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2007年11月 4日 (日)

☆『クワイエットルームにようこそ』☆

3日(土曜)。待ちに待った祝日や〜! と狂喜しかけるも・・どうやら振替休日もなく、フツーの土日として過ぎて行ってしまうことに気づいたこの週末(・ω・) 色々とやりたいことはあるんだが「1本いっとく?(←う、懐かし・・)」ってことで、映画を観に行くこととした本日。
期待の大作(?)『パンズ・ラビリンス』を観てしまったので、しばらくは(私的に)小品ぞろいかもな〜と思いつつ、選んだのは蒼井優+妻夫木聡共演・・のキャスティングがつい目を引く『クワイエットルームにようこそ』であった。

かなり久々の内田有紀主演作である本作、公開時期的に、吉岡秀隆氏主演(?)の「アレ(の続編)」とモロにぶつかっちゃってる感のあるのがちょいと私的にインパクト。でも「体当たり度」だけで比べたら・・きっと内田さんの圧勝な気がするぞ、たぶん(・ω・)

月刊誌に800字コラムを連載しているフリーライター=佐倉明日香(内田)が眼をさますと、、そこは天井も壁も真っ白な“窓のない部屋”であった。おまけに、寝台に横たえられた自身の身体は両手両足などを“5点拘束”されており・・

そこからの流れで、どうやら彼女が今いるのは東京近郊(多摩辺りらしい)の「緑山精神科病院・女子閉鎖病棟」の「保護室(=クワイエットルーム)」である事が明らかになる。何故こんなトコで拘束されることとなったのか、記憶がすっかり抜け落ちてる明日香。ケータイなぞもちろん使えず、外部との連絡は取りようもない。
はたと思い出したコラム執筆の締め切り。彼女は焦るが事態は当面、どうにもならないようす。

看護師・江口(りょう)の説明によれば、彼女はどうやら「睡眠薬の過剰摂取により、丸2日間、昏睡状態に陥っていた」と言う。身に覚えのない自殺未遂(?)の事実に戸惑う明日香。一体、3日前の夜に何があったのか?
そして、廊下に繋がる扉のすき間から覗き込む若い女(蒼井)が彼女に囁いた言葉とは?
明日香はこの先いつ、どうやって“クワイエットルーム”から脱することが出来るのか? 様々な謎を抱えたままの彼女に、面会にやって来た人物は・・みたいな流れ。

原作&脚本&監督:松尾スズキによる、奔放に振る舞いつつも“生”を求め足掻いていた女性の「14日間にわたる追憶と喪失と再生の物語」である。

まずは何と言っても、助演陣がやたらと豪華である!

目当てにしてた中で、妻夫木氏(コモノ(菰野?))やりょう(江口)の絡み方はちょっと(私的に)中途半端で薄かったような気もしたか。意外なトコで存在感の爆発してたのはやはり大竹しのぶ(西野)、宮藤官九郎(焼畑鉄雄)、そして蒼井さん(ミキ)の面々だろう。
また殆ど言動はなかったけど・・徳井優(白井医師)とか庵野“カントク”秀明(松原医師)の存在感もそこそこに光っていた☆ 

題材としてはさすがに・・何処か既視感のあった設定なるも(やっぱりベタな連想ながら『17歳のカルテ(2000)』や『カッコーの巣の上で(1975)』の世界が浮かんでしまう)イマドキの邦画らしく「スピード感溢れる展開」「時間軸置換を駆使した演出」「妄想やキャラたちの(半ば強引な)言動に説得力を持たせる、ライトかつスタイリッシュな映像センス」が功を奏してた☆
中盤以降でこそ、物語の“暗黒面”が際だってしまってたが・・中盤までのハイテンションな演出は「素晴らしい!」のひと言。出来れば、もう少し観終わった後にカラッと晴れやかな気持ちにして欲しかったけど・・(あの終わり方なりに晴れやかさ(潔さ)はあるんだが・・)

少なくとも、単純なコメディには終わっていない作品と感じた。
登場する男たちが、揃いも揃ってダメダメなんだが(だけど社会的には“正常”)、それに引き替え女性陣がみなそれぞれにしたたかで、パワフルにスクリーンを闊歩してる印象を強く覚えた(だけど社会的には“異常”)。

考えてみると「不規則に、我慢を強いられず、孤独で、笑いもなく」生きることが、果たしてそれが「隔離病棟の外」だからと言ってホントに幸せなの? 健康と言えるの? 正常なの? と考えるに「う〜ん・・」と思わず悩んでしまうワタシである。
例えそれが“塀の中(←ここでは無論「刑務所」の意味合いは含んでいない)”だからとて「規則正しく、我慢(足ること)を知り、共同生活をし、たまには笑う」そんな人がいたら、それはそれで「幸せ」で「健康」で「正常」だと断言する価値観があっても、許してあげて良いと思うのだ。
そう言う意味で、男(である松尾カントク)が作り上げた作品世界ながら“女のココロ”の片鱗を勉強できる、良い機を得たとも思った次第だ。

特に印象的だった事柄をまとめてみる。

■仏壇1つを例に挙げても、宗教観の違いって結構「親族間の大きな溝」になるんかもな〜と。
■例え「不眠の相談を病院で受けた」としてもカルテ的には「心療内科に通院歴あり」と判断されることもある。
■“マトリョーシカ”は結構「隠し場所」に使える(=^_^=)
■例えば「病院の前に置かれたゴミ箱1つ」の中、にだって色んなドラマ的要素が詰まってる・・
■本人の「至って正常そうな言動」に関係なく、リピーターは戻るべくして戻るのかも知れない。
■結局、どんな状況下に置かれようが、退院出来るか否か、良くなるか否かは本人ら次第。医療側に奇跡の療法を期待してもムリなようだ。
■女が「今日まで脈々と続いて来た一族の血を絶やす」と意識するのってば「古い考え」なんだろうか?
■面白いだけの人間、は何事も面白いだけに帰結させてしまうようである。
■例えば、陽の目の当たらない所に、思わぬ“天賦の才能の持ち主”がひょっこりいたりするものである。
■拒食症にも様々な理由がある。患者の中には「自身の問題」を「世界の問題」に結び付けてまで考えを走らせている人がいる。
■三重県民は、もっと首都圏の人々に地元をアピールすべきかも知れない(・ω・)
■じんましんの発症に「ムヒ」の塗布は、医療者にも効用を認められているらしい。

〜 こんなセリフもありました 〜

※「バカはね、泣かれたらもっとバカになるんだよ」

山岸看護師「パンとミルクとイチゴに“スピード感”を与えたような食事です・・
      あ、間違っても“鼻水”のことは連想しないで」

鉄雄「オレってさ、基本“言われたまま”だから」
  「普通ないよな〜“アタマ燃やしません宣言”なんて」
  「いま、ヤラセの会議に、拉致られにゆきます」 成田直行⇒ミャンマーの奥地へと・・
  「“睨みメシ”って言うの? ありゃ絶対、眼からカロリー摂ってんな」

※「明日香、残念だ。」 ←(セリフでなく)手紙ですが・・

ミキ「1時間以内にこの※※を棄てないと、爆発する」
  「おっぱい、キレイよ」 ←“いけず”なカメラワークにウワァァン!

西野「聞き上手なのよぉ・・あたし」
  「生きるってね、重いことよ」

栗田「アドレスなんて書かなくていいわ、どうせすぐ棄てるから。
   ここを出るってのはね・・そういうことなの」

明日香「こんなに集まっているのに・・こんなに孤独」
   「静かだが、確かに動いている世界・・そして私は生きている」

追記1:「ゲロでうがい」・・コレって胃洗浄に関する(医学)業界用語だろうか・・(×_×)
追記2:西野、江口らの個性キャラはちょっと最後に「失速」してて残念。。
追記3:徳井優さん、もっと活躍して欲しかった。あんたの主演で是非「スピンオフ作品」を!(=^_^=)
追記4:金原さん、あんたそんな格好で、いつまでもそんなトコで何やってんですかぁ!
追記5:スリスタナ・ローケンよりもりょうの方が、よっぽど“女ターミネーター”ぽいかな、と。
追記6:あの先生、あの出血量では、もしや死んだ・・?
追記7:クワイエットルーム内は、みごと“トイレ”と化してしまったんやろか??
追記8:劇中に登場のアドレス「life_is_happy@loop.com」にメールするとどうなるのか? ちょっと怖くて勇気が出ないッス(⌒〜⌒ι)
追記9:部屋の中で、マスキングもせず※※をスプレー缶で※色に塗っては・・アカンでしょ。。

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コメント

こんばんは。
連休と称するフツーの土日も終わろうとしていますね。
アレ(の続編)は好調の滑り出しだそうですが、私としてもどちらかと言えばアレの続編よりこっちの方が興味はあります。

私も過去に記憶が欠落して目覚めた事はありましたが、クワイエットルームではなく大学の同期の友人(女性です)宅でした、飲みすぎはいけませんね。

>言動に説得力を持たせる、ライトかつスタイリッシュな映像センス
今作への興味はやっぱり松尾スズキという人の演出への興味に最も負う所が多いです。
クドカンが出ているようですが、今回は彼は役者のみとして?ですか?

異常といわれている人達が実はモノゴトを摩り替えずに見ていて、正常と言われている人達が歪んだ価値観で勝手な世界を作り上げているのかもしれない、という様なことが確か田口ランディの小説に書かれていたような記憶があります。(小説中の表現はもっと素晴らしい表現でしてけれど。)

最後に、以下の一文に無言の頷きを何度か。
>■例えば、陽の目の当たらない所に、思わぬ“天賦の才能の持ち主”がひょっこりいたりするものである

ではよい月曜をお迎え下さい。

投稿: ぺろんぱ | 2007年11月 4日 (日) 22時37分

ぺろんぱさん、ばんはです。

以前から“トマトカクテル”に興味津々なのだけど、なかなか購入の機に恵まれません・・ご賞味されました?

>連休と称するフツーの土日も終わろうとしていますね。

今日は奈良へ出かけてました☆ 各地の寺社仏閣で「秋の特別公開」をやってて、実にアツいっす!
明日から仕事なので、しばらく行けなさそだけど(×_×)

>アレ(の続編)は好調の滑り出しだそうですが、
>私としてもどちらかと言えばアレの続編よりこっちの方が興味はあります。

前作は「東京タワー完工」のインパクトを期待してたら、それそのものはあっさり描かれてたに過ぎずちと残念でした。
今回はより確信犯的に(?)人間ドラマ部分を強化してそうですね。
(私的にはそれより建築CGにこそ期待したいんだけど・・)

>私も過去に記憶が欠落して目覚めた事はありましたが、
>クワイエットルームではなく大学の同期の友人(女性です)宅でした、

酔うと、自分がどんな言動をするのか分かんないので、怖いですよね。。
あ、ご友人の性別のことはご配慮有難うございます(=^_^=)> ホッ・・

>松尾スズキという人の演出への興味に最も負う所が多いです。

関係ないんですが、主人公が劇中で「(姓も名も)どっちも名前みたいだね」的に言われるセリフがあり、後で「アレは監督が遊び心で入れたモノかも知れんな〜」と思いました。

「佐倉明日香」と同様「松尾スズキ」もややこしい名前でしょう?

>クドカンが出ているようですが、今回は彼は役者のみとして?ですか?

そうですね。でも『嫌われ松子の一生』の時より更に、演技にガッツのこもってる気がしました(=^_^=) 『スコア』のエドワード・ノートンには流石に及びませんが(=^_^=) 『阿修羅のごとく』の中村獅童には迫るもんがあったと思います。。

>異常といわれている人達が実はモノゴトを摩り替えずに見ていて、
>正常と言われている人達が歪んだ価値観で勝手な世界を作り上げて
>いるのかもしれない、という様なことが確か田口ランディの小説に
>書かれていたような記憶があります。

それが正しい(と信ずる)ことであるなら、雑音などにとらわれず、ひたすら突き進むべきなのかも知れませんね。
少なくとも「才能の突出してる人間は、チャンスさえあれば周囲が放っておかない」と言うのが、現時点でのワタシの論なのです(・ω・)
(↑才能のない人間こそが言いそうな論ですが(=^_^=))

>最後に、以下の一文に無言の頷きを何度か。

私的に将来、まかり間違って(?)成功したら・・そう言う“天才”を発掘する仕事とかをやりたいですね。
少年院、刑務所・・人が敬遠しそうな、そんな場所に凄まじい人材が隠れてるような・・そんな気がしてなりません。
(まずは更生させなきゃならんか(×_×))

投稿: 管理人(TiM3) | 2007年11月 5日 (月) 00時15分

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