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2008年10月 9日 (木)

☆『アニー(1982)』☆

今さらながら、放置されていたレビューをば、、(⌒〜⌒ι)

さる9月16日(火曜)の夜に鑑賞した映画『アニー』について、少し書いてみたい。

この週に衛星第2で放送された“ミュージカル映画特集”の一環のようであったが「孤児である主人公の少女が、頑固な富豪をぎゃふんと言わせるハナシ(=痛快コメディ作品)」かと予想してたら・・そうでもなく、アメリカの“かつてクスブっていた時代”をしたたかに背景に取り込み描いた、意外にシリアスな物語世界だったことに、感心も感動もさせられたワタシだった。

1930年代。世界は恐慌に揺れていた。
ここニューヨークでも失業者が激増、ならず者(=犯罪者)が跋扈(ばっこ)すると共に、生活苦から我が子を棄てる親も決して少なくなかった・・
主人公のアニー(エイリーン・クイン←“エイリアン・クイーン”ではない!)は10歳の赤毛の少女。下町の「児童養護ホーム」で孤児いびりを生き甲斐としてる(?)ヒステリックなハイミス=ハニガン院長に服従を強いられる仲間たちの中にあって、唯一(?)希望を失わぬ“強い子”であった。

その理由は、アニーが肌身離さず身に付けてる“ハート形ペンダント(ロケット?)の片割れ”・・両親が彼女を育て切れず“この町”に託した際、その半分を割って残して行ったものであり、彼女は「いつか“ペンダントの残る半分”を携え、両親がきっと迎えに来てくれる」と信じているのだ。

そんなある日、いつものように“脱走”を図り、これまたいつものように“連れ戻された”アニーのもとへ、大富豪オリバー・ウォーバックス(アルバート・フィニー)の秘書=グレース・ファレル女史がやって来る。ウォーバックスが1週間の期限で“元気の良い孤児を1人”屋敷へ招待し“クリスマス休暇”を一緒に過ごしたい、なる申し出だった。
実際のトコロ、ウォーバックス自身は子供に興味がある訳でもなく「慈善活動してまっせ!」的なアピールを大々的に行い、名声を得ようと考えただけのことだった。

グレースに“あたしをここから助け出して”サイン(?)を送ったアニーは、望み叶い、ウォーバックスの豪邸(5番街の一角)に招待される。

間もなく、頑固で子供に興味のなかったウォーバックスの心に少しずつ溶け込んで行く、新しい家族“アニー”の存在。
1週間が過ぎる頃には「アニーを養子にしたい」と考え始めるグレース(とウォーバックス)だったが、アニーは「その気持ちはとても嬉しいが、私はやはり両親を見つけたい」と告白する。
ウォーバックスはそんなアニーの力になろうと、メディア(新聞&ラジオ)を活用し、FBIにも手伝わせ(=^_^=)「名乗り出たアニーの両親に5万ドルを!」なる大型キャンペーンを打つ。

“礼金狙いの連絡”が次々とウォーバックス邸に飛び込む中、ハニガン院長が突然「ニュージャージーからやって来た」としてアニーの両親を連れて来る。
マッジ夫妻を名乗るその2人は、確かに“ペンダントの片割れ”を所持していた・・

ニューヨークが舞台の「キッズ・ミュージカル」と言えば『ニュージーズ(1992)』を思い出してしまうワタシだが、本作も登場人物に“その時代ならではのリアルさ”を持たせていて面白い。
ロックフェラー、カーネギー、ルーズベルト大統領、FBI長官のフーバー、新聞王ハースト・・中でも、ルーズベルト大統領は“実際にそれらしい雰囲気を持つ”キャスティングで登場、ウォーバックス&アニーとプライベート会談みたいなことをやってくれたりもする。
こういう『フォレスト・ガンプ/一期一会(1994)』的なフィクション系演出のセンスって、ベタながら結構好きなワタシです(=^_^=)

本作で最大の悪党キャラながら、一番誠実に(?)歌い踊ってくれた1人がルースターを演じたティム・カリー。良くこんな嫌な役を演るなぁ・・と感心するが、考えるとティムはかの『IT/イット(1990)』でオッソロしい殺人鬼キャラ“道化師のペニーワイズ”を堂々と演じ切った名優であるから、この手の起用はきっと楽しくて仕方がなかったことだろう(←勝手に決め打つなよ)。

終盤で、アニーが追いかけられ、鉄橋をよじ登って逃げる・・なるスペクタクルシーン(?)が展開されるが、その時にハニガン女史が「やめて! まだほんの子供よ、殺すことはないわ!」と絶叫するシーンで「あ、いつもはイヤなキャラで通してるけど、ホンマは優しくてええ人なんや」と言う彼女の“無垢な心”を感じさせられてしまい、それだけでウルウルしてしまったのだった。。

総じて、この映画版の評価は低いようだが・・私的には「いい作品を観たな〜」と何だか優しい気持ちになってしまったモノである。
まぁ、ジョン・ヒューストン監督がメガホンを執るべき映画だったのか、は微妙なトコかも知れないが(⌒〜⌒ι)

※同監督は『アフリカの女王(1951)』『許されざる者(1960)』などで有名。女優アンジェリカ・ヒューストンのお父さんでもある。

〜 こんな歌詞&セリフもありました 〜

【アニー】
♪パパとママの唯一の過ちはあたしを棄てたこと
♪この犬の名はサンディ、ウソだと思うならノミに訊いてみて
♪世の中、不況だと言うけれど、映画があれば気にしない
♪酷い昨日なんか済んだこと

【ハニガン】
♪あたしだって、男に耳を噛んで欲しいわ

【グレース】
♪アニーが家族に、まるで税金が戻って来たような気分

【ウォーバックス】
♪君は人生を歌に変える
♪アニー、君は破産した時の1ドル

アニー「傷つかないでね、あなたは優しい人よ」

グレース「どんなにお金や権力を愛しても、それらはあなたに愛を返してはくれません」
    「不正直な人間が、ニューヨークにこんなに多いとは・・」

ウォーバックス「落札したが好かん絵だ、トイレにでも掛けておけ!」 ←いや、それは“モナリザ”なんですが、、
       「女と来たら、宝石店に行くと・・戻って来やせん」
       「成功のために、多くの人を傷つけた」
       「いくら財を稼ごうと、分かち合う人がいなければ、貧しい頃と変わりはしない」
       「アニーが誘拐された! FBIの捜査員を総動員してくれ!」

大統領「失業者に職を、そして我が国民に誇りを」
   「アニー、この国に失望した若者に呼びかけてくれ」

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