« ☆『フライト・オヴ・フェニックス(2004)』☆ | トップページ | ☆『スコーピオン・キング(2002)』☆ »

2007年8月11日 (土)

☆『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(1995)』☆

5日(日曜)夜。衛星第2で連夜(5日〜12日)、特集の組まれている「アニメギガ・スペシャル/とことん!押井守」の第1夜を飾った作品『攻殻機動隊』を観た。
「明朝、また1週間の勤務が始まるしなぁ・・」とか「結局、カントクの独りよがり的難解世界に付き合わされてとことん!疲れるだけやろなぁ・・」とかネガティヴな妄想ばかりが脳内に渦巻いてしまったものだが、いざ観始めると、見事にハマってしまった(・ω・)>

冒頭で「企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても、国家や民族が消えてなくなるほど情報化されていない近未来」とテロップ解説される、2030年ごろの「アジアの一画にある企業集合体国家」を舞台とし描かれる「電脳(サイバー)犯罪」を巡る攻防の物語。
どうやら、具体的に説明されてはいないものの、近未来の日本の姿(やや無国籍風)が映像化されているようだ。

正体不明の国家的電脳テロリスト“人形使い”と、それを追う公安9課(俗称:攻殻機動隊)の面々。この辺りのエッセンスのみをまとめると、どうにも複雑怪奇で、アクション性に乏しく、男だらけの無骨なドラマ世界が連想されるモノだが・・主人公である隊長役が女性キャラ=草薙素子(くさなぎもとこ)少佐と言うこともあり、意外に「小集団によるスマートでテンポの良い脚色&展開」に仕上がっている。

改めて観返すと、予想以上にその進行が早く、中盤を過ぎてすぐに「最後のバトルフィールド(←過去のプレイステーション用ゲームソフト『メタルギア・ソリッド(1998)』のラストに酷似したバトル空間だった・・ま、こっちが影響されたのかも知れないけど)」にハナシが移るような印象だった。

今回、微笑ましく思えたのは、素子隊長=“少佐”と彼女を補佐する巨漢の隊員・バトーのやり取り。
一見、ドラマの(スピーディーな)進行のテンポを下げるような“ダレ場”に思えたダイビングのシーンなど・・まさに2人が「支え合い、好き合っている」そんな風にしみじみ実感出来た。
劇中では「復活(再生、修復)可能な義体(サイボーグ)兵器」なる立場を最大限に踏まえてのことか、突出して“少佐”の危険任務が多いのである。アジト突入、要人暗殺、凶悪犯逮捕など・・。
で、彼女が任務ごとに「光学迷彩」なる特殊技術で全身を透明化させる訳だが、この時に決まって“ヌード”となるのである。
作戦完了時、現場に駆け付けたバトーが“少佐”の背後からコートなんかを着せてやる行為に「優しくていいヤツなんだなぁ」と思わされた。
何故って、それは義体である彼女を「人間」と捉えているが故の“自然な気遣いの行為”に他ならないから。

また、余暇のダイビングを終えた“少佐”がボート上でスーツを脱いで着替える姿(裸の背中)を眼にしたバトーは「バツ悪そう」に背中を向けたりもする。コレだって、眺める方も、眺められる方も、極端に言えば「人間」ではない、とも言えるのに。

終盤で、それまで素子を「少佐」と呼んでいたバトーが、彼女の名前を叫ぶシーンも良い。
あそこで全編を通じ、唯一バトーが垣間見せた「油断による恋心の露呈」を描きたいがため、押井カントクは本作を映像化する決意をしたんではないか、などと邪推もしてみたり(・ω・)

ってことで、今回は犯罪シーンやアクション(バイオレンス描写含む)の数々より、素子&バトーの“秘めたるラブシーンの数々”を「エエなぁ〜」「エエなぁ〜」とうっとり眺めてしまったワタシなのである(・ω・)

〜 こんなことに気付いたりも 〜

■義体は「チタン製」らしい。で、素子の(ボディの)バスト部分は、ラインに沿う形でチタンフレームが構成されていた・・即ち、、“少佐のバストは硬い”と推測出来そうだ。。
■“少佐”が高所から飛び降りるシーンでは、着地時に地面が大きく凹んだり割れたりする。。めちゃ重いんや・・
■義体の後頸部にはプラグ穴が4ヶ。『マトリックス(1999)』では1ヶでしたな(・ω・)
■マーケットで乱射したり、大暴れする犯罪者。そんな彼が「28歳」と知りびっくり! ・・もっと老けてると思ってたぞ(・ω・)
■バトーの放つ「世論が納得するなら・・」なるセリフに「世論まではまだ支配されてない時代なんや」と妙な安心感を覚えた。
■「光学迷彩」は体温(の感知)までも抑えられるのか? ちょっとムリがあるように感じた。
■“少佐”の「最も人間らしい動作」は・・冒頭における「目やにを拭う」アレ。つまりは「分泌機能がある」ってことやね! すごい!
■本作における「生身の人間」とは・・「赤い血の流れてる、ゴースト(自我、自意識)を有するヤツ」と定義出来そうだ。
■中盤の(風景)イメージ映像(←ここでの一連のシーンは素晴らしい!)で、橋の上に“イノセンス犬”を視認した☆
■バトーのセリフ「良心的な運ちゃんから「人をはねちまった」って通報が入ったのさ」より、未来社会では「当事者からの事件通報の珍しい時代」に突入してることがうかがえた(⌒〜⌒ι)
■オペレータの女の子。とても可愛いけど・・義体だったみたい(×_×)
■“少佐”の衝撃セリフ(?)「生理中だからよ」は、やっぱりサイボーグならではの「頑張って放った、お硬いギャグ」なんやろか(・ω・)
■“人形使い”のセリフ「君と、融合したい・・」にズキュ〜ンとハートを射抜かれてしまった(・ω・) とってもエロチックなセリフでおますなぁ・・

〜 こんな思想/理論もありました 〜

・集団の、特殊化・機能化・画一化の果てには「緩やかな死」があるのみ
・「自分」とは、或いは形成された“模擬人格”に過ぎないのでは?
・DNAもまた、自己保存のためのプログラムに過ぎない
・医学は未だに“生命”を定義出来ないでいる
・コピーでは“個性”や“多様性”が存在し得ない

|

« ☆『フライト・オヴ・フェニックス(2004)』☆ | トップページ | ☆『スコーピオン・キング(2002)』☆ »

コメント

ラストでバトーが漏らしたセリフ
「ここにいたけりゃ、いつまでいてもいい」もまた、
「“言わぬが花”ながらも、やはり言わずにいられない」そんな弱い気持ちがにじみ出てる気がして・・ココロに残りそうである。

恐らくは間違いなく・・『攻殻機動隊』は、「オトナの男と女による恋物語」と言う一面も強く有している作品なんだと思う。

投稿: TiM3 | 2007年8月12日 (日) 00時40分

私、放映を全く知りませんでした。
あきませんねぇ・・・そんなんじゃ。

リアルタイムでは無理にしても録画取りはできたであろうものを・・・。

そのうちT○○T○○Aにでも行きます。

投稿: ぺろんぱ | 2007年8月12日 (日) 18時32分

ぺろんぱさん、ばんはです。

>私、放映を全く知りませんでした。
>あきませんねぇ・・・そんなんじゃ。

「気分」とか「運」とか「縁」とかありますし、ね。
観れる時が来れば、きっと観れることでしょう(=^_^=)

ワタシも結局、昨夜(?)放送された『イノセンス』は前半30分でギブアップしてしまいました。
「朝まで付き合ったるで〜」な気持ちより「頼むぅ眠らせてくれぇ〜」な気持ちが打ち勝ってしまったもので(⌒〜⌒ι)

>そのうちT○○T○○Aにでも行きます。

そのうちはどのうちやら・・

あ、ちょっと今ダークサイドなことを言ってしまいました。。
許してたもれm(_ _)m

投稿: TiM3 | 2007年8月13日 (月) 00時17分

私って実は負けず嫌いだったのか?と思ったりしたのですが、実は昨日最寄りのツタヤに行って今作を探しました!・・・しかし在りませんでした(T_T)。で、今度は少し遠いところのもう一軒のツタヤに行ってみようと思います(^^)。
『フラジョニ』の時は「めでたしめでたし」でブログに上げず仕舞いでしたが、『攻殻・・・』は観る事ができれば頑張って記してみたいと思います。(難解すぎて私には無理かも??)

投稿: ぺろんぱ | 2007年8月16日 (木) 09時18分

ぺろんぱさん、ばんはです。

ありゃりゃ・・『フラジョニ』はイマイチ執筆意欲に直結しませんでしたか・・(×_×)
もしかして・・あの“バンダナルック”がお気に召さなかったとか(⌒〜⌒ι)

私的にはまた是非鑑賞したい作品の1つではありますね☆

『シー・オヴ・ラヴ』やら『セント・オヴ・ウーマン』とか、また観直したいなぁ・・むぅ〜ん。

あんなアクの強いおぢさんに、ワタシハナリタイ(・ω・)

投稿: TiM3 | 2007年8月16日 (木) 23時50分

いきなりすみません

あのオペレータの姉ちゃんは確かサイボーグではなく
ロボットであったと記憶しています

傍にいる人がそこにゴーストを感じてしまえば
上の「ロボット」という語そのものに語弊が生じてしまうというのが攻殻ワールドですが^^;

メタルギア中のオマージュ(?)はなかなか興味深いですね!
どちらも生物の種としての人間存在を問うている作品ですし...

原作では
素子は戦闘服で光学迷彩を使用していました
押井監督のメッセージなのでしょうか

投稿: nekonebosuke | 2008年1月12日 (土) 18時35分

nekonebosukeさん、こんばんはです。初めまして。

>いきなりすみません

いやいや、門はいつも開け放しております(=^_^=)

>あのオペレータの姉ちゃんは確かサイボーグではなく
>ロボットであったと記憶しています

えー、そうなんですか。あの博士(同様に、タイピング時に
指先が細分化するしと)もロボットなんですかね。。

>傍にいる人がそこにゴーストを感じてしまえば
>上の「ロボット」という語そのものに語弊が生じてしまう
>というのが攻殻ワールドですが^^;

「人間を助ける」と言う定義より「ゴーストを有する」と言う方が
優先されちゃうとは・・とほほ。。

>メタルギア中のオマージュ(?)はなかなか興味深いですね!
>どちらも生物の種としての人間存在を問うている作品ですし...

心を有しない戦士ほど、戦場で冷酷に活動出来ますからね。
そうなると、ワタシは戦闘要員失格なのでしょう(×_×)

>素子は戦闘服で光学迷彩を使用していました
>押井監督のメッセージなのでしょうか

ネットでは「ヌードに見えるが、あれは透明に近い素材のスーツ」
ってな説もありましたね。

戦闘シーンを省いた「恋愛会話劇」としての2人を
観てみたい気もします。
(それが成立し得る世界観&キャラクターだと評価してますので)

投稿: 管理人(TiM3) | 2008年1月13日 (日) 00時40分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ☆『フライト・オヴ・フェニックス(2004)』☆ | トップページ | ☆『スコーピオン・キング(2002)』☆ »