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2006年9月17日 (日)

☆『ユナイテッド93』☆

※この評は『シネバカ日誌/フリシボットル』にて公開されていた内容の再掲載です(サービス終了に伴い8月末で削除)。現在も劇場公開中であることから、内容を読み返した上(必要により一部修正の上)でもう一度載せることとしました。
これから鑑賞される際の参考となれば、と思います。

8月26日(土曜)、自室にこもり「溜まりまくってる」新聞関係をさばき切ったる!! と考えたものの、夕刻に車検あがりのクルマを引き取りに大阪市内まで行かなきゃならんこともあるし・・と考え、映画を観に行くことに。
一番観たかった作品は『スーパーマン・リターンズ』、次が『時をかける少女』だったが、結局観たのは“2001.9/11”を描いた映画の1本である『ユナイテッド93』となる。『ボーン・スプレマシー(2004)』(←未見・・)の監督であるポール・グリーングラスが描く、ハイジャック機内を舞台とした「極限の条件下で繰り広げられる人間ドラマ」。
因みに字幕担当は戸田奈津子氏(・ω・) お忙しいことで。。

「アラーフ・アクバル(神は偉大なり)」
朝。某ホテルの客室でサウジ男性がコーラン(イスラムの経典)を復誦するシーンから物語は幕を開ける。やがて他のメンバーがサウジ語で彼に呼びかける・・「時間だ」
そして異国人らはニュージャージー州・ニューアーク空港へと向かう、余りにも暴力的な「殉教」を決行するために。

「NY上空、異常なし」
テログループ(4人)に続き、乗務員、乗客が同空港の17番ゲートに集まる。サンフランシスコ行「ユナイテッド93便」に搭乗するために。予定では5時間25分後、彼らは無事に西海岸に下り立つ筈であった・・
管制センター(ハーンドン、ボストンなど)こそ「危機感」と言うアンテナを素早く立て、空域閉鎖の必要性にまで気を回すのだが、NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)やFAA(連邦航空局)など、本来テロ(当初の解釈は「同時多発ハイジャック」だったが)解決に向けてのスピーディーな決断が要される機関の「もたつき」が目立った。
結局軍部が動き出すのは「NY世界貿易センタービル/ノースタワー」「同ビル/サウスタワー」「国防総省」・・そして「93便」が墜落(ペンシルベニア州シャンクスビル郊外)してからのことである。全てが後手に回ってしまった、そんな印象が否めない。

以前に同じ日(9/11)を題材としたドキュメンタリー映画『華氏911(2004)』を観て、“そのとき、彼(合衆国大統領)がどこにいて、何をしていたか”を知ったワタシとしては、「ああ、ここでこういうことをしてて、大統領承認が遅れたんやなぁ」と複雑な気持ちにもなってしまった(とは言え、大統領決断が必要とされたのは「戦闘機によるハイジャック機の撃墜」なる指令だったのだが)。

マンハッタン上空でレーダー上から「アメリカン航空11便」の機影が消失、やがて民間TV局(CNN)が放送する、黒煙を吐く「ノースタワー」が映し出される。そして間もなく、ニューアーク管制センターのスタッフらは「サウスタワーに旅客機が激突する瞬間」をハドソン川の対岸に目撃する。
・国内便:全て最寄りの空港に着陸
・国際便:米空域に入らぬよう追い返す
とそれぞれの対処は決まるが、なかなかFAAの態度が煮え切らない。
「必要なのは行動だ!」「滑走路への進入許可をとれ! 相手(空港)の言いなりになるな!」「FAAなどクソ食らえだ! 無視しろ!」
各管制センターで苛立ちが高まる。

「取りかかろう」
正確な情報も届かぬまま離陸した「93便」の機内で、テログループがいよいよ行動を起こす。手製爆弾で乗客を脅し、操縦室を制圧したリーダーの男は操縦桿(?)に“標的の写真”を貼付ける。それこそは「合衆国議会議事堂(※実際には「ホワイトハウス」標的説もあり)」だった。首都ワシントンへの到達は約50分。やがて機内では乗客が団結し、テロ撃退に動き出す。
「待っていても助けは来ない、我々でやるしかない。武器になる物を集めて欲しい」
ナイフ、フォーク、熱湯、消火器・・CA(キャビン・アテンダント:客室乗務員)により集められた武器が密かに乗客の男たちに配られる。操縦室の確保のみに意識の殆どを注いでいたテログループにとり、乗客の団結&反撃は想定外の事態でもあった。
「爆弾を取り上げたぞ! やっぱり※※※※だ!」
キャビン内でテロリスト2名を倒す乗客ら、勢いづいてカート(台車)を何度もぶつけ、遂に操縦室の扉を打ち破る。
そして乗客の中には操縦の出来る者もいた!
テロリストのリーダーは覚悟を決め操縦桿を倒し、「93便」を急降下させる。
「操縦桿を確保したぞ! 上げろ!」
自分たちの手でテログループを制圧した男たちが勝鬨(かちどき)を上げる。
しかし既に、ほぼ垂直に墜落する操縦席の窓には、恐ろしい勢いで目前に迫る地表が映し出されていた・・

乗客らの言動のどこまでが真実なのかは分からない。ただ管制センターのスタッフなど、重要なキャラを演じる出演者の何人かに「本人(as Himself)」を起用、遺族にも「乗客本人から架かった“最後の通話”の内容」を徹底してリサーチしたと思われる、生々しくも真実を思わせる演出(台詞)が、総じて「慎重に、真面目に、制作された作品」と言う鑑賞後の余韻(決して悲しいだけではない印象)を与えてくれた。
「You call your people(これを使いなさい)」と、隣の座席の(面識なき)女性に自らの携帯電話を手渡す夫人。
「もし助かったら、この仕事は辞めるわ」仲間に自らの心境を吐露するCAの女性。
そして客席に飛び交う乗客らの“最後の電話”の声・・
「心から愛しているよ、さようなら」

追記1:恥ずかしながら、93便に邦人が1人搭乗していたことを初めて知った。当時早大生だった久下氏。改めてご冥福をお祈りしたい。
追記2:9/11に犠牲となった航空機については下記の通りである。
08:46墜落 アメリカン航空11便(ボストン⇒ロス) 乗客・乗員92人
09:03墜落 ユナイテッド航空175便(ボストン⇒ロス) 同65人
09:37墜落 アメリカン航空77便(ワシントン⇒ロス) 同64人
10:03墜落 ユナイテッド航空93便(ニューアーク⇒サンフランシスコ) 同45人(44人との報道もあり)
追記3:ウィキペディア(Wikipedia:Web上のフリー百科事典)の情報によれば、地表には時速580マイル(約930km/h)の猛スピートで激突したとのこと。
もう少し時間があれば・・もう少し・・と悔やまれてならない。私的には悲しみ以上に、痛恨の念の大きく膨らんだ作品である。

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