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2008年3月23日 (日)

☆『太平洋ひとりぼっち(1963)』☆

うう・・すっかり映画メモが溜まってしまってる。。

ようやく、垂れ込めた暗雲に光明がひと筋差し込んだが如く・・書類大量到着⇒長時間残業⇒疲労蓄積・・の悪循環から“一時的に”とは言え、解放された感があるんだが、、一方で録画してる番組(殆ど映画)、切り溜めた新聞記事、購入したまま開封すらしてないDVD群・・などがどうにも気になってしまい、とにかく「まずは!」と新聞記事のさばきを頑張っている(って既に内容の古い記事も多いが)。

そう言うと、つい最近“終身冒険家”とも言うべきエコロジカル・ヨットマン=堀江謙一氏が、何やら“世界初の波浪推進船”『SUNTORYマーメイド2号(←堀江さんは“2号さん”とか略称してはるのやろか?)』を駆っての「太平洋航海」に出航したと言う記事が目に止まった。

奇しくも先日(11日:火曜)に“追悼・市川崑監督作品特集”の一環で衛星第2にて『太平洋ひとりぼっち』が放送され、それを観たので、そのことを少し書き残しておこうと思う。

監督:市川崑、脚本:和田夏十、主演:石原裕次郎・・の凄まじいトライアングルで構築されたドキュメンタリー風(?)冒険活劇。とにかくワタシには色々な点で意外な印象があり、なかなか楽しめた。

・「どちらかと言えば繊細で緻密なイメージを受ける」市川崑にしては、かなりゴツゴツした作風
・「女性の筆とはちょっと思えない」和田女史による、これまた男らしい脚色
・「フレッシュなスター像」とかけ離れた、裕ちゃん(裕次郎)のどてらいキャラ造形(←ワタシだけが“クリーンな裕ちゃん像”を形成してたんやろか?)

1962年に達成をみた、堀江氏の「単独太平洋横断」を実録風に描いた展開。
出航までの構想に5年! ついに1962年5月12日、未明の西宮港を飛び出し、サンフランシスコへと密出国する若者・堀江(裕ちゃん)の姿が独り乗り木造ヨット『MERMAID号』の船内にあった。
だが、なかなか風に恵まれず、いつまでも西宮の灯台周辺から離れることの出来ぬもどかしさ。

⇒突堤までの約500メートルを進むのに80分
⇒翌日夜にやっと大阪湾のど真ん中へ
⇒9日目になってもまだ静岡沖

ひたすらにゆっくり漂流するヨット。殆ど毎日雨に降り込められ、気の滅入った堀江はやがて自問自答を始める・・

何とか伊豆諸島を抜け、ようやく『MERMAID号』は本格的に太平洋を帆走し始めるが、そこに待っていたのは激しい時化(しけ)、そして日々募ってゆく疲労、寒さ、睡眠不足、不安、孤独・・であった。

殆ど役名すらなかったが、船大工を演じた芦屋雁之助、関大セーリング部(?)の先輩を演じたハナ肇に短い出番ながら存在感があって良かった。
そして堀江の妹役の浅丘ルリ子さん。醸し出す雰囲気こそ、お世辞にも明るいとは言えなかったが・・お若い頃は可愛いではないか(・ω・) どうにも近年の彼女のイメージが強過ぎ、寺尾聰演じる“博士”をよそよそしく“ギテイ(義弟)”と呼んだりするおばさまの映像(2005)が浮かんだりするんだが(⌒〜⌒ι)

本編は淡々と(?)船内の独り芝居がほぼ続くのだが、その中で「回想」のスタイルを取って、旅立ちまでの堀江青年の物語が「時間軸を置換され」描かれる。知人にも、そして家族に対してすら“弱さ”を決して漏らさぬ主人公が、時化との戦いの中でふっと垣間見せた“必死で念仏(南無妙法蓮華経)を唱える姿”などは実に人間らしくて印象深かった。
また、太平洋のど真ん中で船外作業する際、律儀に周囲(海原)を見回した後、ちゃんと「海パン」を着用してから取りかかるのも人間=堀江の羞恥心が巧く描かれていたと思う。

激しい揺れで船内の壁に叩き付けられて短時間失神したり、積み込んだ水の節約のため「ビール」で飯を炊いたトコロ、飯ごうのフタが吹っ飛んだりする小アクシデントも幾つかあったが、自身の屈強な心身を最後まで管理維持していたのはすごい!
もし大海原で深い傷を負ったり、高熱に襲われたりしたらどうするつもりだったんだろう(・ω・)

もうちょっと手が込んでたら・・とは感じたものの、金門橋(ゴールデン・ゲート・ブリッジ)やアルカトラズ監獄島などを映し出すサンフランシスコロケの映像もしっかり盛り込まれてた。特に“金門橋の直下をヨットがくぐる”カメラワークなどは邦画ではかなり珍しいんじゃないかと思ったものだ。

〜 こんなセリフもありました 〜

堀江「軍艦かて、沈む時は沈むで」
  「泣くことが精神衛生の1つだと気がついた(独白)」
  「みんなと同じことするのはおもろないわ」
  「こんなとこ(=日常)で押し合いへし合いしとったら、生きてるか死んでるか、分からんようになる」
  「お早うさん、また、朝ですな(独白)」
  「パスポートですか? こっちもそれが頭痛の種ですわ」

母「謙ちゃん、もし嵐にでもおうて死ぬ時は・・“お母ちゃん”と呼んでや」

先輩「(君に)反対してるのは、それぞれの人間の立場から言うてるだけやで。
   正直、君が太平洋で死のうが、僕らには関係あらへん」

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