、種子島(鉄砲)も弓矢も登場しませんですた。。飛び道具なきこの世界、、
追記10:後半で(?)とある重要キャラが“心停止”するような描写がありましたが・・アレって“補助バッテリーが起動”したんでしょうかねぇ?

|

« ☆『ダイヤモンド・イン・パラダイス(2004)』☆ | トップページ | ☆『はなれ瞽女おりん(1977)』☆ »

コメント

夜分こんばんは

>「いやっ! やはり今夜観とかないと!」と思い直し、逆方向(京橋方面)の電車に乗り換えたのだった。

このときのお気持ちは手に取るように分かります^^
判断ミスは絶対に許されない状況なので思考回路フルパワーですよね。
とにかく無事、鑑賞お疲れ様でした^^

>通りがかったお堂(の脇)で、ごろつき共が瞽女らに危害を加えている現場に遭遇する。

この瞽女さんの盲目の演技は上手かった!あれは誰なんでしょう?いい感じでした^^

>相対する2つの組織・・万鬼党(ばんきとう)の頭目=万鬼(中村獅童)にも、白河組の若親分=虎次(窪塚洋介)にも恋人的な存在はいなかった。

考えてみたら、これって不自然ですよね^^
白河組の女房が囚われの身として万鬼の女になってるとか。(白河組は百姓じゃないっての)


>「父親なのか?」と問われた彼女が静かに首を振るシーンを“敢えて盛り込んだ”トコに「何かがあるんやろか?」と妄想してしまった。

幼少時代を回想するところで、少女の口は「おにいちゃ~ん」と言ってるような感じでしたね。
実兄とはいわないけど、杉本哲太は意味ありげでした。

>馬は1頭のみ(?)しか登場せず、種子島(鉄砲)も弓矢も登場しませんですた。。

一応クライマックスのような、あの場面を見て、もしかしたら可也の低予算映画かなと思ってしまいました^^


投稿: ituka | 2008年10月29日 (水) 01時10分

これ、私もどうしようかな?と迷った映画です。
確かに仕事の後では、観にいくのに微妙な時間で....

で、このブログを読んでいるとTiM3さんは楽しんだようですね、色々言いながらも。
今週は私の映画週間なんでちょっと考えてみたくなる映画でした。「あずみ」でも楽しめた私にはこの映画面白く映りそうですね。


投稿: west32 | 2008年10月29日 (水) 22時34分

itukaさん、ばんはです。

今夜は、酔って早漏です(おいっ)

>このときのお気持ちは手に取るように分かります^^

ホンマに、それ以降は色々と雑事に忙殺されてをります。

>とにかく無事、鑑賞お疲れ様でした^^

有難うございます。

>この瞽女さんの盲目の演技は上手かった!あれは誰なんでしょう?いい感じでした^^

佐田真由美さんと言う方のようです。
ウィキで調べてみて、ちょっと好きになりましたね(=^_^=)
こう言う人は、イイです。幸せになって頂きたい。

>白河組の女房が囚われの身として万鬼の女になってるとか。
>(白河組は百姓じゃないっての)

それぞれに「ナルちゃん」ではなかったかな、と。

>幼少時代を回想するところで、少女の口は「おにいちゃ~ん」
>と言ってるような感じでしたね。
>実兄とはいわないけど、杉本哲太は意味ありげでした。

何となく「超」師弟関係がありそうな気がしました。

>一応クライマックスのような、あの場面を見て、
>もしかしたら可也の低予算映画かなと思ってしまいました^^

やっぱり、庄内映画村を爆発させるぐらいの勢いが欲しかったかも(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2008年10月30日 (木) 00時39分

west32さん、ばんはです。
酔い過ぎて、タイピングが覚束ない・・

>これ、私もどうしようかな?と迷った映画です。
>確かに仕事の後では、観にいくのに微妙な時間で....

何だか、サラリーマンには厳しい上映時間です。。
19時の時間帯でお願いしたいがなぁ。

>で、このブログを読んでいるとTiM3さんは楽しんだようですね、
>色々言いながらも。

そうですね。
基本、興奮しまくってました(=^_^=) 暗闇の映画メモもぐちゃぐちゃですた(=^_^=)

>今週は私の映画週間なんでちょっと考えてみたくなる映画でした。
>「あずみ」でも楽しめた私にはこの映画面白く映りそうですね。

『あずみ』も『座頭市(たけし版)』も、劇場で観た折は、そんなに文句はありませんでしたけどね。
綾瀬はるかと言う女優に拒絶反応がないのであれば、おススメします。
少なくとも、ワタシは好きな作品ですし、きっと『ハッピー☆フライト』よりは気に入るんじゃないかと思っています。

投稿: TiM3(管理人) | 2008年10月30日 (木) 00時46分

観て来ましたよ。
(といっても私のブログの方にもうコメントして頂いていますが....)
映画を観て、ここでTiM3さんがおっしゃっていたことの意味色々わかりました。


> 追記10:後半で(?)とある重要キャラが“心停止”するような描写がありましたが・・アレって“補助バッテリーが起動”したんでしょうかねぇ?

これって本当に面白いですね。補助バッテリー様々で、ちゃんとフィナーレを作っているんですね。

投稿: west32@ICHI | 2008年11月 2日 (日) 22時09分

west32さん、今日はです。

連休も、終わつちまうのですね・・

>映画を観て、ここでTiM3さんがおっしゃっていたこと
>の意味色々わかりました。

正しい意味は違うのかも知れません(=^_^=)
曽利監督に言わせれば「お前なんかに何が分かる!」って感じかも知れません(=^_^=)

>これって本当に面白いですね。補助バッテリー様々で、
>ちゃんとフィナーレを作っているんですね。

ついでに悪ノリして、あのキャラクターの眼から観た映像を再現して
欲しかった(=^_^=)
一面が赤い画面に「体格一致」とか「返答例」とかをピピッと表示したりして
(あんたはサイバーダインかい!)

投稿: TiM3(管理人) | 2008年11月 3日 (月) 13時05分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ☆『ダイヤモンド・イン・パラダイス(2004)』☆ | トップページ | ☆『はなれ瞽女おりん(1977)』☆ »