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2006年12月 1日 (金)

☆『硫黄島からの手紙』☆

30日(木曜)。仕事の後、大阪市内・某所で開催された試写会に出かけた。クリント・イーストウッド監督による最新映画「硫黄島2部作」の完結篇(?)『硫黄島からの手紙』である。一般の劇場公開は12月9日からであり、その時にはきっと観に行こう・・と考えていたが、運良く事前に鑑賞することが叶った☆
太平洋戦争末期、小笠原諸島の硫黄島(IWO-JIMA)に於いて米国海兵隊と旧日本軍が激戦を展開した(1945年2月18日開戦、同年3月22日終結)。
その戦いを(戦勝国)米側の視点で描いたのが第1部『父親たちの星条旗』であったが、本作では(敗戦国)日本側から硫黄島を見たシチュエーションとなっている。

ワタシとしては、とにかく主演の渡辺謙。ブレイクするブレイクすると言われつつ・・なかなか『ラストサムライ(2003)』以降、そないに“ハリウッドで弾けてない”気がするもんで(と言いつつワタシは『SAYURI(2005)』は未見なんで『バットマン・ビギンズ(2005)』における彼の起用のされ方しか評価出来ないんだが・・)「そろそろここらで決めてくれよ!」と半ば念じながら観たものだが・・うーん、まだしばらくは「助走期間」って感じか。

とにかく。「地に足が着き過ぎ」と言おうか・・ホントに地味に、淡々と描かれた戦争映画だった。
第1部と比べても「(舞台が)明るい⇒暗い」「(作風が)華やか⇒地味」「(世界が)広い⇒狭い」「(CGが)派手⇒控え目」とホントに“陽と陰”、正反対の印象を受けたものだ。前作と並べると、どうにもスケールダウンしたような、作品としての勢いに欠けるような、そんな歯痒さを覚えもしたものだが、逆に言えば「それでこそ等身大の戦争映画や!」と言える訳なのだろう。「派手さをつい求めてしまう」自身をここらで猛省せねば。

にしても。この第2部、登場する台詞のほぼ全てが日本語(字幕担当:戸田奈津子女史だが、今回は「ラクしたね☆」って感じだ(=^_^=))だし、どう観ても「米兵側=悪」に描いてる印象なので、きっと本国(アメリカ)では評判が悪いんじゃないかな〜と思う。かつ、もはや「アメリカナイズされちゃった」日本でも、あんまし評判は良くないんかも(・ω・) ←今の若い連中がキライそうな作品ではある・・

さて。登場キャラをまとめて振り返ってみると「あっけなく&カッコ良く、死んでいくヤツ」「しぶとく&無様に、生き延びるヤツ」の2者に大きくその運命が分かれてたように思う。意外な印象では中村獅童くん。途中からちと物語本筋から脱線してゐる感じでした。。
栗林陸軍中将(若き日のニックネーム:クリ大尉☆)を演じた渡辺謙は、全体的な印象(家族想い、英語を話す、最後に突撃を選ぶ・・など)がやはり『ラストサムライ』における「あのキャラ」の域を脱せてなかったような。。
『青の炎(2003)』のラスト、蜷川幸雄監督ご自身が乗り移ったかのような重いモノローグを放ってくれてた(=^_^=)二宮和也くんが、本作では「戦争に批判的で、生存の可能性を模索」する性格(←実はそれこそが正常で健全な精神なんだが)の1兵卒を好演してくれたが、私的には何となく『グローリー(1989)』におけるデンゼル・ワシントンの演じた兵士に通じるキャラ設定を連想したか(天邪鬼系)。

まぁ、爽快感も笑いもなく(私的には)、怒りも涙も湧かなかったんだが、140分と言う長尺の作品の割に時計に目をやることは一度もなかったですな。
「日本人として絶対に観ろ!」・・とは思わないが、こんなに日本側に特化した視点のハリウッド作品を、ワタシは今日まで眼にしたことがなく(たぶん今後も少ないだろう)、そう言う観点で「やっぱりクリント・イーストウッドと言う人間はもの凄い!」と改めて感心させられたものである。

ほか、注目ポイントなど。

□本作では前作と異なり「英雄論」は一切展開されず。
□日米の「捕虜の扱い」を比べてみるのも興味深いかと。
□日本刀(軍刀)をゲットして喜ぶ若い米兵。やっぱし珍しいんやね(・ω・)
□前作で印象を残してた「突撃ラッパ」。意外にも全然重要アイテムじゃなかったッス(×_×)
□「天皇陛下、万歳!」と連呼する渡辺謙。やはり戦下における“狂気”を見事に瞳に漂わせてます。。
□「硫黄島協会」「愛國婦人会」などの(日本の)単語が印象的。犬は可哀想(・ω・)

〜 少し心に残った台詞 〜

米兵サムの母(故郷オクラホマからの手紙)「正義の意思を貫けば、やがてそれは本当の正義となるわ」

清水(加瀬亮)「犬が悪い訳じゃない」

西郷(二宮)「俺たちが掘ってるこいつは何だ? 墓穴か?」

栗林「ここはまだ※※か?」

※メモなし(記憶のみ)なので、台詞の一部が間違ってたらすんませーん(⌒〜⌒ι)

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