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2007年10月 3日 (水)

☆『永遠のマリア・カラス(2002)』☆

1日(月曜)。衛星第2で放送されたものを鑑賞。“世紀の歌姫=オペラ歌手(←歌姫と言ってもそこらの“Jポップ系(量産型&人為型)”ではなく!(=^_^=))”マリア・カラスの晩年を、彼女と親しかった監督が「想像と記憶を膨らませて」描いたドラマ。虚実ない交ぜな側面も少なからずあるようで、厳密に言えばマダム・カラスの“真実のドラマ”と言うより・・フィクション性を際だたせ、エンターテインメント性を強調してた感もあったか。ま、それ故に観易かった訳でもあるけど。

1977年。パンク・バンド「バッド・ドリームズ」(何と客席に向かって“放尿”パフォーマンスをご披露する連中らしい(×_×))のライヴ公演を手がけるためパリへやって来たベテランプロモーター、ラリー・ケリー(ジェレミー・アイアンズ)は、日本での公演を最後にオペラ歌手としての表舞台から姿を消した、旧友マリア・カラス(ファニー・アルダン)に面会を求める。
53歳となった彼女は全盛期の美声を失い、かつての恋人だった海運王オナシスの死のショックから未だ立ち直れぬままに、パリの屋敷で隠居生活を送っているのだった。

当初こそラリーのやや強引な面会に不快の念を隠さなかったマダム・カラスであったが、そのプライドを器用にくすぐる(?)彼の巧みな話術に導かれたか、やがては再び、屋敷の外へとその足を踏み出すのであった。
ラリーの持って来た企画書“永遠のマリア・カラス”の中で彼女が乗り気になったのは、これまでの歌手人生の中で、一度も演じた事のなかったビゼー作『カルメン』の映像化である。
スペイン人のエステバン・ゴメス監督が撮り、相手役のドン・ホセには若くてジゴロっぽさげな青年、マルコがオーディションで選ばれた。

問題はマダム自身の“声”であったが、そこは専門家のテクニックで「現在の映像」に「22年前の(全盛期の)声」を編集、重ねることで“この世の美しさを超越した声”が見事に再現されたのである。

完璧な踊りにこだわるマダムのプライドが、時として監督やラリーと衝突する場面もあったが、最終的には素晴らしい出来映えで映画『カルメン』はクランクアップしたのであった。

その追い風をチャンスとばかり、ラリーを筆頭とした出資者らは『椿姫』『トスカ』などの名作オペラを次々に彼女に演じさせようとするが・・マダムならではの大きな気まぐれで、それらのプランは大きく方向を変えるのだった・・みたいな流れ。

主演のファニー・アルダン。近作『8人の女たち(2002)』でその存在を(初めて・・)意識した女優さんなんだが、かの作品では結構しゃしゃり出て演技してる割にそんなに魅力が感じられず「なんだなんだこのおばさむは・・」とムッとしてしまった覚えがある(・ω・) が、本作では髪型メイク&&服装が良かったせいか(?)はるかに魅力的に映ったのであった。
若い頃のファニーさんは、、おぼろげながら、往年の刑事ドラマ『Gメン75』に出ていた中島はるみと言う女優さんに何処となく雰囲気が似てたような気がする(実は全然似てなかったらすまんそん・・)

本作ではアイアンズ氏が「ペテン師肌のゲイ」と言うメチャメチャ難しいキャラ(⌒〜⌒ι)を“妙に自然体で”演じてることから、生半可な女優さんではその存在感がすっかり薄まってしまうトコだが、そこは流石に“大女優のご貫禄”って感じで、堂々と渡り合っておられた。。
中でも「天才肌で感覚型の女性」を感じさせる“意見がころころ変わる”“内から発する(本能的)感情に流され易い”“実人生の大半をオペラ(架空の)世界の中で生きている”“誰かと出会った瞬間、その別れにまで気を巡らせる繊細さ(?)を持ち合わせる”などの複雑ですんごい思考回路を持つ人物像をサラッと自然に演じておられた。
そこで失敗すると“ホラー系女優”に開眼(=^_^=)しちゃうトコを・・ぎりぎり“寸止め状態”で踏みとどまってる辺り、流石はベテランさんである☆

本作を観て思ったのは「儲け目当てに天才に絡んで行っても、人生を翻弄されるだけかも」ってことだろうか。本人にさして悪気がないだけにより始末も悪いし(⌒〜⌒ι)
「天才を利用しようとして、結局は利用された凡人のドラマ」として眺めるのも一興かも知れない。

そして、本当の天才は・・その人生の引き際も潔く、唐突なモノなのかも知れない・・。

〜 こんなセリフが印象的でした 〜

マイケル「この補聴器をしていれば、誘惑は聞こえない」 ←画家の青年。本作のヒロイン(?)の1人?

マダム「私がいないと言えば、いないと思って」
ラリー「それが君の方便なら・・僕も“たまたま”立ち寄っただけさ」

マダム「私が(醜悪な声で)吠えても観客は喜ぶわ、舞台で道化を演じるのはもうごめんよ」

ラリー「君を知らない若い世代が、世界には沢山いるんだぞ」
マダム「あら、それは残念」

マダム「(墜落した)イカロスに再度の(飛翔の)チャンスがあると?」
   「色んな国で暮して来た、でもどの国の言葉も完璧じゃない・・私は一体何ものかしら?」
   「人生の最後に、(これまで)守って来たものを踏みにじれと?」
   「神は願いを叶えてくれるものよ、“間違った願い”さえしなければ、ね」
   「私たちはほんの束の間ながら、栄光を手に入れた・・すべてを・・それもやがては消え去るけれど」
   「答えられない質問はしないで」

ラリー「今までの人生で、誰かを心から信じたことがあるなら・・今日はこの僕を信じてくれ。
    ・・何も言わず、ただ信じてくれ」

マダム「(編集された声で)私に悪魔に魂を売れと?」
サラ「私があなた(マリア・カラス)だったなら、魂だって売るわ」

記者「スカラ座で公演を?」
マダム「観客がマナーを学ぶならね」

マダム「(気分を害したからって)ここで降りるの? 道の真ん中よ」
ラリー「この車の中よりはよっぽどマシだよ」

※マリア・カラスの最後の(公式な)舞台が、日本ツアーだったとは知らなかった(・ω・)
※本作で“劇中劇”として描かれる映画『カルメン』。その映像センスが予期してた以上に素晴らしかった!
 これを単体の映画版に編集し直して欲しいぐらいである(・ω・)

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コメント

マリア・カラス、生きて其処にいる、その事だけでオーラを放てる人間というのも凄いですね。

しかしまたしてもそんな危ないキャラでジェレミ-様が出ていたのですね、この作品。
日々の雑事&雑念にまみれてちっとも「藝術の秋」してません。本日もBSの『ラヴェンダーの・・・』は録画です、観るのはいつの事やら、です。

またしても映画の本筋に触れるコメントでなくて申しわけありません。

投稿: ぺろんぱ | 2007年10月 4日 (木) 22時03分

ぺろんぱさん、ばんはです。

どうやら、狙いつつも観れぬまま『トランスフォーマー』とか、
色々と公開が終わっちゃいそうな気配が漂ってます。。

疲レ過ぎると、何だか劇場へ足を運ぶ気力すらも萎えますね(×_×)

>マリア・カラス、生きて其処にいる、その事だけでオーラを
>放てる人間というのも凄いですね。

「才人は周囲が放ってはおかない」と言われますが、まさにそれが当てはまる方でした(この映画では、ですが)。
少し前に紹介した女優・戸田恵子さんも、そんな一面を持った方だと思いましたね。
(そして、お2人に共通して“静かに燃える恋を秘めている”ってな印象を感じました・・実際にどうなのかは知る由もありませんが(⌒〜⌒ι))

>またしてもそんな危ないキャラでジェレミ-様が
>出ていたのですね、この作品。

まぁ『タイムマシン』でのジェレ様よりはマシでした。あっちは化け過ぎて(?)誰だか分かんなかったですから(最後※※になりましたし)。。
思えば『Mバタフライ』の頃から既に、危ないキャラを嬉々として演じておられたんですよね〜(=^_^=)

>本日もBSの『ラヴェンダーの・・・』は録画です、
>観るのはいつの事やら、です。

どうやらワタシの場合は、録画した方が鑑賞率がより低い気がします(・ω・) ムリにでも、途中からでも、オンタイム(放送時)で観る方が結局“お荷物”とならないかも・・

>またしても映画の本筋に触れるコメントでなくて申しわけありません。

寛いで行って下さいよ(=^_^=)

投稿: TiM3 | 2007年10月 5日 (金) 00時32分

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