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2008年5月 4日 (日)

☆『地上5センチの恋心(2006)』☆

4日(日曜)の鑑賞。「初回上映(9:55-)のみ」「シネ・リーブル梅田(新梅田シティ内)」なる2重苦(早い&遠い)があり「早起きしなきゃ!」と思いつつも・・起床したのが上映開始の90分前だった(×_×)
駅まで向かうバスが来ず、タクシーを使ったりもし強引に劇場へと急いだ。一度「行く!」と決めたら、こっちも本気である(⌒〜⌒ι)

一貫した“小走りモード”で急いだトコ、首尾よく開始の約20分前に着くことが叶った☆ と言っても「そんなら(開始)70分前の起床でも行ってたか?」と詰問されると難しいトコだが。。

ベルギーの地方都市を舞台に、空想に生きる主婦と、自作を介し彼女に希望&夢を与え続けて来たロマンス作家の出会いと交流の日々を綴った作品。この作家はどうやらパリ在住との設定であり、フランスとベルギーは意外に往復し易い距離&親密度なのかも知れない、と知る(・ω・)

デパートのコスメ売り場で働くオデット・トゥールモンド(カトリーヌ・フロ)はジョセフィン・ベイカーの歌と作家バルタザール・バルザンの書くラヴロマンスにご執心な主婦。10年前に配管工の夫アントワーヌを亡くして以来、決して裕福な暮らしとは言えぬまでも、ルディ(兄)とスー=エレン(妹)の2人の子供を女手1つで育て上げた、たくましい母でもある。
彼女はバルザンの新作小説「平原の静けさ」の出版記念サイン会のため、バスでブリュッセルへ向かう。
憧れのバルザンとは至近距離で会うことが叶ったものの、緊張の余り、自身の名が巧く発音出来ず・・本に書かれた肝心のサインは・・

「デット様へ」 ※“デット”は“借金”と言う意味らしい(・ω・)

と言う余りにも・・な仕上がりとなった。。

長男ルディはゲイ仲間を自室に連れ込み、長女スー=エレンはバイク好きのロクデナシ兄(あん)ちゃんと2年ほど同棲生活が続いているニート娘。向かいの部屋にはトレーニングに明け暮れる夫婦、(アパートの)表では“イエスさん”とオデットのあだ名する、不思議な青年が人々を並ばせ、彼らの足を洗ってたり(・ω・)

何ともエキセントリックな人々が集結してるオデット側(?)とは対照的に、バルザンと言えば“ノーベル文学賞を狙う”大物作家オラフ・ピムスに、TV番組で最新作を“慣用句を並べ、妄想で味付けしただけの駄作。こんなモノはすぐにゴミ箱へどうぞ”と酷評され落ち込む。更に彼を絶望の渕へと追いやったのは、不仲状態の妻が、あろうことかピムスと(!)浮気している事実を知ってしまった瞬間だった。

衝動的な自殺未遂を経て、とうとう家を飛び出したバルザンだったが、行く宛もなく・・。
そんな時、彼は(サイン会で)とあるファンから手渡された1通の手紙の存在を思い出し、眼を通す。
それこそは、オデットが自らの気持ちに正直に、作家へのいちずな想いを綴ったファンレターであった・・


中年男女の主演によるミュージカル仕立てな恋愛映画ってトコだろうか。“地上5センチの高さ(←シーンによってはもっと上昇しまくる!)で浮かんでるような夢見がちな主婦”をヒロインに据えたにしては、意外と“地に足の着いた”堅実な造りのロマンスやな〜と感じた。

カトリーヌ・フロ。全然予備知識がなく、さっきも“カトリーヌ・風呂”などと誤変換されてたが、、なかなか魅力的な女優さんである☆ ネットで調べると『奇人たちの晩餐会(1998)』でヒロインを演じてた方らしいが・・流石に忘れてしまってますのぅ(×_×)
本作では「眼の辺りの雰囲気」が倍賞千恵子さんや、シャーロット・ランプリングさんにも似てたな〜って印象を受けた。
物語の序盤に「鏡がパカッと裏返って」初登場する演出も良い! ワタシはてっきり、サングラスかけてる女優さんの方が彼女かと勘違いしてましたもん(⌒〜⌒ι) ←それはお客さんじゃ!

こう言うのんで作品が悲劇に終わっちゃうと・・「それって『ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000)』路線?」となっちゃうトコだけど、ラストは取り敢えず“再生”と“新たな始まり”が提示されたようで、安心して観ることは出来る。
バルザン夫婦の(結局の)関係が良く理解出来ないトコはあったが。。

「弟子たち(?)の足を洗う」「川の水面を歩く」「大きな角材を背負い、高みへ登って行く」と言った不思議で示唆に富んだ行為を我々に見せ続ける“イエスさん”の存在と共に、劇中で脈絡なく(?)映し出された日本映画が何だったのか、は非常に気になるトコロ。モノクロだったし『雨月物語(1953)』『羅生門(1950)』辺りではないかと推察するが・・

私的には、スー=エレンを演じた女優さんのキャラ(ヴィジュアルイメージ)に対する嫌悪感がどうにも高まり「このバカ娘が!」と勝手に怒りを募らせてたんだが・・後半に“とある旅”をする中で、次第にええ表情に変わって来たのが嬉しかった。
つまりは“ロクデナシの呪縛からようやく解放された”ってことなんだろう。

日本ではとにかく「家族の一員同士でも干渉し合う」と言う、良くも悪くも評価出来る伝統(?)が形成されてるが(近年はそれも次第に崩れて来たが)、本作では「生き方(≒価値観)」「生活スタイル」などに関し、例え親子であってもうるさく言い合わない・・ってな人間関係が一貫して描かれてた。
シーンによっては上空(天井の高さ)からトゥールモンド一家の各部屋を俯瞰するように映す“効果的な映像演出”が挿入されてたが、ああ言う映し方は好きである。

仕方ないトコだが・・物語も中盤を超えると、オデットの“浮遊妄想”が次第にしぼんでしまったのが私的には残念だった。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の“法廷シーン”とか『フィッシャー・キング(1991)』のグランド・セントラル駅(NY)構内のように、製作陣のほんの少しばかりの冒険心(悪ノリ、とも言う(=^_^=))と製作費の追加投入があれば、更にぶっ飛んだファンタジー世界が実現してたかも、と思うとちょっぴり残念である(・ω・) ←やり過ぎるとこれまたダメなんだけどネ

〜 こんなセリフもありました 〜

オデット「私もかつての恋愛中は、良く“顔をドアにぶつけた”わ」
    「告訴すれば? あなたにケガを負わせるような“ドア”は」
    「カーテンを開けると・・光が差し込んで来ました」
    「落ち着いて、オデット」

バルザン「なぜ、ジョセフィン・ベイカーが好きなんだい?」
オデット「私の魂は、黒人なのよ」

※「本当にアバズレな女は、決してそうは見えないもんよ」

バルザン「傷つき易いから、書けるんだ」
    「皆が、間違った場所で幸せを探している。
     だが、幸せを見つけるにはまず自分を受け入れなければならない」

作家の妻「我慢ならない男だったわ・・夫を侮辱したし」

発行人「(サイン会に)並んでるのは女性ばかりだな」
バルザン「だから書くのさ」

バルザン「(残り時間は)あとどの位?」
発行人「1時間」
バルザン「(サイン会ってのは)執筆より時間のかかるもんだな」

発行人「そんなに深刻に考えるな」
バルザン「深刻だから、君はここへ来たんだろ?」

ルディ「化粧に疎い売り子だっているもんさ、ハゲの美容師だっているだろ?」

老婆「問題ない、ですって? この状況を何も知らないくせに!」 ←この婆ちゃんも“浮遊中”かも

上司「必要のないお客にこそ、化粧品を勧めろ」

追記1:映画そのものには何も文句も問題もなかったが、、ワタシ自身の体調(メンタル面)がどうにも最悪で、観終わって以降でズンズン気分が低迷してしまった(×_×) まぁ、どうしても今日に観とかないとあかん作品だったんで、悔いはないんだが・・もそっと調子さえ良ければ、更に面白いレビューが書けたかも・・と思うと残念ではある。
追記2:ワタシの好きな「励ます立場だった側が、逆に励まされる」ってシチュエーションが“軸”になってて嬉しい☆
追記3:オデットは“良いファン”だったから良いものの、コレが『ミザリー(1990)』のキャシー・ベイツみたいなしとだったら・・恐ろしかったろうな(×_×)
追記4:製作陣は「親日派」では? と感じた本作。我々のお隣さん“C国”に関しては、余り快く思ってない空気が「※※製の安い小物よ」ってセリフから漂って来た。
追記5:劇中で“夢見る女性”の条件とし、以下が挙げられてた(・ω・)
「夕焼けの壁紙を部屋に貼ってる」「人形を集める趣味がある」「レジ係などに多い」
追記6:幾つかの“いじめ”が描かれたりもしてた。世界共通の現実なんやろか・・
追記7:「チキータ・マダム」のダンス(=ミュージカル)シーンを眺めてて・・『マスク(1994)』を連想してしまった(⌒〜⌒ι)
追記8:バルザンの“未遂”シーン・・あの状況だと「かなりヤバい」と思ったんだが・・てっきりシャマラン監督的な“秘密”があるんじゃないか、とか終盤まで勘ぐってしまったゾ(=^_^=)
追記9:エンディング寸前の映像が「DreamWorks」のオープニング映像(半月系)っぽいかも、、
追記10:『痴情!5インチの下心』なんてなパロディ作品はどうだろう(ポルノ系かよ!)

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コメント

TiM3さん、こんばんは。

>もそっと調子さえ良ければ、更に面白いレビューが書けたかも・・

そうなんですか。。。
この映画をみてなお、気分は下降する一方だったんですね。(^_^;)
それにしても、そんな事を微塵にも感じさせない位、
私にとっては十二分すぎるくらい面白いレビューなんですけど。

そーいえばオデットの初登場シーンも良かったなぁとか映像の記憶が
よみがえってきて楽しいんですよね。それって脳トレ効果もあるかも?!
追記の3.10あたりも笑っちゃいましたー。
今後とも期待してますんで、よろしくたのんます。(*^_^*)

投稿: ゆるり | 2008年5月 4日 (日) 22時47分

ゆるりさん、ばんはです。

「日曜洋画劇場」がなかなかに熱くなって参りましたよ!(っていきなし大声だすなよ)

5/11『さくらん』
5/18『ナルニア国物語-第1章-』
5/25『コンスタンティン』

私的には『コンスタンティン』におけるピーター・ストーメアが楽しみです(=^_^=) ←失礼ながら劇場で観てて吹き出しました・・「お前かよ!」って

>この映画をみてなお、気分は下降する一方だったんですね。(^_^;)

う〜ん・・正しくは「観終わってから加速的に」って感じでしたけどね・・まぁでも、セガール映画を観て、だいぶ戻りました(=^_^=)

>私にとっては十二分すぎるくらい面白いレビューなんですけど。

ゆるりさんにとっては少々「古いネタ」だったでしょう?(・ω・)

>そーいえばオデットの初登場シーンも良かったなぁとか
>映像の記憶がよみがえってきて楽しいんですよね。
>それって脳トレ効果もあるかも?!

DVDなんかで観直すより、他人の評価を読んだ方が、色々と記憶が活性化するようにも思いますね。
と言うことで、余り間違ったことは書けませんよね(⌒〜⌒ι)

>追記の3.10あたりも笑っちゃいましたー。

こんだけの本数が作られてると・・どうしても、どっかで作品のネタがかぶって来ますからね。。
で、そう言うとこを突っつくのが楽しいワケですわ。

>今後とも期待してますんで、よろしくたのんます。(*^_^*)

しばらくは劇場鑑賞を離れるかも、ですが・・期待にお応えしたいと思います☆

投稿: TiM3(管理人) | 2008年5月 4日 (日) 23時25分

【おまけ情報】

本作では、下記のジョセフィン・ベイカーのナンバーが使われている。
その中でも“○”の付いた5曲は「iTunes Music Store」において
「Plus仕様」のモノを購入することが出来る☆ 参考までに。

×愛の言葉 ≪ MOTS D’AMOUR ≫
○サトウキビはいかが? ≪ VOULEZ VOUS DE LA CANNE ≫
○二つの音譜 ≪ SUR DEUX NOTES ≫
○マディアナ ≪ MADIANA ≫
○ハイチ ≪ HAITI ≫
○愛も無く ≪ SANS AMOUR ≫
×チキータ・マダム ≪ CHIQUITA MADAME 》

投稿: TiM3(管理人) | 2008年5月 4日 (日) 23時53分

こんにちは、女優顔(だったらいいな・・・)のぺろんぱです。
TiM3さんがこの映画を「どうしても今日・・・」とご選択されたのがちょっと意外な感じでした。
風呂さん、もとい、フロさんは昔『女はみんな生きいている』で「スクリーン出会い」しました。ガッツのある女性の役柄でしたので本作の“しっとりおっとり”感漂う主婦像に意外な感じもしましたが、そういえば『女はみんな・・・』でも初めは(謎の娼婦と出会うまでは)「平凡な主婦」としての設定でした。
今は新作『譜めくりの女』?でしたっけ・・・それの予告編で何度かスクリーンでお目にかかっています。

「再生」と「新たな始まり」ですか・・・。
作家氏との関係は・・・?本作でどうなるにしても、私もある瞬間だけでも春樹氏(角川じゃないですよ)と人生の交錯があれば素敵だなと思います。

『痴情!5インチの・・・』で監督デヴューとか、いかがでしょうか、TiM3さん。

追記:拙ブログ、障害復旧後もまだトラブルが続いています。コメントも修正もかなりの時間がたたないと反映されないようです。もしもコメントを入れてくださった場合もご迷惑をおかけするかもしれませんがご了承願います。

投稿: ぺろんぱ | 2008年5月 5日 (月) 12時28分

ぺろんぱさん、にちはです。

折角の連休だし、とさっきまで撮影ドライヴに出かけてました。
やっぱり気分転換にもなり、楽しいですね☆

>こんにちは、女優顔(だったらいいな・・・)のぺろんぱです。

つつ、ついに認めましたーッ!!(あ〜うるさい(=^_^=))

>この映画を「どうしても今日・・・」とご選択されたのが
>ちょっと意外な感じでした。

これはこの日! と決めてました。
が『つなぐい』を一番狙ってます!(それを言うなら『つぐない』だろ)

>風呂さん、もとい、フロさんは昔『女はみんな生きいている』で
>「スクリーン出会い」しました。

そうですか(・ω・)

>今は新作『譜めくりの女』?でしたっけ・・・それの予告編で
>何度かスクリーンでお目にかかっています。

そうなんですね(・ω・)

>作家氏との関係は・・・?本作でどうなるにしても、私もある瞬間
>だけでも春樹氏(角川じゃないですよ)と人生の交錯があれば
>素敵だなと思います。

雪山で春樹氏を乗せたクルマが横転。ケガを負って動けなくなった作家を自らの山荘へと運び込んだぺろんぱさんは・・

・・またスティーヴン・キングのネタかよ(×_×)

>『痴情!5インチの・・・』で監督デヴューとか、いかがでしょうか、

資金と女優と機材がほしい・・(・ω・) ってか出資して誰かに撮らせたい。おいらは製作総指揮(=^_^=) ←ベッソン流

>もしもコメントを入れてくださった場合もご迷惑をおかけする
>かもしれませんがご了承願います。

さっきはすんなり反映されましたよ〜

投稿: TiM3(管理人) | 2008年5月 5日 (月) 13時29分

こんばんわ

私はこの映画を5月1日に見ようかと思ったんですが、朝早いのと他に朝見たい映画があったので見に行けませんでした。

でもばんはさんの言葉をみていると....見たくなりましたね。うーん、今週金曜までで上映は終わりだし....午前半休すれば見にいけるな。ちょっと考えて見ます。

ありがとうございました。

投稿: west32 | 2008年5月 6日 (火) 22時29分

ばんはです。←これは名乗りではなくあいさつです(⌒〜⌒ι)

>私はこの映画を5月1日に見ようかと思ったんですが、
>朝早いのと他に朝見たい映画があったので見に行けませんでした。

やや混雑してましたね。それにしても遠い劇場です。。

>見たくなりましたね。うーん、今週金曜までで上映は終わりだし
>....午前半休すれば見にいけるな。ちょっと考えて見ます。
>ありがとうございました。

 例えば、自分が酷い批判にさらされたとしても・・
 案外冷静に考えると、
 それは「限られた人間」による「悪意に彩られた」雑言に
 過ぎないのかも知れない

と言うことがうっすら分かる作品でもありましたね。

ラストの解釈がちょっと分からない気もしますので、またご覧になられたらご意見を下さいね☆
ムリはされなくて良いと思いますよ(⌒〜⌒ι)

投稿: TiM3(管理人) | 2008年5月 6日 (火) 23時42分

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