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2008年9月15日 (月)

☆『パコと魔法の絵本』☆

15日(月曜)。起きたのが正午前で「3連休が終わっちゃうじゃ〜ん! こんなのいやぁぁ〜!」と叫びつつ(←おい、大丈夫か!)ドライヴがてら市内のシネコン「シネプレックス枚方」を再訪した☆
実は他に観ときたいのが2本ほどあるんだが、、今回は「観れるモノを、観れる劇場で、観れる内に観とこう!」ってことで、邦画のファンタジー『パコと魔法の絵本』と、先行上映されたハリウッドアクション『ウォンテッド』をわずか30分の間隔を空けたのみで連続して鑑賞した(⌒〜⌒ι) いやー、ちょいと“作業”っぽくなってしまったなぁ、、

とあるキャラをして“ゴミためみたいな場所”と呼ばれる郊外の病院が舞台。
そこには一代で大会社(=(株)ルワール)を築き上げた大貫会長(役所広司)を筆頭に、自殺未遂を繰り返す“元・有名子役”の室町(妻夫木聡)、消防車に轢かれた消防士=滝田(劇団ひとり)、おせっかいなオカマ=木之元(國村隼)、縫いキズだらけのチンピラヤクザ・・などのエキセントリックな面々が入院していた。
自身の不在に伴う(自社の)売上げ減を心配し、何もしない毎日に苛立つ余り、大貫は医師(上川隆也)、看護師(小池栄子&土屋アンナ)にも患者らにも見境なく不満をぶつけ、悪態をついていた。
そんなある日、彼が出会ったのは「絵本」の好きな女の子=パコ(アヤカ・ウィルソン)。
とある勘違いから彼女をぶってしまう大貫だが・・翌日、左頬にガーゼを当てた痛々しい姿のパコに詫びようとした彼に、彼女は「おじさんは誰?」と問う。
彼女が自動車事故により、1日しか記憶を保てないことを知った大貫は・・次第に「クソじじい」のキャラを脱皮し、パコのために何か良いことをしてやろうと決意するのだが、そんな彼の心臓には、既に“最後の発作”が近付きつつあるのだった・・

「ごてごてしたCG群に興醒めするんやないかなぁ」とそこがまず不安だったが、エキセントリックなキャラ群&世界観とそれなりにマッチしてて助かった。特に何度か画面の端に出没した「黒猫」の動きが良い。如何にも「後から描き足してます」なタッチなんだが、そこがイイ味を出してるのだ☆

サブタイトルか何か(クレジットがあった)で“ミッドサマー・キャロル”と銘打たれてたように、物語の軸はディケンズの小説『クリスマス・キャロル』をネタにしてることは明白なようだ。そこに『ガチ☆ボーイ』の記憶ネタ、『クワイエットルームにようこそ(2007)』の閉鎖的世界、『嫌われ松子の一生(2006)』の身内絡みの回想スタイル・・などを色々と取り入れ、器用に仕上げてるかな、と感じた(たまたまの一致かも知れないが)。

実際に観る迄「ミュージカルか?」と思っていたが、さほど楽曲ががんがん流れてた訳でもなく、國村さんの歌う(中途半端な)ジュディ・オングが耳に残るぐらいだった(=^_^=)

前評判でだか、ストーリーを大体知ってたので、それほど驚くべき展開はなかったんだが・・本作の場合は「キャラ群の言動を楽しむ」「キャラごとに用意されたオチを楽しむ」って部分こそが観るべきトコではなかったかな、と。

私的には「パコ⇒大貫」の影響は勿論のことだが「※※⇒室町」「医師⇒大貫」と言った影響の及ぼされ方も好きで「ああ、こんな関係っていいよなぁ〜」とうっとりしてしまったものだ(=^_^=)>

中盤で大貫老人が「あああああ〜!」と号泣するシーンに、ついワタシもボロボロっと来てしまった。頑固じじいが(ひょっとすると人生初の)「悔い」と「不安」の感情を人前に露(あらわ)にするこの場面、ピクリとも心に迫らないヤツはきっと「ガキ」に違い有りません(・ω・)

キャラ的には“狂言回し”でもあった堀米けんじ(阿部サダヲ)の弾けっぷりが凄まじかった! あの言動は『マスク(1994)』時代における“絶頂期のジム・キャリー”をも圧倒してた気がする。
共にモンスターっぽくなってた2大看護師(小池さん&土屋さん)もお互いの接点(ってか会話)は殆どなかったけど、共に良いアクセントとなってました(⌒〜⌒ι)

また、やはり忘れられないのがパコを演じたアヤカちゃん。何故だかその面影に「将来の長澤ま※み」を観てしまった気のしたのはワタシだけではありますまい(=^_^=) この先“太りそう”な感じもして不安だけど、今後も頑張ってね、と☆

本作を観終え「自宅の畳の上で死ぬより、どっかの集会所で(老人会の)出し物中に、コスプレのままぶっ倒れて死ぬ」って方が鮮やかで気持ちの良い“逝き方”かも知れんなぁ・・と感じてしまった。カッコ良く言えば『ライムライト(1952)』のカルヴェロ(チャールズ・チャップリン演じる主人公)なんだろうけど・・

〜 こんなセリフもありました 〜

大貫「お前が私の事を知ってるだけで、腹が立つ」
  「明日じゃ駄目なんだよ!」
  「私はこの子の心に入りたいんだよ」

堀米「写真になれば“頑固じじい”もこの通り、静かなもんです」
  「人間はこの世で一番悲しく醜い生き物なんです」
  「悪いのは僕じゃない、思春期がいけないんだぁ!」
  「出た!その理論」
  「ボタンがあったから押した? まるでさおりちゃんのリコーダーが
   教室にあったからそっと舐めた小学生時代の僕のようですね」

医師「そもそも人間に殻なんてないんですよ」

木之元「オカマの人生はね、1度で2度美味しいのよッ」

堀米「残念! 正解はタニシでした」
ヤクザ「だから、何のハナシやねん!」

堀米「お聞きになりたいんですね?」
青年「あなたが話したいんでしょ? ・・って言うかもう始まってるし」

大貫「私は弱い人間になったのかな?」
医師「人間は、強くなきゃいけないんでしょうか?」

大貫「教えてくれ、この涙をどうやって止めればいい?」
医師「簡単です、いっぱい泣けば、涙は止まります」

大貫「あの子といると、自分が弱い人間に思えて来る」
医師「それは辛いですか?」
大貫「いや、却って心が軽くなる」

パコ「触ったよね? 昨日このほっぺに?」

室町「死ぬのは怖い・・でも、生きるのはもっと怖い」

看護師「♪ハラワ~タえぐ~り、鍋で煮込~む」←“蛍の光”の歌詞で
患者「こわっ!」

追記1:原作者=後藤ひろひと氏が冒頭「エルヴィス・ゴトー」とし「ハワイアン&タヒチアン・スクール」で踊ってる!
追記2:ボタンを押すと上から“たらい”が落下、、観客もきっと同時に突っ込んでた(=^_^=)「ドリフかい!」

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コメント

こんばんは。
密度の濃い連休を過ごされた由(30分のインターバルでの二本御鑑賞とか!)、何よりです(*^_^*)。

中島監督、、、オリジナルの世界だけでも十分なものを、一旦「自らの世界」に持って行ってわぁーっとシャッフルして再構築する・・・そんな感じの監督さんです、『松子…』以来、私が思うに。面白い監督さんです。

アヤカちゃん。
多分、本作では思いっきり“下手に”(と言いますか、一切上手く作ろうとせずに)演じるように演出された結果の彼女だったと拝察します。
その点で、今後どうそれが逆説的に??活かされるのか、とっても楽しみです。なんてったって掛け値なしで“可愛いっ!”ですから。

どこかの集会所でコスプレのまま倒れ死ぬ・・・そういう死に方もあるのだなと(それもいいのだな、と)貴レヴューを拝読して“違う方向から”生きる勇気が湧いてきました!ありがとうございます!・・・って、何の御礼だか??

投稿: ぺろんぱ | 2008年9月16日 (火) 22時19分

ばんはです。

さっきまでBS2で『アニー』を観てました☆
ながら観で十分やろ! とタカをくくってたら・・すっかり吸引されました(=^_^=)

>中島監督、、、

きらびやかな(作風の)印象の強い彼が(←ナニをえらそうに(=^_^=))、今度はシンプルな物語を紡ぐと面白いんじゃないか・・と勝手に期待してます。
「1ロケーション(置きカメラ)」+「モノクロベースのパートカラー」とかね。

(ティム・バートンで言う『エド・ウッド』系ですね)

>アヤカちゃん。
>多分、本作では思いっきり“下手に”(と言いますか、一切上手く
>作ろうとせずに)演じるように演出された結果の彼女だったと拝察します。

そうですか・・私的には「下手」とは思わなかったですが、確かに「巧さ」はちらとも見せなかったですね。

成長と共に歪まなければエエのですけど・・

>どこかの集会所でコスプレのまま倒れ死ぬ・・・
>そういう死に方もあるのだなと(それもいいのだな、と)
>貴レヴューを拝読して“違う方向から”生きる勇気が湧いてきました!

もう1つの死に方は「最高の強敵」と決闘して、潔く倒される・・ってパターンでしょうか。いわゆる『座頭市』シリーズのライバルキャラみたいな感じ。。

・・でもやっぱり痛いし、みっともないだろうから、そっちはやめとく(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2008年9月16日 (火) 23時37分

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