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2007年1月12日 (金)

☆『アリ(2001)』☆

映画メモがすっかり溜まって来てる。。折角、鑑賞しつつ取ってるものなので、使わぬまま棄てるのもしのびなく(・ω・)
短くまとめ、何とか日の目を見せてやりたい。
鑑賞日が異常に古いのも混ざって来ると思われますが、ご勘弁のほどを・・

12月29日(木曜)。録画しといて久しい、スポーツドキュメンタリー映画(?)『アリ』を観た。監督マイケル・マン+主演ウィル・スミスによる生真面目で長尺な実録映画である。
この監督の作品ってば「硬派」で「骨太」で「出演俳優がやたら豪華」なのが大きな特長なんだが・・何と言うか「こってりしてるだけで華がない」「俳優の輝きが消されがち」「とにかく長い」と言う“負の1面”もまたあるのかも、と感じたり。
『ヒート(1995)』ではロバート・デ・ニーロ+アル・パチーノ+ジョン・ヴォイト+ヴァル・キルマー+ナタリー・ポートマン、
『コラテラル(2004)』ではトム・クルーズ+ジェイダ・ピンケット・スミス(←実生活ではウィルスミの奥さん!)+ジェイミー・フォックス、
『インサイダー(1999)』ではアル・パチーノ+ラッセル・クロゥ、
とそれぞれもの凄いアクターが集まってるんだが、余りそれぞれの個性が生かされず(むろん殺されてはいないが・・)、作品の全体像も(ワタシの記憶の中で)結構ぼやけてたり。もう一歩“パンチ”と言おうか“アクの強さ”の欲しい監督さんである。
本作も、ウィル“フレッシュ・プリンス”スミス(以下ウィルスミと表記)を筆頭に、ジェイミー・フォックス、ジョン・ヴォイト(←過剰なメイクのせいで終盤まで気づかなかった(=^_^=))、マリオ・ヴァン・ピーブルズ(←マルコムX役!)、ロン・シルバー(←『タイムコップ(1994)』ではヴァンダムに蹴られ、エラい目に・・)、ミケルティ・ウィリアムソン(←いわゆる“えび野郎:ベンジャミン・ブルー(1994)”)、ジェイダ・ピンケット・スミス、ノーナ・ゲイ・・など特にブラック系アクターの集結ぶりがすごい! 白人監督による作品と思えないほどの充実ぶりですなぁ。

私的に、カシアス・マーセラス・クレイなるボクサーがどんな流れで“モハメド・アリ”に改名したのか・・彼を取り巻く思想的な背景が全く分かっておらず、その意味ではためになる鑑賞だった。ブラックムスリム(教団)との微妙な関係、マルコムXや(プロモーター)ドン・キングとの交友、ベトナム戦争時の徴兵拒否によるライセンス剥奪問題、3度に渡る結婚など・・ボクサーと言う“本業”以外での様々なスキャンダルにまみれて生きた、そんな男であり、その強烈な“光と闇に縁取られた個性”故にアメリカの歴史に名を残す人物となり得たように感じた次第。

が、ボクシングのシーンが意外に少なめだったのが個人的には不満だったか。4つの試合(←確か)が描かれるが、楽しみにしてた“蝶のように舞い、蜂のように刺す”ファイトスタイルがそれほど展開されなかったのはどうにも(・ω・) ザイールのキンシャサで行われたジョージ・フォアマンとの“奇跡の一戦”でも、総括的には防戦一方と言う感じで、足(フットワーク)も使われず、期待してた「鮮やかな復活劇」とはとても言えぬ試合運びだったのである。

公開当時、ウィルスミが「徹底的に鍛え上げたから、プロのヘビー級ボクサー相手にだって1ラウンドは闘えるんじゃないかと思ってる」と豪語(?)していたが、ファイトシーンのカメラワークは流石に秀逸。盛り上がった重量級の筋肉に極限まで接近し、時にロープをまたぐカメラ・・その臨場感は素晴らしい。

報道陣を前にしては攻撃的に捲し立てるアリであるが、マスコミ不在の場では極めて寡黙なのが印象深い。試合前にチャンプのジョー・フレイジャーとじかに会い、ファイトの約束を取り付けるシーンも良かった。

ジョー「俺はこの拳で勝ち、タイトルも手にした。あとは得るより失うだけだ」
アリ「だが、あんたのそのタイトルはまだ本物じゃないだろ?」
ジョー「ところで、懐は大丈夫か? 当座の助けは?」
アリ「いや、大丈夫だ」

プライベートでは「至って寡黙」な2人の、短いやり取りの中に「誠実さ」「親愛の情」が伝わって来る、良い場面だと感じた。

〜 アリの吠えゼリフ集 〜

「チャンプに教えてやるさ。話し方、闘い方、倒れ方までもな」
「俺は22歳の若さだ。見ろ、かすり傷1つない。俺は偉大だ、最高だ」
「試合にはかなり早めに来なきゃな、でないと相手がノビてる」
「ハッタリ男は5回でバッタリ、減らず口は4回で閉じさす」
「俺は偶像でなく“民衆のチャンプ”となる、俺の望むままの」
「喜べ、俺は最高だ。ここにいるのが俺でなきゃ君は場が持たない」 ←キャスター相手に
「俺はベトコンとケンカなんかしない。彼らも俺をニガー呼ばわりしないから」
「忌避も国に挑戦もしない、カナダにも逃げない、投獄したけりゃしろ。400年も牢獄にいた、4,5年なんか平気さ。だが人を殺しに1万6000キロの旅は断る、むしろこの国の圧政と闘って死ぬさ。死ぬ時は君らが敵だ、中国人でもベトコンでも日本人でもない、君らは自由と正義を求める俺の敵だ、平等の敵だ、戦地に送る敵だ。君らは俺の権利と信仰を応援しない、この米国においてさえ」
「お前の一族を集めろ、みんなの見てる前でお前を叩きつぶす」
「俺の動きが速すぎてヤツには見えない。俺は目にも留まらぬ早さで優雅に動き回るのさ」
「べガスでなら誰だって試合出来る、ここアフリカですることに意味がある」
「俺の信仰は神の眼には落第だろうね」

(恋人と)
ソンジー「ビートルズに会ったの?」
アリ「ああ、眼鏡のヤツはイカしてた。(俺はヤツに)こんなに熱狂するのか? と聞いた」
ソンジー「彼、なんて?」
アリ「自分であろうとするほど、ファンは(俺を)偶像化する、と」

(会見の場)
記者「彼(フォアマン)はあなたよりずっと若いですが」
アリ「俺はそういうあんたよりずっと若い、まだ32歳で絶好調だ」

(会見の場)
ハワード「失礼ながら、もう君に10年前の強さはないと皆、思ってる」
アリ「そう言う君の奥さんはこう言ってたぞ。あの人、もう2年前ほど強くないわ! って」

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