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2007年12月30日 (日)

☆『大統領の理髪師(2004)』☆

27日(木曜)の鑑賞。番組自体は11月初旬に録画しておいたもの。
基本的に、韓流作品(映画、ドラマなど)は「進んで観る方」ではないのだが、本作はタイトルに何処か「ピン☆」と来るモノがあり、観てみることとした次第(←他意はありません)。

結論としては、感動も共感も“期待ほどは”得られなかったものの、最後までダレずに観れる、ほどほどの佳作ではあった。

「“床屋”でなく“理髪師”と呼べ」と、ささやかなプライドを自身の仕事に持つ、誠実で不器用な男=ソン・ハンモ(ソン・ガンホ)を父とする少年ナガン(樂安)を語り手に、大統領府のお膝元にある下町・青瓦台(チョンワデ)の人々の苦節や人間模様、数奇な運命を描いた半政治系(?)大河ヒューマンドラマ。
政変や政略が“軸”の1つとなっており、劇中で人々を電気拷問にかけるシーンなどがあったり、日本人を決して快く思っていなさそうなセリフが盛り込まれたりすることから、万人におススメ出来る「ノー天気にゲラゲラ笑える作品」と期待して観た向きは「えっ?」と感じるかも知れない。

特にイヤ〜な感じだったのが、
・ヒステリックに旦那に当たる、ハンモの嫁のキャラ
・いきなりハンモの脛を靴先で蹴り付ける大統領の側近ら(さらにエスカレートすると銃を頭部に突き付けたりする)
・ナガン少年が電気拷問を受けるシーン(序盤こそちょっと笑えるんだが・・大変な事態となる)
・「殴る蹴る(?)のリンチ後で麻袋に詰め込まれ、家のオモテに放り出される」と言う帰宅スタイルの横行
などであろうか。
って言うか、全般的に韓国のしとたち、体罰&暴言に際限のないような気がして怖い。国際社会的に言えば、我々日本人の方が大人し過ぎるんかも知れないが・・(・ω・)

映画の最初に「本作品はフィクションです」と大きくことわられるが、劇中では絶妙なタイミングで「日時」を明記する字幕が表示され、その辺りの演出がリアルでかなり気に入った。
「何かが起こるんだな(起こったんだな)」と思わせる印象的な映像や言動を程よく客観的に映し、すかさずそこに「日時」が静かに表示されるのである。これは効果的&印象的と言えよう。

実直で愚鈍で、何だか他人である気のしない(⌒〜⌒ι)ハンモが、警護室長チャン・ヒョクスに見込まれ「専属理髪師(後に理髪室長に昇格)」とし官邸に出入り出来る身分(?)となる流れは、そこそこのサクセスストーリーな印象を与えてはくれるも、大統領とハンモの“血の通った触れ合い”みたいなものまでは殆ど踏み込まれず「ああ、やっぱりファンタジーとしては描けない実情(とか国民性)があるんやなぁ・・」と残念に感じた。

なお、本作に登場の大統領ってば「学生時代、日本留学の経験がある」って設定であり「“四捨五入”は日本から入って来た言葉だ」と知識を披露したかと思いきや「日帝時代の残党を国会から一掃せねば」と手厳しい一面を見せたりもする。かと思えば、サングラスをかけカッコ付けて「日本語」で「今日も最高の気分だっしょ」とか言ったり。
いや・・「だっしょ」ってのはちょっと標準ニホン語的にどうかと思うぞ、この大統領めが!(あ、一国の宰相に対してすんません)

ラストで、青年となったナガンと父ハンモが自転車で並走する・・ってシーンが描かれるが「家族の幸せとは、結局はこういう瞬間なんやなぁ」とホッとさせられた。シチュエーションとしては『アメリ(2001)』にも似ているが、こっちはこっちで何とも幸せな雰囲気が漂って来て良かったのである(あくまで父子の物語だったようで、母親は余り目立ってなかったが)。

〜 こんなセリフもありました 〜

ハンモ「無知な連中に対しては、心の中で笑ってやれ。きっと、説明なんかしても分からない奴らだろうから」
   「この国は民主国家だ、罪がなければ捕まりはしない」 ←この台詞が空しく響くことに・・

大統領「国を滅ぼすのは、今も昔も“学のある人間”だ」

妻「あなたはお父さんみたいに“殴られる側”にならないで」 ←息子に
 「殴られることには慣れてるのね、あなたは」 ←夫に

刑事「スパイに年齢制限などないからな、子供とて例外ではない」
  「これは拷問だ、笑われちゃ困る、苦しんでくれないと」

息子「なんでこんな山の中にいるの?」
父親「達人と言うのは、山の中に隠れているものなのさ」

【おまけ】『大統領の理髪師』簡略年表

1960年 3月17日  大統領選挙。開票時に不正はびこり老大統領が再選さる(間もなく辞任)
1961年 4月19日  ソン・ナガン誕生
1961年 5月16日  軍事クーデター勃発
1964年      ソン・ハンモ、官邸に招かれ(連行され?)大統領の理髪を行う
1971年      大統領に初めて話しかけられる(この時ナガン10歳)
1976年10月25日 大統領が逝去(ハンモが大統領に会ってからちょうど12年後)

追記:ナガン君の少年期(青年期ではない)を演じた子役が、何となくニノ(嵐の二宮和也)に雰囲気が似てて好感が持てた。これってオレだけの感覚なんやろか。。

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コメント

こんにちは。
この映画は他作品の予告編で結構観ていて気になっており、チラシをもらって今も私の<チラシFile>に綴じられています。結局観に行かなかったのですけれど。

読ませて頂くと「家族愛」というテーマに留まらない作品のようですね。

>国際社会的に言えば、我々日本人の方が大人し過ぎる
感情というか激情を露わにし難いですよね、我々日本人は。それが美徳とも感じていますしね。

あ、この映画の予告編の最中に聞いた隣の女性二人組の会話が頭に残っています。
「ソン・ガンホ・・・太ったよねぇ・・・」
「ほんまやねぇ・・・」って残念そうに。
ソン・ガンホって確か『グエムル』に出てた俳優さん?ですよね?昔はスレンダーだったのでしょうか?

さてこの一年、貴ブログで楽しませて頂きました。
来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

投稿: ぺろんぱ | 2007年12月31日 (月) 16時29分

ぺろんぱさん、ばんはです。

今年は「当ブログ最後の正義」って感じで(『シン・シティ』かよ!)
とかく暴走しがちなワタシの記事に無意識的なブレーキ(?)をかけて頂き、感謝でした(=^_^=) ←いや、ムチャクチャ書いとるやろ!

>この映画は他作品の予告編で結構観ていて気になっており、
>チラシをもらって今も私の<チラシFile>に綴じられています。
>結局観に行かなかったのですけれど。

やっぱりスコォン! とハマってしまう絶賛系作品は、未だ韓流では出会えていない気がしますねぇ・・

>読ませて頂くと「家族愛」というテーマに留まらない作品のようですね。

何かね、(主人公の)怒りの鉾先が結局うやむやな印象がありまして・・

>感情というか激情を露わにし難いですよね、我々日本人は。
>それが美徳とも感じていますしね。

最近は日本人も激情型に変異して行ってますけどね(×_×)
(あ、単にキレるしとが増えただけか)

>ソン・ガンホって確か『グエムル』に出てた俳優さん?ですよね?
>昔はスレンダーだったのでしょうか?

『シュリ』の頃なんでしょうかねぇ?
ワタシはどうにもキム兄さん(木村祐一)のイメージがダブってしまったりします。。良く見たら全然違うんだけどね(⌒〜⌒ι)

>さてこの一年、貴ブログで楽しませて頂きました。
>来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

こちらこそ、来年も宜しくお願い致します。

ワタシも年末挨拶の記事を書こうかな〜(⌒〜⌒ι)

投稿: 管理人(TiM3) | 2007年12月31日 (月) 23時28分

今日、はじめてBSで観ました。

久々の韓国映画ですが、やっぱり直接的で怖い。
描かれているのが当局のかなり直接的な暴力があるんで....びっくり。
こんな風に描いてもいいんかいなぁ?と。

でもおっしゃるようにあちらの人はかなり激情的だからこんなものなのかな。

PS TiM3さんの記事には無かったですが....
ハンモがキバル姿と大統領の葬送車の気張る二重写しは楽しめなかったですか?私はかなり笑ったんですが....
(TiM3さんなら必ず書いていると思ってなかったので??でした)

投稿: west32@大統領の理髪師 | 2010年5月 9日 (日) 23時21分

westさん、いらっしゃいませ(=^_^=)
本記事も、久々のコメントに喜んでおりましょうて。

>久々の韓国映画ですが、やっぱり直接的で怖い。
>描かれているのが当局のかなり直接的な暴力があるんで....びっくり。
>こんな風に描いてもいいんかいなぁ?と。

韓流と言えば「暴力」「嘔吐」の2大(?)シーンがどうにも想起させられます(×_×)

>でもおっしゃるようにあちらの人はかなり激情的だから
>こんなものなのかな。

国会中継でも、殴り合ったりしてますもんね。。

>ハンモがキバル姿と大統領の葬送車の気張る二重写しは楽しめ
>なかったですか?私はかなり笑ったんですが....
>(TiM3さんなら必ず書いていると思ってなかったので??でした)

どうでしょう・・? 覚えがありませんどす(⌒〜⌒ι)

子供が電気ショックで大変なことになる辺りから、
「笑うどころでなくなり」ちょっと引いてしまってたかも知れませんね。。

投稿: TiM3(管理人) | 2010年5月10日 (月) 00時15分

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