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2008年10月18日 (土)

☆『幸福な食卓(2006)』☆

さる7日(火曜)の夜、衛星第2で放送されたものを鑑賞。その週の“家族系ムービー”のトップバッター的な作品であったか、と(因みに、翌8日に『酒井家のしあわせ』が、翌々9日に『ゆれる』が放送された)。

あんまり期待せず観始めたが、妙にすき間(余白)だらけの演出・・が故に、(想像力もかき立てられ)味わい深いドラマではあったか、と。
最近に劇場で観た『トウキョウソナタ』もそうだったが“家族の崩壊&再生”こそが邦画がきっと最も得意とするジャンルだろうし、最も口酸っぱく描き続けるべきジャンルなんかも知れない(・ω・)

かつて教師だった父・弘が“とある事件”を起こして3年目の春のある朝、中原家の食卓で弘がポツリと言い放った。

「父さんな、今日で父さんを辞めようと思う」

その“とある事件”を機に、中原家はじわじわと崩壊を続けていた。
母(石田ゆり子)は夫と離れ自活。優等生だった兄・直(なお)は大学に行かなくなる。主人公でもある佐和子(北乃きい)は、毎朝の食卓の場で“家族3人揃ってはいるものの、言いようのない孤独感と当惑をひたすらに募らせ”続けていた。

そんなある日、彼女の前に爽やかな転入生・大浦勉学(勝地涼)が現れる。
あっけらかんと「俺んち、崩壊してんだよなぁ〜」と語る“裏表のない”勉学に、次第に惹かれてゆく佐和子。

やがて2人は揃って憧れの難関校=県立西高等学校(西高)に合格する。

とうとうクラスが離れてしまった2人だが、迫る(その年の)クリスマスを前に“プレゼント交換”をすることを約束する。

彼女はまだ、やがて訪れる失意のことを知らなかった・・

うーん、テーマ的には“家族”がメインだが、いきなり佐和子の前に現れる“大浦勉学”のキャラが作品世界を引っ掻き回すほどに印象的であるため、序盤&終盤の“静けさ”こそは際立つ半面、“家族の再生”に関してはややカラーが薄まってしまってた感もあったかな、と。

佐和子には勉学、直には“小林よしこ”・・と兄妹それぞれに“新たな家族候補”が誕生するんだが、最後に小林よしこをして放つ

「恋人も友達も何とかなる・・努力次第でさ。でも家族はそうはいかないよ・・
 もっと甘えたらいいのにって思う。
 ・・家族って“作るのは大変”だけど、その分“滅多に消えたりしない”からさ。
 だから安心して甘えたらいいと思う」

のセリフこそが、まぁ本作の“語りたかったこと”なのだと私的には解釈している。

それにしても、北乃さんの“静のキャラ”と勝地くんの“動のキャラ”のコンビが、すごくフレッシュで好感の持てた作品ではあった。今後、またお2人が共演することが実現するなら、それぞれのキャラ(の造形)を入れ替えての“コメディ作品”なんぞを観てみたいと思う(=^_^=)

〜 こんなセリフもありました 〜

勉学「お前って“けど”が多いよな」
  「スゴいだろ? 気付かない所でお前って色々護られてるってこと」

母「あのね・・離れていると、それまで気付かなかった事に気付いたりして、良いこともあるのよ」
 「直が本当に人を好きになるのは、ずっと先のことよ」

よしこ「見え方が違うだけ・・べったりと近くに居過ぎると気付かないんだろうね」
   「とにかく、あんたは元気になんないといけないと思う・・まぁ別に急がなくてもいいけど」

直「我が家って、みんな役割を“放棄”してるんだよな」
 「俺にも(親父のように)歪みやずれが出始めたんだ・・そして、その歪みをゼロに戻すには、死ぬしかないんだな」
 「“真剣さ”さえ棄てる事が出来たら・・」

佐和子「きっと、他人じゃないと救えないものってあると思う」
   「死にたい人が死ななくて、死にたくない人が死ぬなんて・・そんなのおかしいよ、不公平だよ」
   “人は時々いつもと違う事をする・・きっとそれは“何かの予感”があって、自然にそうしてしまうんだろう”

勉学「キスしていいか?」
佐和子「もう・・どうしていちいち訊くの?」

父「子供はいいな・・次の日が楽しみになるなんて、大人になるとそうそうないからな」
 「父さんは・・やっぱり父さんでいようって思った」

追記1:予備校で講師のバイトをする父。そこのスローガンは「沈着・冷静・大胆」だった。何だか“犯罪的な響き”をも感じさせる3要素ですね(⌒〜⌒ι)
追記2:後半。電車の窓越しに、何かを(佐和子に)言った勉学。何と言った??(少なくとも「2つで充分ですよ」とか「作戦は5時間後に始まる」とかではなかったと思う、、)
追記3:ラスト、佐和子の前に現れる某人物。「大丈夫だから・・僕、大きくなるから」のセリフと、坂の上下に配された(その2人の)立ち位置映像に“新たな物語の息吹”を感じたりもしたワタシ(・ω・)

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コメント

こにちわわです。

これ、原作読んだんですが、自分的にはもひとつやったんです。(言うてすまん)

あ、けど、いつも原作がおもしろうて映画観たらもひとつ・・いうのん繰り返してるわけやから、逆にこれは「いけてるっ」て思えたりなんかして・・・。

投稿: ビイルネン | 2008年10月18日 (土) 11時42分

こんばんは。
北乃キイは、深夜番組(再放送?ライフという名の番組でした)で苛められる女子高生の役をしていた番組で注目しました。

本作、どうしても否めない感覚(勉学君役の勝地君がどうしても中学生には見えなかった、石田ゆり子さんは好きだけど“お母さん”を感じなかった)があって、作品自体はいいと思ったものの、最終的に入り込めなかった処がありました。

兄役の子が意外によかったなという記憶があります。

きいちゃんは、やっぱり今後に期待の女優さんです。(*^_^*)

投稿: ぺろんぱ | 2008年10月18日 (土) 19時58分

こんばんは
実はワタクシ、北乃きいさんという人物は
菅井きんさんのような高齢な女優さんと半年前まで思っていました。
ところが、実際はまだ十代と言う若さだったことを知り
椅子から転げ落ちました。(いや、落ちたのはオーバーです)
来月『ラブファイト』という映画がありますが
昔の大林監督の尾道三部作のイメージがどことなく漂っているかなと感じた次第です。

投稿: ituka | 2008年10月19日 (日) 21時02分

みなさん、アツいコメントを有難うございます。

ちょっと、今夜は旅行帰りでバタバタしてますので、
明日以降でまとめてお返事させて頂きますね(・ω・)

追記:またTV放送されてた『M:i−2』のラストを観ちゃった、、(⌒〜⌒ι) トム・クルーズのエキサイトした時の甲高い(?)雄たけびが、結構好きですワタシ(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2008年10月20日 (月) 00時59分

ビイルネンさん、ばんはです。

>これ、原作読んだんですが、自分的にはもひとつやったんです。(言うてすまん)

物語そのものは、ワタシも平坦かつ予定調和でイマイチかな?
と感じましたね(原作は未読ですが)。

しかし、そこを補って余りある「ロケ映像群」「キャラ造形」の良さは
特筆に値するかな、と。

>いつも原作がおもしろうて映画観たらもひとつ・・いうのん
>繰り返してるわけやから、逆にこれは「いけてるっ」て
>思えたりなんかして・・・。

無意識にも、読者それぞれがキャスティングや映像を(原作と)比較し、
直感的に「いけてるかどうか」結論を導き出してるのかも知れませんね。

投稿: TiM3(管理人) | 2008年10月20日 (月) 20時57分

ぺろんぱさん、ばんはです。

>北乃キイは、深夜番組(再放送?ライフという名の番組でした)で
>苛められる女子高生の役をしていた番組で注目しました。

全く知りませんでしたが、最近、職場の近くで「防犯ポスター(防火ポスターだったかも?)」
のモデルさんになってるのを発見しました。

>本作、どうしても否めない感覚(勉学君役の勝地君がどうしても
>中学生には見えなかった、

中盤で高校生活に突入しますし・・(・ω・)
あと、同級生ながら、少し兄貴ぶったキャラ要素が必要だったのかも・・
私的には問題にはなりませんでした☆

>石田ゆり子さんは好きだけど“お母さん”を感じなかった)があって、
>作品自体はいいと思ったものの、最終的に入り込めなかった
>処がありました。

それはありましたね。
って言いますか、あのご夫婦に、どんな会話が交わされたんだろう、、

>兄役の子が意外によかったなという記憶があります。

ニワトリをどうするのか、気が気ではなかったです(⌒〜⌒ι)

>きいちゃんは、やっぱり今後に期待の女優さんです。(*^_^*)

これからの作品選びが楽しみだし、大変だとも思います。
コメディエンヌな才能を爆発させて欲しいなぁ。

投稿: TiM3(管理人) | 2008年10月20日 (月) 21時08分

itukaさん、ばんはです。

>実はワタクシ、北乃きいさんという人物は
>菅井きんさんのような高齢な女優さんと半年前まで思っていました。
>ところが、実際はまだ十代と言う若さだったことを知り

女優の名としてどうかなぁ? とも感じましたが、
「黄色(きいろ)」のイメージからの命名だそうですね(ウィキより)。

そういや昔、根岸季衣さんを「ねぎしきい」さんと読んでたことを思い出しました(×_×)

>昔の大林監督の尾道三部作のイメージがどことなく
>漂っているかなと感じた次第です。

尾道、いいですねぇ〜(この土曜に行って来ました♪)

投稿: TiM3(管理人) | 2008年10月20日 (月) 21時17分

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