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2007年8月15日 (水)

☆『タイフーン(2005)』☆

12日(日曜)夜の鑑賞。「日曜洋画劇場」で地上波初登場とし放送されたモノを観た。チャン・ドンゴン主演による、政治系海洋アクション映画(でエエのかな?)である。
1983年に家族らと共に北朝鮮からの亡命を試みるも、韓国政府に受け入れを拒否され、そのまま“脱北”し姿をくらませた少年がいた。彼、チェ・ミョンシンは「シン」と名乗り、海賊集団を率いて東シナ海を中心に略奪行為を続けている。
家族を銃殺され、一番の理解者であった姉、チェ・ミョンジュとも生き別れてしまったシン(チャン)。今や狂気の野獣と化した彼は「亡命者を黙殺した韓国政府への復讐」に燃える。その手段とし、彼は「高レベル核廃棄物」を数10トン単位で入手、それを加工し韓国内に持ち込む計画の実行に着手する。
一方でアメリカ(=国防情報局)が事態を察知、動き出すことを懸念した韓国・国家情報院は海軍将校、カン・セジョン大尉にシンの計画を阻止することを命ずる。シンの姉がロシア・ウスリスクで娼婦をしていることを突き止めたカンは、彼女に協力を要請し、シンをおびき出す作戦に出るが・・ってな展開。

少し前に観た『PROMiSE(2005)』では、何ともふざけたアクション(4つん這いで超高速疾走・・)を披露し、我々に失笑をもたらしてくれたチャンだったが、同年に主演した本作では、悲しみをたたえた表情に、かなりの好感を持った。
中でも、彼と姉が20年ぶりに再会するシーンでは・・涙を浮かべ、唇を震わせるその演技に、ついウルウルと来てしまった。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997)』の“あの抱擁シーン”も素晴らしいが、本作のこの場面もまた、今まで観た韓流映画の中で、一番ワタシのココロに突き刺さるモノがあったと思う(あんまり韓流系を観てないのはあるが(・ω・))

反面、チャンの存在感が圧倒的過ぎて、彼に対峙すべきカン役の男優さんの容貌やパワーがちぃと弱いように思えた。「堅物の軍人」としてのキャラ造形はほぼ完璧だったんだが、もう少し何処かにパンチが欲しかったトコだ。

ちょっと笑えたのは「自在に韓国へ密入国を繰り返すことが出来る」と説明されるシンの手口が「コンテナに隠れること」と解説されてたセリフだろうか。。ここは是非「おい、もっとスマートかつ奇想天外なやり方とちゃうんかい!」と優しくツッコんであげたいトコロだ。
そもそもが、亡命家族を拒絶した韓国政府のお偉方にも確かに問題(責任)があるんだけど、もっと直接的にぶっ殺すべきは「国境で待ち伏せ、銃撃を浴びせた北朝鮮側の局員たちやろ!」とふと思うのだ。そっちの方が復讐としても手軽かつピンポイント的に済んだように思うんだがどうなんやろ(・ω・)

中盤からは「タイフーン」と名付けられたタンカー(?)に仲間と乗り込み、“海上を吹き荒れる2つの台風”の暴風圏内で、いよいよ計画を実行に移すシンと、それを阻止すべく少数精鋭の部隊を率いて船に乗り込むカンらの銃撃戦が繰り広げられる。
海賊退治、と言えばやはり真っ先に連想しちゃうのが『プロジェクトA(1984)』であるが、本作の場合はもっとシリアスな色合いが濃かった。邦画で言えば『亡国のイージス(2005)』に何処となくシチュエーションが似てたかも知んない(・ω・)

核廃棄物をヘリウムを用いて※※に送り込む作戦は・・つい『ツイスター(1996)』に登場する“ドロシー”なる観測装置を彷彿とさせてくれた。なお、時限装置搭載で、床から跳ね上がり空中で爆発する手榴弾は『イレイザー(1996)』に出て来る兵器のノリだったろうか。

全体的にアクションシーンの弱い感じがしたが、脚本の組立が異常に巧妙で、ラストに「一番のポイントとなるシーン」を持って来るトコロなどは「予想出来るとは言え、巧いよなぁ〜」と感心させられてしまったものだ。
韓国映画史上でも稀にみる「巨額」を投入し(←150億ウォンとか言われてる)製作されたと言われる本作・・普遍的な完成度の高さ、と言うべきモノは感じられなかったものの、邦画アクションを完全に圧倒するだけのパワーには満ち溢れていたように思った。

〜 こんなセリフもありました 〜

シン「同志、飢えに耐え切れず・・人肉を喰ったことがあるかい?」
  「この世こそ地獄だろ?」

姉「あの世に行ってからも、このご恩は絶対に忘れません」

カン「お前が不幸なのは知ってる、だからと言って、他人まで不幸にしていい訳がない」
  「本当は眠ってなんかいなかったのに、何故(亡くなった)あの日、
   枕元に佇んでいた父さんに「行ってらっしゃい」と言えなかったのか
   ・・それが今でも悔やまれてなりません」←母への遺言より

上司「大事を成すには、犠牲が付きものだ」

カン・ジサン中佐「例え国家が動揺しようとも、軍人たる者、決して臆することなかれ」←カンの亡き父

韓国大統領「我が国の若者は、我が国が守る」

カン「生きて、真実を話すんだ」
シン「何を、誰に話せって言うんだ!」

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