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2007年12月19日 (水)

☆『死刑台のエレベーター(1957)』☆

18日(火曜)の夜に鑑賞。
HDレコーダーを今秋(9月末だったか)に買って以来、とにかく気になった番組(ってか、殆ど「衛星第2」「民放深夜」で流される旧作映画群であろうか)をバシバシ録画しまくっている。録(と)るだけ録って、一方で全然観れてないもんで、早くも残量(録画可能時間)が半分近くとなってしまった。。
あわわ、時間が許す限りどんどん片付けていかなきゃ・・!
と改めて焦り始めてる今日この頃、頑張って1本を観た次第だ。

作品そのものは先月初め(の深夜)に放送されたもの(確か)。ちょくちょくお邪魔させて頂いてるブログ“シネマで乾杯!”において、管理人・ぺろんぱさんが鑑賞された記事を拝読して以来「早く観なきゃあ!」とは思いつつ・・とうとう今となってしまいました(・ω・)

当時20代半ばだったと言うルイ・マル監督による“密室サスペンス(と安直にジャンル付けて良いんかな?)”の佳作。ウィキペディア情報によると「自己資金で製作した監督デビュー作」ってことで、荒削りな部分も見受けられるものの、主演にジャンヌ・モロー&モーリス・ロネを、そしてスコア(作曲)にかのマイルス・デイヴィスを迎えると言う、恐ろしいまでの豪華さである!
良く言われるように「ヌーヴェルヴァーグ時代(1950年代後半からフランスで起こった若手映像作家による一連の映画製作運動)初期を代表する作品の1つ」と評して良いだろう。

当然のことながら、本作はモノクロなのだが、それ故に「事件そのものの残酷さ」「世界観の閉塞さ」「若き日のヒロイン(ジャンヌ)の表情&感情に対する捉え切れなさ」などがより際立つ形で巧く作品そのものに響く造りとなっていた。即興演奏とされるマイルスのトランペットも然りで、派手さはないものの、焦燥をひとたび経ての虚無感・諦念・静かに燃える情熱・・などを適度な静けさを交えながら表現してくれている。

ワタシが勘違いしてたのは「とある事件を起こした男女2人がエレベーター内に閉じこめられる」っちぅシチュエーション。あ、2人一緒だと・・韓流映画『スカーレット・レター(2004)』のノリじゃんかよ〜(⌒〜⌒ι)
にしても、大きな印象では『ニキータ(1990)』に出て来た婆さま(←すんません!)の印象が私的にとにかく強烈すぎるジャンヌさん、独特の険しさが見受けられる表情はちっとばかし「怖ぇな〜」と引いちゃうトコだが、流石にメチャメチャ美人ですね(或いはカラー映像でないことが奏功してるのかも知んないが・・)。
対するモーリス・ロネも後年の『太陽がいっぱい(1959)』における“スマキにされたしと”の印象が強かったが、結構今(少し前?)で言うジュード・ロゥっぽい“念のため言っときますけど女性には不自由してませんよオーラ(=^_^=)”がバンバン出ていて、好印象だった(カッコいいけれど、おっちょこちょいなトコも母性愛をくすぐるタイプではなかろうか?(=^_^=))。

物語は3つの視点(捜査機関を含めると4つ)で同時進行的に描かれる。

1)主人公ジュリアン・タベルニエ(モーリス)は恋人である“ある人妻”に依頼され、彼の夫である自身の上司=カララ商会のシモン・カララ社長の殺害を計画、実行に移す。「アリバイ(不在証明)・密室形成・凶器準備」の3点において“ほぼ完璧な殺人”と思われたジュリアンの行動であったが、オフィスを去る際に「とある忘れ物」を取りに戻ったことから、彼の“完全犯罪”は思いもよらぬ方向へと暴走を始めるのだった。
2)社長夫人=フロランス・カララ(ジャンヌ)は電話で“不倫相手の男”に熱愛を告げる。そして彼に囁く・・「それをやれば・・自由になれるわ、私たち」 だが、30分後に待ち合わせたカフェに、男はとうとう姿を見せなかった。ひたすら男を待つ女。降り出した雷雨の中、ずぶ濡れとなりながらも女は虚ろな眼をして彼を捜し歩く・・夜の街を。
3)花屋の娘=ベロニクとその恋人ルイ。ほんの出来心(なのか?)から、ルイは“ある人物”の車を盗んでしまう。そして車内で見つけた“拳銃”が、自らの運命を大きく歪ませることを、若い2人は想像すらしていないのだった。
4)モーテルで発生した殺人事件。逃走した容疑者の足取りを追うシェリエ警視は、意外な場所に有力な証拠を発見する。それは2つの事件を一挙に解決に導く、重要なアイテムなのであった。

まずは、近いようでなかなか逢えないのがジュリアンとフロランス。考えたら、結局「冒頭の電話による会話だけ」でしか通じ合っていなかった! もっと直接的で動物的で(おい!)生々しいシーンを想像してしまったワタシがバカですた(⌒〜⌒ι)

いや、それにしても。よくもこんなに変幻自在かつ簡単に人間の運命って狂わされるもんであるなぁ。ちょっとしたきっかけでどんどん「誤算」や「犯罪」が連鎖して起こると言う“奇”を余すトコなく描き切ってくれている。すごいよ、ルイ・マル!
まぁでも、やっぱし可哀想なのはジュリアン氏。“隔離状態の一夜”を過ごすうちに、自身を取り巻く状況がどえりゃ〜ことになっちゃってまぁ(×_×)

本筋とはちょっと関係ない所では、無骨な(当時の)クルマ(庶民カー)が通りを埋めている中で、ひたすらに光彩を放っていた『メルセデス・ベンツ300SL』の本作への起用が、ただただ鮮烈で衝撃的だった! 流線型のボディ&ガルウィング採用の凄まじいインパクト! 『個人教授(1968)』に登場したランボルギーニ・ミウラもスゴかったが、こんなスーパーカーを旧作映画で発見する喜びって、なかなかにオツなもんである(=^_^=)

半世紀前の“傑作”に対し、恐れ多いとは思いつつ・・私的にはもう少し「削っても良かったんとちゃうか」と感じるシーンもちらほらあった。フロランスがあちこちを具体的に“聞き込み”し過ぎるトコと、若い2人(ベロニク&ルイ)の行動の占める(全体に対する)割合がちょっと多過ぎた(と思えた)辺りだろうか。
時計を映すなりして、上映時間的にもダイエット出来る余地はあったと見た。

「おっ!」と身を乗り出しそうになったのは、何と言っても中盤、フロランス自らが“探偵”とし、独自に調査を始める“転”の展開だろうか。ちょっと劇中で(暗かった)雰囲気が少し明るくなるのを覚えた。

ラストはシェリエ警視による“大手柄”と言おうか“一網打尽”と言おうか・・たぶん有名なオチなんだろうが、ワタシはあの写真をパッと見た瞬間に「ってか、コレ、誰が撮ったの?」と素朴に疑問に感じてしまった。あの焦点距離と言い、アングルと言い、被写体に極めて懇意な、かつ撮影のプロが撮ったモノと思うんだけど。。うーん、オレが分かってへんだけなんやろか??

〜 こんなセリフもジュテーム・ボクーでした(←意味不明) 〜

フロランス「勇気がないのね」
ジュリアン「愛は臆病なんだ」

ジュリアン「戦争をバカにするな、あんたの飯の種なんだろ?」

ベンカー「無理して強い煙草を吸うと“あっち”に響くよ」

フロランス『殺しなんかもういい、逃げたのなら、臆病だなんて言わない。
      ただ生きて・・私のそばに戻って』 ←独白
     『あなたと離れたまま1人で老いて行くのが私の宿命・・でもこの※※の中では一緒よ。
      結ばれているわ・・誰にも引き裂けはしない』 ←独白

追記:半ば放心状態のまま、左右の確認もせず道路をずんずん横断するジャンヌ・モローがスゴい! 彼女の前後をクルマが殆ど減速せず左右に通過しまくってるし! もしこれが『ジョー・ブラックをよろしく(1998)』や『ファイナル・デスティネーション(2000)』の世界だったら、まず間違いなく画面外に吹っ飛んでますゾ(×_×)

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コメント

こんばんは。
貴ブログに私の名前を出していただいて恐縮です。と言いますか、びっくりして赤面しております。

これって、マル監督の自己資金作だったのですね・・・驚きです。

>おっちょこちょいなトコも母性愛をくすぐる
確かにジュリアンさん、あんな大きな計画を実行した後で「それを忘れるかっ?!」って感じです。
でも、それが母性愛のなせる業なのか否か分かりませんが、ジュリアンさんは何だかとても可哀想に感じました。今作に登場する人物の中で唯一そういう感情を抱ける人物でした。

>若い2人(ベロニク&ルイ)の行動の占める割合がちょっと多過ぎた
私としては、あの二人の運命がジュリアンとフロランスのそれと対比されて描かれているように思えたのでそれはそれで意味があったのかな、と。
特にベロニクとフロランスの“相手の男性に対する姿勢??”みたいなものの対比として。

>焦点距離と言い、アングルと言い、被写体に極めて懇意な、
あれって、二人のショットもありました、よね?
私は単にオートシャッター撮ったものと思いこんでいましたが、今改めて私も疑問になりました。オートで撮ったものとは思えないようなものもあったかも、、、その点だけでももう一回確かめてみたい気もしてきました。

いずれにせよ、こんなふうに、(自分が観た作品の)他のお方のレヴューを読ませて頂くのはワクワクドキドキ、そして勉強になるものですね、ありがとうございました!

投稿: ぺろんぱ | 2007年12月19日 (水) 23時02分

ぺろんぱさん、ばんはです。

今週の衛星第2は・・やや録画に追われることが少なそうで、妙に喜んでおります(=^_^=)

>貴ブログに私の名前を出していただいて恐縮です。
>と言いますか、びっくりして赤面しております。

いきなりで失礼を致しましたm(_ _)m

貴ブログに比べると、何か思い付くままに書き殴ってるだけ・・ちぅ気がします(・ω・)

>これって、マル監督の自己資金作だったのですね・・・驚きです。

リッチマンだったのか、大きな賭けだったのか、

>確かにジュリアンさん、あんな大きな計画を実行した後で「それを忘れるかっ?!」って感じです。

結局は、自然に「外れて落下」してましたし。。
にしても、状況証拠的には「完全犯罪」と思ったんですけどね・・?
やはり、動機的な部分で崩れちゃったのでしょうか。

>ジュリアンさんは何だかとても可哀想に感じました。
>今作に登場する人物の中で唯一そういう感情を抱ける人物でした。

上司にも、友人にも恵まれてない感じでしたね。。

>あの二人の運命がジュリアンとフロランスのそれと対比されて
>描かれているように思えたのでそれはそれで意味があったのかな、と。

「恋人たち」の物語と考えたらそれもアリなのでしょうね。

>私は単にオートシャッター撮ったものと思いこんでいましたが、
>今改めて私も疑問になりました。オートで撮ったものとは思えないようなものもあったかも、、、
>その点だけでももう一回確かめてみたい気もしてきました。

モーテルでも「残りの3枚」を撮るシーンがありましたが、そこでタイマー撮影しなかったでしょう? そこが気になるのです。
まぁ、ウィキペディアで「あれ」の仕様を確認すれば一発解決しそうに思いますが・・(⌒〜⌒ι)

>いずれにせよ、こんなふうに、(自分が観た作品の)他のお方のレヴューを
>読ませて頂くのはワクワクドキドキ、そして勉強になるものですね、
>ありがとうございました!

新作映画で追いつきたいトコロです・・ぐすん(×_×)

投稿: 管理人(TiM3) | 2007年12月20日 (木) 00時10分

この映画好きでした。
エレベーターに閉じ込められた時点で、今なら携帯電話という便利になった小道具が使えるのに、観ていて“もどかしい感”全開でした。

最近になってテレビ2台ビデオ1台壊れました。
で、ビデオが壊れた際になかに入っていたオリジナルの『椿三十郎』のビデオも中途半端に引っかかったまま取れません^^

ツキのない時はこういうものですね(゚c_゚`;)


投稿: ituka | 2007年12月23日 (日) 17時56分

itukaさん、ばんはです。

今夜は『手紙』と『ナソナル・トレジャー』の同時多発放送のため、かなり焦ってしまいました。。

外出からの帰宅も、放送の約20分前でしたし(⌒〜⌒ι)

>エレベーターに閉じ込められた時点で、今なら携帯電話という
>便利になった小道具が使えるのに、観ていて“もどかしい感”
>全開でした。

リメイクしても、そこはクリア出来そうですね。
「バッテリー切れ」「電波が圏外状態」「隙間から落下⇒木っ端微塵」

↑近年の映画って、大抵は上のいずれかで「携帯を封印」してる演出に思いますが、もうちっとトリッキーでクレバーな脚本回しはないんやろかなぁ。

>最近になってテレビ2台ビデオ1台壊れました。

ご愁傷さまです。次のんを「地デジチューナー」搭載にするか、、悩むトコですね。ワタシは(搭載済の)15インチ液晶を今夏に買ったけど、放送開始までに買い直すかも知れません(=^_^=) それまでに壊れるかも知れないし・・

>で、ビデオが壊れた際になかに入っていたオリジナルの
>『椿三十郎』のビデオも中途半端に引っかかったまま取れません^^
>ツキのない時はこういうものですね(゚c_゚`;)

まぁ『ビデオドローム』とか『リング』とかが引っかかるよりは、精神衛生的に良いかも(⌒〜⌒ι)
最悪なのはAVでしょうけど、、

『椿三十郎』は、手頃な価格でDVDソフトが手に入るんじゃないでしょうかね? ホントに観返すべき作品は、とっととソフトで買っとこうと思っているワタシです。
(と言いつつ、全然観れてないけど・・)

投稿: 管理人(TiM3) | 2007年12月24日 (月) 00時27分

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