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2008年5月17日 (土)

☆『ネクスト/NEXT』☆

16日(金曜)。仕事の帰りに梅田まで出て、泉の広場上ルにある“梅田ピカデリー”で鑑賞して来た。
正直、あんまし作品自体に期待してなかったんだが、何処かで「ラストが驚愕!想定外!」みたいな絶賛(←今にして思えばその手のニュアンスでもなかった・・ように感じる(・ω・))を耳にしたもんで「ま、行っときますか」って気持ちとなった次第。
スペック的に「原作:フィリップ・K・ディック」+「監督:リー・タマホリ」なので「悪い仕上がりの訳がなかろう!」とすっかり油断してしまったのがこのワタシの“予知ミス”・・

ラスベガスのカジノ。きらびやかなこの街で中堅マジシャンとして暮らすフランク・キャディラック(ニコラス・ケイジ)。彼はそこそこのテクニックでそこそこのマジックを披露する冴えない男だったが、実は生まれながらの“予知能力者”であった。
3歳で自らの“能力”に気付いて以来「周囲に人生を乱されて来た」彼は本名(クリス・ジョンソン)すら隠し、他人によるあらゆる干渉を避け、地味に無難に生きて来たのだ。

能力の限界が「自らに関わる未来、それも2分先まで」と言う、そんなフランクが唯一の例外とし“予知”出来る存在が、見知ったダイナー(食堂)に、きっかり“8:09”にやって来る謎の女性だった。
そして彼は、今日もその時間になると、ダイナーのお決まりの席で女の来るのを待ち続けるのだ・・

一方、FBIのカリー・フェリス捜査官(ジュリアン・ムーア)は目下、ロシアから5週間前に(米国へ向け)持ち出された「10キロトンの核爆弾」の行方をチームを率い追っていた。ロス近郊に“それ”が隠されていることまでを突き止めた彼女は、最後の頼りとし「爆弾探索」の陣頭指揮をこのフランクにさせようとする。

折しも、フラッグスタッフ(アリゾナ州)の先住民居留地で子供達を教える女性リズ・クーパー(ジェシカ・ビール)がフランクの待つダイナーにたまたま立ち寄り、その時(=午前8時9分)彼は彼女をひと目見て「運命の女だ・・」と確信するのだった。

他方で、ロシアから持ち込んだ核兵器で何かをしようと目論む(何する気だ?)無法グループが密かに行動を起こし、彼らもまた“計画の障害となる男”フランクの抹殺を狙うのだった・・ってな流れ。

うーん・・何か全体的にストーリーやキャラクターの言動が支離滅裂で、脚本そのものがどうにも“破たん”してる印象があった(×_×) 原作はディックの「ゴールデンマン」と言う短編小説らしいが、こんな仕上がりになるんなら、まだしもスティーヴン・キング原作の小説「デッドゾーン」辺りをベースに、色々とアクション部分の味付けをして1本こしらえた方が(≒リ・イマジネーション)よっぽど出来が良くなったんじゃなかろうか(・ω・) 

私的にかなり気になったのは、
・徹底して客観的にしか描かれぬ「予知映像」。フランク本人からすれば、ああ言うアングルの映像では「決してない」と思うんだが。もっと斬新で驚愕の映像群が見たかった、、
・ジェシカ・ビールと共演すると、流石にきっついジュリアン姐さんのヴィジュアル・・2人の肌質の違いが隠しようもなく現れてて「如何なモノか・・」と当惑させられますた(×_×) ←CGでは処理出来んか?!
・テログループの「余りにも」な印象の薄さ。彼らの目的もキャラ造形も、殆ど語られてはいなかった。
・序盤のみ登場するアーヴ爺さんを演じたピーター・フォーク氏! 老いておられるも、一応はお元気そうだった。が、彼の客演にどんな意味があったんだ?!
・いよいよFBIに確保されたフランク。取調室で(カリーとの)どんな“演技合戦”が始まるんかと期待してたら・・TVニュースを見せ「未来のニュースから予知して!」ってひと言。あんたら・・たったそんだけのやり取りかよ! 密室だから内装にカネもかかってなさそやし。
・色んな動きのフランクがスクリーン狭しと(大人数で)動き回るんだが・・それって“予知”を超越して、ただ単に“分身”してたようにしか見えんかったぞ、、おまけに2分以内にしては、結構遠くまで歩いてるヤツもおったし(⌒〜⌒ι)
などなど・・

気にならないしとなら、気にしないんだろうけど・・私的には“作品の根幹に関わる”要素群だと思ったもんで、観ててかなりツライものがあった。。

ってことで、どう贔屓目に観ても、他人には「おススメしにくい」完成度。。

ニコラス・ケイジ、ジュリアン・ムーア、そしてリー・タマホリ・・3者それぞれのある意味「迷走ぶり」が作品そのものから如実に浮き彫りになってた気がする。。
彼らの“未来”は果たしてどんな方向へと流れてゆくのだろうか・・(・ω・)

〜 こんなセリフもありました 〜

フランク「未来は変わる、何故ならそれは“見た時点”の未来だからだ。・・そして全てが変わる」
    「能力を使って大当たりや大穴を狙おうとは思わない・・俺は神じゃない」
    「カルロッティは“美”をこう定義した。“(それを構成する)全ての部位が調和し、
     何も手を加える必要がないこと”だと。・・それが君だ」 ←イタリア人画家だっけ(?)
    「“それ”は起きたが、まだ起きてなかった」
    「(お前が迎える)どの結末も・・悲惨だったぞ」

※「それ(予知)を信じるかどうかは関係ない。雇い主が(失敗を)恐れているだけだ」

※「森に入らなければ、森で迷わないよ」 ←おお、何だか深い!(=^_^=)

カリー「この国の自由を守るためならば、鬼にもなれるわ」
フランク「では、この俺の自由は?」

追記1:ついつい聞き流してしまう、主人公と(リズの元カレ)ケンダルのやり取り。「お前、この女の何なんだ?」と問われたフランクが「未来の夫だ」とすかさず(大真面目な顔で)答えるんだが、これって案外、本作の“未来の全て”をひと言で表現した“極めて重要なセリフ”だったんやろか?
追記2:「予知って素晴らしいじゃん!」と思ったんだけど、、「未来が分かっちゃうと何もかもが面倒になったり、あらゆる言動に消極的になっちゃうかも」とも思うに至った(×_×) まるで、ネットで情報を手軽に自在に手に入れられるようになった反面、好奇心も行動力もすっかり低下しちゃうのと似てる気もする(・ω・)
追記3:(中盤以降で)意外なゲスト俳優を迎え“予知能力者バトル”を展開して欲しかったが・・それは続編かな?(いや、ないやろ!)
追記4:終盤はブライアン・デ・パルマinカンヌなあの作品(2002)のテイストから、『アレックス(2002)』そっくりなエンドロールに繋がる“既視っぽさ”だった。
追記5:「結局は回避される、現実的には無意味・無価値な“予知”シーンの特撮をちまちまと制作させられる」そんなCGスタッフの悲しみが作品全体を覆っていたようにも感じた(×_×)
追記6:“予知”による危険回避の演出の出来映えは(同じディック小説の映画化作品)『マイノリティ・リポート(2002)』の方が巧かったように感じた。

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コメント

こんばんは。
かんり精力的にブログをアップされているようで、私、着いて行くのにやっとです・・・。
この作品、ニコラス・ケイジにとってはどの辺りに位置するものなのでしょう・・・。

>私的には“作品の根幹に関わる”要素群だと思ったもんで
私としては未見なので全く何も言えない身ですが、この先の新作公開を楽しみにしている内田けんじ監督が「絶対観る人が、一瞬たりとも矛盾を感じないことに苦労した」と言っている辺り、その辺のストーリー的フォローは至極大切なことなのかも知れませんね。

いずれにせよ梅田までお越しの由、ご苦労様でございました。
ニコラス君はフェイス・オフ以来、スクリーンでは観ていないような気もします・・・頑張ってましたか??

投稿: ぺろんぱ | 2008年5月17日 (土) 19時25分

>いよいよFBIに確保されたフランク。取調室で(カリーとの)どんな“演技合戦”が始まるんかと期待してたら・・

これには、拍子抜けをしましたよ。
そこに至るまでの“森で迷う子羊状態”な展開にせめてもの見どころか?ってな想いがあったんですけどね^^


どんどん後退していく生え際に自分のキャラが失われてしまう焦りかも。
ここ最近のニコラス・ケイジの出演過多が、そんな風に思わせます。

このひとの作品で貴重な秀作と言われてる『ロード・オブ・ウォー』は、いつかDVDで鑑賞したいです。

投稿: ituka | 2008年5月18日 (日) 00時44分

ばんはです。
庭の大木が心配です。 ・・うそです(=^_^=)

>私、着いて行くのにやっとです・・・。

ワタシも書くのにやっとです。
・・って言うならもっとええこと書け! って感じ(=^_^=)

>ニコラス・ケイジにとってはどの辺りに位置するものなのでしょう・・・。

このままだとキャリアの中盤、ちょっと煮詰まった辺りかも。。
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の頃のトムクル、
『パルプ・フィクション』の頃のトラさん、
のような「ツキヌケ」が欲しいトコです。

つまりは・・「個性的で鮮烈な悪役キャラ」ですね。

>その辺のストーリー的フォローは至極大切なことなのかも知れませんね。

これが「笑って許せるバカ監督(←これは賛辞的表現です(=^_^=))」の作品なら、オッケーなんですけどね。。

>いずれにせよ梅田までお越しの由、ご苦労様でございました。

梅田は近いです〜

>ニコラス君はフェイス・オフ以来、スクリーンでは観ていない
>ような気もします・・・頑張ってましたか??

「ぺろんぱさんによろしく〜!」
「ぱちんこ〜!」
とか言ったはりました(=^_^=) 私信かよ!

次作では「ヘアスタイル」の見直しも大切です・・

投稿: TiM3(管理人) | 2008年5月18日 (日) 03時21分

itukaさん、ばんはです。

>これには、拍子抜けをしましたよ。
>そこに至るまでの“森で迷う子羊状態”な展開に
>せめてもの見どころか?ってな想いがあったんですけどね^^

ニコさんはともかく、ジュリさんは「アクション映画卒業宣言」を
される方が良いのかも知れませんね。
あと「若手女優と同一シーンに出ない」とか、、

>ここ最近のニコラス・ケイジの出演過多が、そんな風に思わせます。

脚本でなく、ギャラをまず見てはるんか・・

>このひとの作品で貴重な秀作と言われてる
>『ロード・オブ・ウォー』は、いつかDVDで鑑賞したいです。

そうなんですか? 知らんなぁ・・(×_×)
私的には『リーヴィング・ラスベガス』を観直したいですね。
あれは素晴らしかった・・!

追記1:本作の劇中で「FBIの指示で、半径3キロ圏内のあらゆる電波通信を遮断する」みたいなことをやってたけど、
そんなん出来るなら、それで「ケータイ爆弾」「核爆弾」のオフも出来たんじゃないか?
・・とか思いました(・ω・)?

追記2:でも本作、ニコさんが崖で落ちて来たクルマをしゃがんで避ける時の「観客を意識してる動き」が好きですね〜(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2008年5月18日 (日) 03時37分

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