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2007年9月13日 (木)

☆『マーサの幸せレシピ(2001)』☆

11日(火曜)の夜に衛星第2で鑑賞したのが『マーサの幸せレシピ』である。
(ワタシの知る限りの)有名ドコロが全く出演しないドイツ映画であるが、それ故に妙な役者陣への“先入観”を感じることもなく(←時としてコレがモノ凄い“雑音”と化す場合がある)、作品世界に没入出来た気がする。

筋金入りの頑固な女シェフ、マーサ・クライン(マルティナ・ゲデック)は、ただ「自分の作り上げた厨房を死守する」ために、自らのココロをある意味“閉ざし”て、高級レストランで美食を毎夜お客に提供している。
クレームを付ける客を「あなたは安食堂にでも行けばいい、どうせ煙草まみれで(料理の)味なんか分かりゃしないでしょ」と詰(なじ)り、咎めるオーナー(女性)の「お客様は神様よ!」の注意にも「それじゃ私はピエロかしら?」とやり返したりもする。
(ご本人曰く・・「私は頑固なんじゃなく、全ての物事に厳密なだけ」とのことである)

そんな中、彼女に3つの転機が訪れることに。

1)実姉クリスティンが(マーサの)アパートに留守電メッセージを残したまま、交通事故で突如帰らぬ人となる。彼女の(姿を消した)夫ジュゼッペ(イタリア人)が見つかるまでの間、姪である8歳のリナを預からなければならなくなってしまうマーサ。しかし少女は母を失ったショックから一切の食事を拒絶するようになってしまう。
2)階下にサミュエル・タルバーグ(愛称:サム)と言う名の紳士的な男性が越して来る。
3)ある日、オーナーが相談もなく“風変わりなイタリア人シェフ”マリオを厨房に雇い入れた。陽気な彼はたちまち厨房の人気者となるが、マーサは「私の作り上げた厨房を奪われる」と危機感を覚え、彼を露骨に敵視するのだった・・。

中盤以降は、マーサが(主に)彼ら3人との交流を通じ、次第に心に厚く張った“氷”を溶かして行く流れが描かれる。
どちらかと言えば盛り上がりもなく、アクションシーンも皆無で(=^_^=)、淡々とストーリーは進むのであるが、ゆったりした気持ちで流れを追うことが出来、なかなか良かった☆

そうそう。マーサ役を演じたマルティナさんが、なかなかにイイ女優さんである。(物語上)厨房内のシーンが多いので当然“シェフ着”姿がメインとなり、髪もアップにしてるんだけど・・プライベートのシーンでは髪を下ろし、アパート内では(一時的ながら)下着姿で歩き回って下すったりも☆
ちょっと体型がモデルさんとは明らかに違うんだけど、、そこにこそ親近感を覚えてしまう(=^_^=) また、ドイツ女性がみなそうなのかは分かんないが、ブラを着用してないらしく“nipple”の形状がうっすらと(衣服の上からも)判別出来る服装などには、油断してたが故に、妙な興奮を感じてしまったりもした(←危な〜い)

性格的に“お堅い”マーサに、更に頑固で(幼さ故に)無軌道なリナが絡み、そこに陽気なイタリア男(マリオ)が絡んで来る。脚本がマズいと、物語全体が「崩壊」や「暴走」を始める危険があるんだが、そこを巧く「飽きさせず」「疲れさせず」終盤まで観客を導いて行く演出に好感を覚えた。

どうしても「サム」と「マリオ」のキャラがヒロイン(マーサ)を巡り“カブって”しまうためか、途中から一方がほぼ“退場処分”となってしまうのだけは、観ててちと悲しくなったか。
も少し“フェードアウト”のやり方(持って行き方)に工夫が欲しかったと思う。

(本来は口べたな設定(?)である)マーサのセリフの中で、心に特に残ったのは次の2ツだった。“むき出しの感情”が思わず口をついて放たれたようで素晴らしい。

マーサ「遅刻はワタシのせいにしなさい」

マーサ「二度と家出しないで・・どれだけあなたを心配したか・・」

その他、“一夜”を経ての朝、(食卓のシーンで)マーサの髪を一瞬優しくなでる“彼”の仕草がイイなぁ、と感じた。

なお、終盤においてマーサがいきなり「これは違う・・」ってなセリフを放ってくれ、ついドッキリさせられてしまった。「ナニがどう違うのか?」・・としばらく気を揉まされてしまうワタシなのだった(=^_^=)>

「一見“苦手な人間”との付き合いも、ひょっとしたらこの自分を育ててくれるのかも知れない。
 そして、自分の眼から鱗を落としてくれるのかも知れない」

そんな少しばかりの希望を与えてくれる佳作である。

〜 こんなセリフもありました 〜

マーサ「腕前の差は、シンプルな料理にこそ出る」
   「生き物にとって釜ゆでほど惨い殺され方はない。何故なら、苦しみが長引くからだ」
   「1つの厨房に2人のシェフ・・それは1台のクルマを2人で(同時に)運転するのと同じようにムリがある」
   「・・! トリュフは棄てちゃダメ!」←高級食材でっせ(⌒〜⌒ι)

マリオ「舌が満ち足りていないと、決していい料理は作れないのさ」
   「(君に)嫌われながら、ここで働く気はない。僕が目障りなら遠慮なく言ってくれ、すぐに辞めるから」
   「言っとくが・・“ニョッキ”は簡単な料理じゃないぞ」

※※※※※「参ったな、使った砂糖の種類まで、君には分かるのかい?」
マーサ「まさか。でも砂糖を使ったかそうでないかぐらいは分かるわ」

リナ「遅いね」
マーサ「“彼”は遅刻魔なの」
リナ「男って・・最低」

追記1:マルティナさん、その後『素粒子(2006)』と『善き人のためのソナタ(2006)』に出演されているそうである。すっかり好きになってしまったので(=^_^=)、機会があれば、それらの作品も前向きに鑑賞してみたい☆
追記2:本作の主人公の名「マーサ」は“Martha”と表記するのが正しい。間違っても「MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)」ではありませぇん(×_×)

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コメント

こんばんは。
今作もやはり観ることなく早々に眼って終わってしまったのですが、TiM3さんのレヴューを読ませていただいて楽しませて頂きました。

>時としてコレがモノ凄い“雑音”と化す場合がある)、

仰る通りですね。
パッと思い付いたのは、『2046』でキムタク氏が一人の女性を思い続けて報われない愛に生きた男性を演じていた、あれです。キムタク氏が今にも「・・・ざけんなよぉ」と言いそうで、どーにもこーにも違和感の嵐でした。
あっ、これって‘雑音’以上の問題ですね、失礼。

>一方がほぼ“退場処分”となってしまう
>も少し“フェードアウト”のやり方に工夫が

この部分の御感想を共有したい為だけにも??、今作を観てみたい気はします。^^;

>マルティナさん、その後『素粒子(2006)』と『善き人のためのソナタ(2006)』に出演

マーサとしてのマルティナさんは結構ストリクトな感じがしますので、『素粒子』のマルティナさんはそれから比すとかなり大胆で凄いです。その違いも是非お楽しみください。

投稿: ぺろんぱ | 2007年9月13日 (木) 21時23分

ぺろんぱさん、ばんはです。

残業に苦しめられつつ、今週は何とか「毎日1本(←牛乳みたいやね)」の順調なペースで
映画を楽しむことが出来ました(・ω・) ←尤も総て自宅鑑賞だけど。。

>TiM3さんのレヴューを読ませていただいて楽しませて頂きました。

ネタバレさせぬよう、配慮しております(⌒〜⌒ι)
何となく全体的に彷彿とさせたのは『コーリャ/愛のプラハ(1996)』だったりしました。
いや、シチュエーションの片鱗だけで、実際には似ても似つかないんですが(=^_^=)

>パッと思い付いたのは、『2046』でキムタク氏が一人の女性を思い続けて報われない愛に生きた男性を演じていた、あれです。

ウォン・河合さんの近作でしたかね。
今でもクリストファー・ドイル氏とタッグを組んでるのかな?
『恋する惑星(1994)』『楽園の瑕(1994)』『天使の涙(1995)』の頃からこっち、作品をフォロー出来てないっすぅ。

>『素粒子』のマルティナさんはそれから比すとかなり大胆で凄いです。その違いも是非お楽しみください。

必然性のある出演&演技であることを祈りつつ・・(⌒〜⌒ι)

投稿: TiM3 | 2007年9月13日 (木) 23時19分

『マーサ・・』は衛星放送されていたんですね^^
思いっきり見逃してしまいました(くやしい!(笑))

私が観たのは3年ほど前のWOWOW放送だったので
台詞は完全に忘れてしまいました。

でもこうして拝読させてもらうと
リメイク版の台詞と同じでびっくりしました。
(リメイク版はオリジナルに忠実だったことが理解できます)

『マーサ・・』主演のマルティナ・ゲデックって
ほんとうに綺麗ですよねd(゚Д゚*)

もうすぐ公開のマット・デイモン主演『グッドシェパード』に
出演しているようです。
当然、あれから5年近くの歳月が流れているわけですから
この映画で探してみるのも楽しいかと思います(笑)

投稿: ituka | 2007年10月 6日 (土) 18時08分

itukaさん、ばんはです。

とんちんかんちんなコメントを貴ブログに書いてしまいソリ〜大臣(←意味不明)です。。すぐ気づいてフォローしたから、何卒お赦しを・・(⌒〜⌒ι)

>『マーサ・・』は衛星放送されていたんですね^^
>思いっきり見逃してしまいました(くやしい!(笑))

普遍性のある佳作なので、またきっと放送されますよ。
リメークもされたし(⌒〜⌒ι)
いつかは「2夜連続」で・・

>リメイク版の台詞と同じでびっくりしました。
>(リメイク版はオリジナルに忠実だったことが理解できます)

そうですか・・では、劇中でゼタさんのお下着姿も拝見出来たのでせぅか(・ω・)ゴクリ・・

>『マーサ・・』主演のマルティナ・ゲデックって
>ほんとうに綺麗ですよねd(゚Д゚*)

体型が一般女性ぽくて、そこがまた何とも魅力的です。
ホントはもっとモデル体型なのを、あの作品向けに“改造”したんだったりして・・(⌒〜⌒ι)

>もうすぐ公開のマット・デイモン主演『グッドシェパード』
>に出演しているようです。

おおっ!
「マット・デイモンと共演した俳優はみなブレイクする」ちぅ法則をワタシの中に持ってるので(=^_^=)楽しみですわ。
ジュード・ロゥ、フランカ・ポテンテ、クライヴ・オーウェンに続くのは君だぁ!(=^_^=)

投稿: TiM3 | 2007年10月 6日 (土) 23時50分

マルティケさん出演の『善き人のためのソナタ』のリメイク版も製作されるようです。
因みにT・マグワイアとJ・ギレンホールが兄弟役だそうです。

これを念願の競演と思うのは私だけですかね(笑)
妙に照れくさいという感覚が・・・

こうなったら、A・ジャッドとセロンの姉妹役も見たくなりますd(゚Д゚*)

投稿: ituka | 2007年10月 8日 (月) 11時44分

>マルティケさん出演の『善き人のためのソナタ』のリメイク版も
>製作されるようです。

はやっ! しかし何で外国映画ばっかりに目が行くんでしょうね。
(例えば)MGM時代の旧作の中にも、素晴らしい作品がいっぱいあるのに(・ω・)
(巧くリメイク出来ないと言うなら、それは作り手の言い訳と思う)

>因みにT・マグワイアとJ・ギレンホールが兄弟役だそうです。

何かハリソン氏とリーアム兄さん(或いはラッセル・クロゥとディヴィッド・モースとか)の共演みたいでややこしいっすね。。
似た者同士が共演せねばならぬ大きな理由でもあるのかな?

>こうなったら、A・ジャッドとセロンの姉妹役も見たくなりますd(゚Д゚*)

最近ではキャメロン・ディアスとエレン・バーキンの姉妹役とか。。
何かご尊顔のパーツ関係が似てませんか?(・ω・)

投稿: TiM3 | 2007年10月 8日 (月) 22時47分

チェックしていていなくてすみませんでした。
TiM3さんの書かれているように、こちらの原作の方も良いようですね。

ハリウッド版のCZジョーンズと違った意味で、マルティナ・ゲデックは魅力的な人ですね。

投稿: west32@ハリウッド版を見て | 2007年10月19日 (金) 20時56分

ばんはですん。

風邪気味です・・心の(⌒〜⌒ι)

>ハリウッド版のCZジョーンズと違った意味で、
>マルティナ・ゲデックは魅力的な人ですね。

ナイフでテーブルに肉をぐっさり突き立てる迫力ばかりは、ゼタ・ジョーンズの圧勝かも、ですね☆

マイコー・ダグラスが青くなってぶるぶる震えるシーンなんかも。。

投稿: TiM3 | 2007年10月21日 (日) 23時33分

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