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2008年4月 2日 (水)

☆『オリヴァー・ツイスト(2005)』☆

1日(火曜)。帰宅後に溜まってる新聞記事をごそごそ切っていたが・・何だか集中力が途切れたもんで(=^_^=)衛星第2で放送された映画『オリヴァー・ツイスト』を“ながら観”しつつ、取り組むこととした。

文豪チャールズ・ディケンズ(『クリスマス・キャロル』『大いなる遺産』などを執筆)の原作小説を巨匠(で少女好き(?)の)ロマン・ポランスキー監督が映像化した長編。
これまでにも繰り返し映像化されて来た物語なので「これを“なぜ?”“今?”“彼が?”」と言う気持ちがあったんだが、前作『戦場のピアニスト(2002)』が想定以上の(?)大成功を(彼のキャリアに)もたらしたので、その勢いに乗じ「これまで長年温めて来たテーマ」ってヤツにいよいよ取り組んだのかも知れない。

10歳の孤児オリヴァー・ツイストを主人公に、運命に翻弄されつつも“純心さ”を失うことなく成長を遂げて行く少年の姿を描いた作品。以前、イギリスのTVドラマ版(1999年製作のヤツらしい)を某国営放送(=^_^=)で観たことがあり、大体の流れは分かっていたが、今回はいっそう「生き延びるために、悪の道にどっぷり浸かって行かねばならぬ者の姿とその悲しみ」をストーリーの裏側に感じてしまったものだ。

極端、オリヴァー少年は本作の“軸”でしかないようにも見え、彼の周りに存在する
「少女ナンシー」「悪党フェイギン(←演じるはベン・キングズレー)」の言動やその運命こそに、強い印象を受けた。

「神は本作に存在するのか? しないのか?」

そこがまず、微妙な感じの描かれ方で面白い。孤児たちの過ごす「救貧院」の食堂の壁には大きく
“GOD IS HOLY”“GOD IS TRUTH”と掲げられてるが、彼らが日々、そこの職員(教区史)らに虐げられてる現状を眺めるてると・・「ここには“彼”はいないんじゃ?」とさえ思えて来る。

オリヴァーの「純粋な心」に触れたが故、フェイギンらの悪事を密告したナンシーが、不自然なほどに惨たらしく殺されてしまうのも、原作に忠実な演出とは言え、、違和感を覚えた。

が、中でも強烈な余韻を残してくれたのがラスト。いよいよ捕まってしまい、幾多の誘拐罪や窃盗罪に問われ絞首刑の確定したフェイギンが、牢獄で半ば発狂したような状態になってるんだが、そこに優しくも訪ねて行ったオリヴァー少年の耳元に、しっかりした声で囁いたのだ。

「絞首台のそぱを通るとき、わしが震えていたとしても構わず進め・・どんどん遠く、どんどん速く・・!」

それまでさんざんオリヴァーの運命を弄び、彼の心を束縛してきた悪党が、ついに彼を「解き放った」ような、そんな不思議な感慨に浸らせてくれるセリフだった。

オリヴァーを眺めていても、実は大して面白くない(かも知れない)本作。(ちっぽけな存在である筈の)彼に影響され、彼によって運命を狂わされる者たちのドラマ・・として楽しむのが、正しい鑑賞法なのかも知れない(違うかも知れない)。

〜 こんなセリフもありました 〜

ブラウンロー「この子に何かを感じる・・心を揺さぶる何かを・・」

フェイギン「なぜ盗みを、だと? それが“今日を生き延びる道”だからだ」
     「この世で最大の罪は何だと思う? それは“忘恩”だよ」

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