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2008年8月14日 (木)

☆『ダークナイト』☆

11日(月曜)。仕事帰りに「1本行っとこう!」と軽い気持ちで鑑賞したのが、公開前から期待してた1作『ダークナイト』だった。

しかし・・予想以上に「重くて」「暗くて」「“守り”の物語で」「“繋ぎ”の物語で」「長くて」・・とマイナス的な要素が強く、思ったほどの“爽快感(←これはワタシにとっての判断基準で、一般に言う「作風」とは別)”が得られなかったのは残念だった(・ω・)
特に後半の約1時間は膀胱がパンパン状態で破裂しそう(う。失礼、、)になり「もう、この辺でエエですやんか~」的な呟きが心の中で漏れ続けたのも事実だった。。
(さながら“腹部に埋め込まれた携帯電話”のように痛みますた・・)

シカゴに似た大都市“ゴッサム・シティ”では「ならず者の自警市民の代表格」と称されるダークヒーロー“バットマン”が、人々の眼に届かぬ“影の部分”で、悪の手から街を守り続けていた。

中小規模の悪党退治には活躍の冴え渡る彼であるも・・街を裏で牛耳ているマフィア(ファルコーネの一味)や怪し気なアジア系ハイテク企業(香港に本拠を構えるラウ社)にはなかなか決定的な鉄槌が下せず、戦いは長期化の様相を呈していた。

そんな中、街に“光の騎士”と“混乱の使者”がほぼ時を同じくして現れる。
前者は正義感に燃える新任の地方検事=ハーヴェイ・デント(アーロン・エッカート)、後者はピエロメイクで相手を脅かす狂人的犯罪者=ジョーカー(ヒース・レジャー)である。

手始めにゴッサムの大手銀行を鮮やかに襲撃したジョーカー(率いる一味)は、その勢いでマフィアとラウ社を挑発、次にバットマン襲撃&ゴッサムの要人殺害と言った大胆な計画を次々と実行してゆく。

我らがバットマンは・・と言えば、はびこるマフィアを根絶すべく、まず香港に逃げ帰ったラウ社長を連れ戻し、ゴッサム市警に引き渡す。その活躍に応えるかのようにハーヴェイはマフィアの幹部=サルヴァトーレ・マローニを摘発、彼ら2人のタッグには縁の下の(?)協力者=ゴッサム市警のジム・ゴードン警部補(大物俳優G.Oこと(=^_^=)ゲイリー・オールドマン)も唸るしかなかった。

だが、そこにマフィアと手を組んだジョーカーが現れ“にせ”バットマン(既にゴッサムにはバットマンを模倣する市民が多数存在し、好き勝手に(=^_^=)正義の拳を振りかざしていた)の“見せしめ的”な殺害を皮切りに、街の要人の同時殺害を予告する。そこには市警のローブ本部長のほか、あろうことかハーヴェイの名も含まれていた。

ジョーカーは予告通り、的確に要人を襲撃してゆく。

次なる標的がガルシア市長であることに気付いたバットマン&ゴードンは辛うじてその暗殺を阻止するも・・それはジョーカーの仕組んだ数々の“悲劇”と、そしてバットマン&ゴッサム市民に突き付けられた“大いなる選択”の始まりに過ぎなかった・・!

良くも悪くも、前作『バットマン/ビギンズ(2005)』で積み上げた数々の“作品世界を構成する要素”を自ら解体&再構築してた印象を随分と受けた本作。細かい部分で「台無し」になってしまった要素や、どうにも冗長な構成など、監督以下の製作陣がかなりアタマを悩ませながら何とか脚本を練り上げた作品、と私的には感じる。

本作は惜しくも、今後の活躍の期待された若手男優ヒース・レジャーの遺作であり、狙ってか狙わずか、そこも(悲劇ながら)PRの1つになっているのだが、確かに作品全体を覆うジョーカーの存在感は絶大だった(悲しくも、彼の“素顔(ノーメイク)”は結局、劇中では拝めなかったが・・)。

バットマン=ブルース・ウェイン卿(クリスチャン・ベール)は、アクションシーンを一手に引き受け「画面狭し」と動き回ってくれるモノの、総じて存在感が希薄、と言おうか“クリスチャン・ベール”でなくとも(他の男優でも)務まる気もした(⌒~⌒ι)

本シリーズに限ってはブルースを取り巻く人々・・執事アルフレッド(マイケル・ケイン)、副官ルーシャス・フォックス(モーガン・フリーマン)、ゴードン、そしてヒロインであるレイチェル・ドーズ(マギー・ギレンホール)を演じる人々こそが重要に思う。
そんな訳で『ビギンズ』でレイチェルを演じた女優さん(ケイティ・ホームズ)が交代してしまったのは残念だし、心の何処かで「今回(のヒロイン)はミスキャストだったんでは?」とも感じてしまった。

シリーズの続編とし「原作が持つ物語本来の重厚さ(?)」を尊重したためか、前作に比べ“遊びの部分”が殆どなく、ジョーカーなる“終始ニヤついた悪党”がほぼ全篇に渡りスクリーンを騒がせる割に・・全くと言って良いほど「笑えるシーン」の設けられてなかったことも「重苦しさ」「閉鎖感」に輪をかけてしまっていたようだ。

んではザラッと感じたことを列挙してみたい。

・前作での「殺しはしないが、助けもしない」ちぅ“バットマン精神”がやや破られてた(2度もジョーカーを葬り去る機を逃した)
・前シリーズ(1989)でジョーカー(ジャック・ニコルソン)の放った「月光の下で悪魔と踊ったことがあるかい?」に迫る“決めゼリフ”がなかった(←文字通り“殺し文句?”)
・メディア(報道陣)不在だったゴッサム。個性的な「記者キャラ」の全く登場しなかったのが残念、、
・ウェイン産業ほどの大企業なのに「医療部門」すらないのか?(会長おん自らキズを縫合するのもどうかと・・)
・武器&爆薬の調達はどうやったんだ、ジョーカー?(あの爆薬に関する専門知識はどこで修得した?)
・ヒロインはキャリー・フィッシャー似だったような・・(⌒〜⌒ι)
・主人公の“嫉妬心&喪失感”が殆ど描かれず、感情移入も出来なかった・・『リベリオン(2002)』と比べても全然ベール君の言動の厚みが違う、、
・バットマンとゴッサム市民の間に、妙な距離感が。。『スパイダーマン2(2004)』のように「ヒーローをかばおうとする市民ら」を描いたり、終盤でジョーカーと群衆を直接“論戦”させても良かったかと思う(考えたら、殆ど市民と直に向かい合わず、遠隔操作ばかりやってた印象の強いジョーカー、、実は対人恐怖症だったか?)
・マフィア組織、ラウ産業、ジョーカーの部下らに描き込みが足りなかった。
・昼間のゴッサムの情景(空撮など)に幻滅・・あれじゃただのシカゴじゃん(=^_^=)
・香港に出張しイーサン・ハントばり(=^_^=)の“高層ビル潜入”をするバットマンの行動に違和感・・
・終盤に登場する“あの少年”がいずれ(バットマンの相棒)ロビンとなるのか?
・ゴッサムの医療レベルの低さに驚愕!(特に熱傷の処置)
・冒頭は『ビバリーヒルズ・コップ2(1987)』で幕を明け、中盤では『バンテージ・ポイント(2008)』ぽい演出をやってた(=^_^=)
・(バットマンによる)囚われたデントの救出作業は余りにお粗末だったのでは? その後、彼を見舞いもしなかったし(デント自身が面会を断ったか?)
・強烈なメイクで存在の際立ってたヒースくん。しかしあの倒錯的な女装(ナースプレイ)はさぞ苦痛だったのでは?
・続編でのジョーカーはどう描く? (やや似てる系の)マーク・ウォールバーグ氏を起用か?
・「銀行を“自警”してる組織(マフィア)」って演出は面白い!
・前作で完全に発狂したと思ってたスケアクロウ(キリアン・マーフィー)の回復が喜ばしかった☆(あっけないが)
・今回“理由”あってバットケーブ(洞窟)は登場せず・・製作費の問題もあったか?(⌒〜⌒ι)
・研究開発部の機密事項をネタにフォックス社長をゆすってたチンケな悪党リースくん。キミにはキミなりの“愛社精神”が備わっていたと言うことか?
・「砕け散った弾丸の破片を再生⇒指紋を検出」とか「市内の全携帯から1つの回線を探し出すシステム」なんかは面白かった。
・ジョーカーの語りたがる“キズに秘められた物語”・・私的には「単に自分で切ったんでは?」と想像するが?(ハンニバル・レクター博士にそそのかされたんかも(=^_^=))
・「プルイットビル」ってどんなビルなんだ? 引っ張るのん?
・リース君が容易く知り、ジョーカーが遂に見破れなかったバットマンの正体って・・(・ω・)
・ゴッサム総合病院の完全爆破シーン(空撮風CGか?)は流石に圧巻だった!
・“バットポッド”が左右に連なった車列のドアミラー群を火花を上げて擦りつつ、疾走するシチュエーションはなかなかカッコいい!
・いつかは「シアワセを掴んで欲しい」エッカートさん。『ベティ・サイズモア(2000)』では頭皮を剥がされ惨殺されてますたし・・あの顎の具合からするに、立派に主役級の顔立ちと思うんだが・・(⌒~⌒ι)
・「市長襲撃シーンでのゴードン」「高層ビルから転落したレイチェルの救出」・・と“ネタ”が続くので、その後の「悲劇」がにわかに信じられなかった。“観客だまし”ばっかしやってると、本当に描きたい悲劇や衝撃の印象もがすっかり薄まってしまうんではなかろうか。。
・終盤の「連続拳銃殺人」の容疑者への結び付けは余りに強引ではないか? それなら「トゥーフェイスがやったこと」としつつ「逃走したトゥーフェイスを追跡中」と報道した方が、誰もが納得するんでは?
・警察署内で「電話を架けさせろ」と要求するジョーカー。いざ携帯を受け取って「圏外表示」「バッテリー切れ」だったらどうする気だったんだ?(=^_^=) ←『トゥルーライズ(1994)』でハンディカム撮影してた手下みたいだ(=^_^=)
・真のワル(悪党)は「ヒーローに重大な選択を迫るモノ」と言うことに気付かされた。『スーパーマン(1978)』のレックス・ルーサー(ジーン・ハックマン)も『スパイダーマン(2002)』のグリーンゴブリン(ウィレム・デフォー)も“2ヶ所同時攻撃”を身上としていたようだ(・ω・)

〜 こんなセリフもありました 〜

ジョーカー「死ぬような目に遭ってみな・・こんな風にイカレちまうのさ」
     「その“しかめっ面”を、このオレが笑顔にしてやるぜ」
     「お前が欠けたら、オレは生きていけない・・お前もオレも所詮は“化け物”なんだからな」
     「銃だと速過ぎてじっくり味わえない・・殺され行く人間の感情、そいつの本性は・・
      それをじっくり味わうにはナイフを使うに限る」
     「お前はルールでがんじがらめだな? たまにはルールを破ってみろ」
     「狂気ってものはまるで重力だ、軽くひと押ししてやりゃ・・たちまち真っ逆さまさ」
     「相手を権力で支配しようなんざ、バカげてる」

バットマン「ニセモノめ、オレは“ホッケーの防具”など身に付けん!」
     「悪党1人より、組織の摘発が先だ」

ブルース「この痛みは・・自分への戒めだ」
    「ハイテク社長には、人との触れ合いこそが必要だ」

ジョーカー「この頬の“キズの物語”を聞いたことは?」
バットマン「知らん・・だがお前は“新しいキズ”を作れ!」

銀行員「お前、盗もうとしてるのが誰のカネだか分かってるのか?」

ブルース「バットマンに“限界”などない」
アルフレッド「しかし、あなたにはある」

ブルース「飛び降りた後、もう一度(飛行機の)機内に戻るには?」
アルフレッド「それにはチケットを買って下さい」

ブルース「奴らは一線を超えた」
アルフレッド「だが、(彼らに一線を)超えさせたのはあなたですぞ」

デント「決めたのはコインだが、コインで運を引き寄せたのは僕だ」
   「夜明け前は、最も暗い」
   「問題は狂犬を放ったヤツだ、そいつが一番悪い」
   「最愛の人に“大丈夫じゃない局面”で「大丈夫だ」と言ったことが?」
   「万人に公平なのは“運”だけだ」

ゴードン「関係者が増えると・・腐敗も起こる」

フォックス「そこはビジネスマンとしてご理解を」
     「山の方が視界が利きますな」

ガルシア市長「“財布を軽くされた連中”の報復がすぐに始まるぞ」

アルフレッド「少しお酔いになられては?」
      「屈辱に耐えるのです、そして他の人間には下せない決断を・・正しい決断を」
      「山賊を捕まえるには・・森を焼くことです」
      「悪党の顔に唾する限り、犠牲者もまた必ず出ましょう」

ローブ本部長「実は立場上、良く脅迫を受けるのだ・・そんな時の対処法がコレだ」←酒かよっ!

レイチェル「自分の運をコイン任せにしないで」

刑事「あんた、死んだんじゃ?!」
トゥーフェイス「・・半分だけな」

トゥーフェイス「さぁ、最愛の者にウソをつけ!」

追記1:ランボルギーニほぼ全壊!勿体ないなぁ・・
追記2:終わり方の“投げっぱなし”っぽいトコロは『ロボコップ2(1990)』にも似た後味を覚えた(・ω・)
追記3:観終わってからしばらく「喋る時、舌をペロッと出すクセ」がついてしまった(⌒〜⌒ι) ヤバいヤバい。。

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コメント

ジョーカーのすること全てが上手くいき過ぎと感じます。
とくに、鉄砲隊に扮したところで、一連の演武はどこで覚えたのかなとか突っ込みたくなりました^^
もしかしたら、雑学の帝王なのかもしれませんね。

また、バットマンのみならずスーパーヒーローレベルになると
孤独に悩む場所は、決まって高層ビルの屋上です。
たまにはトイレの中なんてのもいいかと思うんですけどね。

そういえば、今後のジョーカー役にはジョニー・デップという噂も出ています。

投稿: ituka | 2008年8月15日 (金) 12時46分

こんにちは。
わあhappy01、一気に読ませていただきました。いろんなシーンが蘇ってきて楽しめました。

確かにバットマンの蔭薄作品でしたかね・・・。
それだけジョーカーの存在感が凄かったということになるかもしれませんが、それだけにシリーズの今後はどうなるのでしょうね。

TiM3さんの手によって細部に至るまで暴かれて丸裸になっちゃった本作^^;ですが、読ませて頂いて鑑賞時には分からなかったことも解説してもらっているようで、改めてTiM3さんの鑑賞眼の凄さに脱帽です。

ジョーカーの傷について「単に自分で切ったんでは?」のご考察には「なるほど」の納得も。

レイチェル役は私も残念でした。

投稿: ぺろんぱ | 2008年8月15日 (金) 13時19分

itukaさん、ばんはです。

>ジョーカーのすること全てが上手くいき過ぎと感じます。

一体あいつはなにもんだったんでしょう。。

しかし「もし」ゴッサムを自警してるのがヘンリー・デュカード(リーアム兄さん)率いる“あの軍団”だったら、さっさとジョーカーごときは始末されてると思います(・ω・)

「精神的なダメージの与え方」を除けば、ジョーカーは正直(腕力的に)倒せない相手じゃないと感じました。

>また、バットマンのみならずスーパーヒーローレベルになると
>孤独に悩む場所は、決まって高層ビルの屋上です。

そういや、今回はコウモリが飛んで来ませんでしたね、、

>たまにはトイレの中なんてのもいいかと思うんですけどね。

アルフレッドが心配しますよ(=^_^=)

>そういえば、今後のジョーカー役にはジョニー・デップという噂も出ています。

やめて欲しいなぁ・・
『バットマン』シリーズの一番あかんトコは「ゲスト悪役のギャラが主役以上」なことだと思うんですわ。

スキート・ウールリッチにしておけ!(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2008年8月15日 (金) 23時33分

ぺろんぱさん、ばんはです。

ネットがクラッシュしなければ火曜の夜にアップ出来たんだけど・・残念(×_×)

>わあ、一気に読ませていただきました。
>いろんなシーンが蘇ってきて楽しめました。

「おなかに携帯」のシーンだけは蘇って欲しくないですネ、、

>それだけジョーカーの存在感が凄かったということになるかも
>しれませんが、それだけにシリーズの今後はどうなるのでしょうね。

ヒロインもある意味「不在」となりましたし・・

>読ませて頂いて鑑賞時には分からなかったことも解説してもらって
>いるようで、改めてTiM3さんの鑑賞眼の凄さに脱帽です。

後半は自分(って言うか尿意)との戦いで、記憶力&集中力が途切れてましたけどね(⌒〜⌒ι)

>ジョーカーの傷について「単に自分で切ったんでは?」の
>ご考察には「なるほど」の納得も。

キズを巡るエピソードが(あんなに)ころころ変わる以上、そう考えたくなるのも仕方ないですよね(=^_^=)

>レイチェル役は私も残念でした。

『スパイダーマン』シリーズで毎回(?)ラストに用意される、あのロケーションのシーンが描かれなかったのが不自然。

もしや“礼節”と言う言葉をご存じでないのか? ブルース卿?

投稿: TiM3(管理人) | 2008年8月15日 (金) 23時43分

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