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2008年7月 3日 (木)

☆『リトル・ダンサー(2000)』☆

30日(月曜)の夜、衛星第2で放送されたモノを観た。

劇場で鑑賞した当時はラストに登場するアダム・クーパー(英ロイヤル・バレエ団の“プリンシパル(最高位ダンサー)”だった青年舞踏家)の存在を全く知らず「何だこの“白鳥の湖”のアレンジバレエは? ・・イロモノか?」などと非常に失礼な感想を抱いてしまったモノだ(×_×) あの時はスンマセンでした。。

1984年。イングランド北東部に位置する炭鉱の町ダラムに、11歳のビリー・エリオット少年が暮らしている。厳格な父ジャック、マリファナに依存する兄トニーは共に炭坑夫であったが、折しも町はサッチャー政権下で不況に揺れており、大部分の坑夫は賃上げを求め長期のストライキに突入するのだった。
若くして母を亡くしたビリーは、彼女の資質を受け継ぎ、ピアノとバレエに興味を抱く少年だったが、ジャックは「バレエなんて男のすることじゃない、許さん」と息子にボクシングの修得を強要する。

だが、自らがボクシングに向いていないことを悟ったビリーは“エベリントン少年クラブ”の体育館の隅で開かれていた「バレエ教室」の方に興味を持ち、女性コーチ・ウィルキンソンの指導を受けることとなる・・

『シネマ坊主』と言う映画コラムをまとめた書籍の中で、松本人志氏が「ポスターを眺めればそれが全てである作品」と言うようなコメントをもって「一刀両断」されてた本作だが、ワタシは「極論はそうであるとしても」そこに肉付けされてるセリフや(主人公の周囲の)登場人物の心情なんかをすくい上げてみたいな、と思った次第だ。

劇場では、とにかく親父の“苦虫を口に放り込みっぱなしたような”キャラが「やがて変わって行く」様子に心を奪われ、後半では泣きそうになってしまったんだが、今回はおばさん教師ウィルキンソンの言動に、より注目させられた。

・自らの娘デビーにはダンサーとしての資質がどうも欠けている
・決してラクな暮しではないのに、ビリーの家族には“中流の奥さん”呼ばわりされる
・個人レッスンの中で、ビリーに「ひょっとして僕に気があるの?」などとからかわれる
・助走をつけてやったビリーは間もなく(自分を大きく超えて)旅立ってしまう

と、かなり悲しい人生ではあるのだ。もちろん彼女が悲しがる表情など劇中には一切描かれないが、幾つかのシーンで“遠くから彼女のシルエット姿を映す”カメラワークがあり、その時々ってどんな表情しとったんやろかなぁ? と想像をかき立ててくれた。

友人マイケルや、デビーのキャラは正直“絡み方”が足りず、中途半端な関係に終始してた。それぞれにもう一歩ずつ、主人公に「稲妻を落としてくれる」言動(=演出)が盛り込まれてれば、と思ったが(・ω・)

ビリー少年が達者なダンスを披露するシーン(長回し!)は流石に巧い。ちょっとパトリス・ルコント監督の『髪結いの亭主(1990)』の中で、少年時代の主人公がアラブ音楽に合わせて踊るシーンがあったが、アレを何故だか連想してしまった(・ω・)

やっぱり本作で最も凄絶なのは、父が兄に放つ「俺たちは終わりだ・・だがあいつにはチャンスがある」のセリフだろうか。言われた兄にとってもかなり衝撃的だとは思うが(⌒〜⌒ι) 観客もまた、その短い言葉にこめられた「親父の執念」みたいな気迫に、きっとハッとさせられることだろう。

そう言うと、少年時代のビリーを演じたジェイミー・ベル君。その後どうしてはるんか・・とウィキペディアで調べたら、、何と『ジャンパー』で主人公(ヘイデン・クリステンセン)と共闘する青年=グリフィン役を演じてたことを知った! 何とまぁ、何とまぁ、、!(気付かんかったし)

〜 こんなセリフもありました 〜

亡き母の手紙より「あなたが息子であることを誇らしく思います、自分らしく生きなさい」

ビリー「何で口紅を?」
マイケル「塗りたいから。父さんもやってるし」 ←おい!

父「ロンドンには行ったことない、行かなきゃダメか?」
ビリー「だって首都だよ」
父「だが、そこに炭鉱はないだろ?」

面接官「家族のサポートがないと到底無理です、彼を支えられますか?」
父「もちろん」

ビリー「先生を忘れない」
ウィルキンソン「嬉しいけど、それは無理ね」
ビリー「絶対に忘れない」

ビリー「最初は硬いけど・・踊り出すと全て忘れてしまう、そして消えてしまう。
    体の中に火が点く感じ・・空を飛んでいる気分に・・鳥のように・・
    電気のように、そう・・電気のように」

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コメント

また、おじゃまします。おはようございます!(自分の場合、今まだ寝る前なんで夜中の感覚ですが)

これ、劇場公開時に観に行きました。で、この間BSでやってたのもう一度観たところ、まずひっかかったんが、最後、アダム・クーパーの踊るシーンが長くあったように思ってたのにーなかった!ーてとこです。
何が言いたいかというと、NHKが民放みたいにカットする気がしないので、ーついに自分もボケたんかーていう不安・・・。

ついでに言うなら大人になったマイケルの横にはそのお相手がいたという気もしていて、二重に自分というもんが不安になったりしています・・・。(ウゥッ)

投稿: ビイルネン | 2008年7月 6日 (日) 04時42分

ビイルネンさん、お早うです。
お疲れさまです。

>自分の場合、今まだ寝る前なんで夜中の感覚ですが

昔はワタシも深夜に強かったのですが・・最近は夜更かしした分、翌朝にしっかり反動がかえって来ます(×_×)

>劇場公開時に観に行きました。

結構、低予算映画だったらしいですが、良く出来てましたよね。

>まずひっかかったんが、最後、アダム・クーパーの踊るシーンが
>長くあったように思ってたのにーなかった!ーてとこです。

これは公開当時から、こういう短さでしたよ。

>何が言いたいかというと、NHKが民放みたいにカットする気が
>しないので、ーついに自分もボケたんかーていう不安・・・。

きっと印象が強烈だったんでしょうね。

ワタシも『ヒート』と言う映画での「市街地でドンパチやるシーン」が30分ぐらいあったと記憶してたら、実際には7〜8分程度だったと言うのがあります(ま、それでも長いですけど・・)。

>ついでに言うなら大人になったマイケルの横にはそのお相手がいた
>という気もしていて、二重に自分というもんが不安になったりしています・・・。

いましたいました(=^_^=) 何故か「アフリカンアメリカン」ぽい感じのしとだったですね。
ただ、恋人なのか友人なのか、その辺りが描かれておらず「過去シーンに登場しない人物」「それ(関係)をにおわせる演出(ハグ、キスなど)もない」ってことで書きませんでした。。

投稿: TiM3(管理人) | 2008年7月 6日 (日) 11時25分

疑問(妄想?)を早々に解決してくださって、おおきにありがとさんでした!

今後とも宜しくお願い申し上げます!!

投稿: ビイルネン | 2008年7月 6日 (日) 16時29分

ビイルネンさん、ばんはです。

さっきまで『ボルケーノ』をダラダラ観てましたが、今になって観直すと・・何か映像も演出もシケシケですねぇ・・(⌒〜⌒ι)

>疑問(妄想?)を早々に解決してくださって、おおきにありがとさんでした!

どういたしまして(=^_^=)
でも、終盤のアダムさんの登場シーンに関しては、今後に秘蔵の“ディレクターズカット版”なんぞが出て来るかも知れませんよ(=^_^=)

「封印されていた終盤の22分がよみがえる!」とか言うのがあるかも知れません!(ねぇよ)

あと、ふと思いついたんですが・・

中盤、フェリーの中でウィルキンソンさんが「白鳥の湖」の粗筋をビリーに語って聞かせるシーンがあるんですが、
終盤の「王子は結局、黒鳥ではなく、白鳥の姫と結ばれるの」ってトコでハナシを切り上げ、憂いを帯びた(?)表情を見せる彼女がいました。

この語り方(黒鳥に主眼を置いている!)からも、ひょっとしたら「悲劇の黒鳥オディールを自身に、やがて自分を離れ別な(若く美しい)女性と結ばれることとなる王子をビリーに例えた、切ない心境の吐露」だったのかも・・
ととらえ始めてます。

どうなんでしょうねぇ。

投稿: TiM3(管理人) | 2008年7月 6日 (日) 23時41分

自分でも、あほやなぁという気ィしますが、芋蔓式により、アダム・クーパーの”白鳥の湖”DVD(トニー賞、ローレンス・オリヴィエ賞受賞)買ってしまいました。救いは(?)公開当時のパンフによるとーろくしぇんえんーとあったのが、8年経って2940円になってたことです。

ダンスすごいし、アダム・クーパーも確かにかっちょよいし、その”新解釈”てのもすごかった気ィ(プラス微妙)しますが、昨日の夜中なんとか観てしまいたいと思いつつ、途中うつらうつら・・・、ってアカンやろっ!(すまん・・・)

投稿: ビイルネン | 2008年7月15日 (火) 03時30分

ビイルネンさん、ばんはです。

久々にミーハー心を爆発させ(=^_^=)『iPhone 3G』を購入してしまい、
ブログ更新そっちのけで(⌒〜⌒ι)いじくってました。
レスが遅くなり、恐縮です。

>自分でも、あほやなぁという気ィしますが、芋蔓式により、
>アダム・クーパーの”白鳥の湖”DVD(トニー賞、ローレンス・オリヴィエ賞受賞)買ってしまいました。
>救いは(?)公開当時のパンフによるとーろくしぇんえんーとあったのが、
>8年経って2940円になってたことです。

いや、イイんじゃないですか? ワタシはどうにも「色モノ・・?」
と言う先入観が邪魔してしまうんですが、引き締まった肉体が飛翔する映像を見せられては・・自身のメタボ体型を恥じるしかありません・・

そう言うと以前、マシュー・ボーンと言うべきをジェイソン・ボーンと間違えて誰かに話してしまったこともあったっけ、、
ロバート・ボーンとは流石に間違えなかったけどさ。

>ダンスすごいし、アダム・クーパーも確かにかっちょよいし、

何となく天野喜孝(イラストレーター)の描くキャラクターっぽい印象も受けますね。

>昨日の夜中なんとか観てしまいたいと思いつつ、途中うつらうつら・・・、ってアカンやろっ!(すまん・・・)

ああ、、ちょっとムリされたんでしょうか・・(⌒〜⌒ι)
まぁ要所要所をしっかり観ておけば、それはそれで正しい見方なのでしょう。

投稿: TiM3(管理人) | 2008年7月16日 (水) 23時39分

ビイルネンさん繋がりでこちらの記事にお邪魔させて頂きます。
7年近くも過去の記事にお伺いするのはご迷惑かなとちょっと躊躇したのですが、TiM3さんの偉大なる記憶力を信じてやはりお伺いすることにしました。(*^_^*)

本作、私は初めての出会いで、そしてとても心動かされました。それぞれの登場人物が、それぞれに魅力的でした。
(松本人志氏、あまりに上から目線の言葉ですね。)

>それぞれにもう一歩ずつ、主人公に「稲妻を落としてくれる」言動(=演出)が

私はマイケルくんもデビーちゃんも凄く好きですが、どちらかと言えばビリー君の「思いやり、優しさ」を描くのに二人の存在は効果的でもありました。二人に対して、幼いビリー君だけど紳士的とも言える優しさで接していましたものね。

ウィルキンソン先生の「自分の人生を生きなさい」っていう台詞にはじ~んと心打たれました。登場人物それぞれに名シーン名台詞があったような。

>ジェイミー・ベル君。その後どうしてはるんか・・と

私はマイケル君を演じた二人の俳優さんのその後が気になって仕方なかったです。
成長したマイケル君を演じた人の名前はビイルネンさんに教えてもらいました~(*^_^*)。

投稿: ぺろんぱ | 2014年2月25日 (火) 12時52分

ぺろんぱさん、にちはです。
返事が遅れてスミマセンでした、、

>7年近くも過去の記事にお伺いするのはご迷惑
>かなとちょっと躊躇したのですが、TiM3さん
>の偉大なる記憶力を信じてやはりお伺いする
>ことにしました。(*^_^*)

有難うございます(=^_^=)
自分でも「こんな記事、書いてたんや」と懐かしく思えました・・ 当時はゴーストライターも雇う余裕がなかったんですよね (←おい! 何をどさくさ紛れにカミングアウトしとんねんな!(=^_^=))

ぺろんぱさんとは『もしも昨日が選べたら(2006)』の記事で初めて貴ブログにダーティなコメントを寄せてしまったのが悲劇の始まりでした・・(←何でやねん!(=^_^=)) 懐かしいなぁ。

>本作、私は初めての出会いで、そしてとても
>心動かされました。それぞれの登場人物が、
>それぞれに魅力的でした。

「炭坑モノ」は大体が素晴らしいですよね。
『ブラス!』『フルモンティ』なんかも観直してみたい〜

>(松本人志氏、あまりに上から目線の言葉ですね。)

「評する」のと「撮る」のとは「違う」って事は、氏もうすうすお気付きかなと思います(・ω・)

>私はマイケルくんもデビーちゃんも凄く好き
>ですが、どちらかと言えばビリー君の
>「思いやり、優しさ」を描くのに二人の存在は
>効果的でもありました。二人に対して、
>幼いビリー君だけど紳士的とも言える優しさ
>で接していましたものね。

輝いてたビリー君でした。

>ウィルキンソン先生の「自分の人生を生き
>なさい」っていう台詞にはじ~んと心打たれ
>ました。登場人物それぞれに名シーン名台詞
>があったような。

そうですね。「あの時、あのような教師に出逢えていたら」と感じたしとも少なくないでしょうね。

>私はマイケル君を演じた二人の俳優さんの
>その後が気になって仕方なかったです。
>成長したマイケル君を演じた人の名前は
>ビイルネンさんに教えてもらいました~(*^_^*)。

おお、先ほど貴ブログの記事(とコメント欄)を拝見しました。
ビイルネンさんもお元気そうで安心致しました。

また改めて、コメントに伺いますね!

投稿: TiM3 | 2014年3月 1日 (土) 18時00分

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