2014年9月 7日 (日)

☆『トランセンデンス』☆

先月、8月3日(日曜)の夜。ご近所のシネコン「MOViXあまがさき」にて“レイトショー”で観たのは、ジョニー・デップ主演(?)のSFサスペンス作『トランセンデンス』だった。

公開前には予告編をイヤと言うほど見せられ(?)、ナレーションを担当されたエンケン(遠藤憲一)さんの「・・トランセンデンス・・」っちぅタイトルのご発声に、妙に期待値を高められたモノだった(=^_^=) ←人違いだったらすんません(×_×)

しかしながら、だ。

本作をスペック面で(冷静に)眺めた場合、注意を払わなければならないのは「監督がクリストファー・ノーランでなく、ウォーリー・フィスター」って点だろう。

このフィスター氏と言えば、ノーラン監督とのタッグで『メメント(2000)』『インソムニア(2002)』『バットマン ビギンズ(2005)』『プレステージ(2006)』『ダークナイト(2008)』『インセプション(2010)』『ダークナイト ライジング(2012)』などの作品群で撮影を手がけており「映像を捉える事」に関しては確かにベテランなんだろうけど・・ 監督としては本作が“デビュー作”って事で「作品を総合的に捉える事」が出来はるのかどうか、多少は警戒しとくべきだった(⌒〜⌒ι)

カリフォルニア州バークレー。かつて繁栄を誇ったこの街は、荒廃した都市へとその姿を変えていた。
人々が食料(例:乳製品)を渇望し、家庭から電化製品(例:冷蔵庫)のなくなった世界。往年の“コンピュータ時代”を象徴する入力装置=キーボードは、今や「ストッパー」の代わりにドアの隙間に挟まれるだけのガラクタと化していた。

マックス・ウォーターズ博士(ポール・ベタニー)は、凋落した街を歩きながら、5年前を思い返していた。
“世界最高の頭脳”とし自他共に認められていたキャスター博士夫妻と一緒に、リバモア国立研究所で働いていたあの頃を・・

・・

最新の人工知能システムを搭載する量子プロセッサ「PiNN(ピン)」を研究開発した科学者=ウィル・キャスター(デップ)と妻エヴリン(レベッカ・ホール)は「感情や自我を持つ、自立した人工知能」を目指していた。
『EVOLVE THE FUTURE(未来に進化を)』をテーマに基調講演を行うウィル。しかし“UNPLUG(プラグを抜け)”を唱え、飛躍的に発展するテクノロジーに反発する過激派組織「RiFT(リフト)」は、各地の研究施設を爆破したりと、その活動を激化させていた。

演壇を降りたウィルは、直後「RiFT」のテロリストに銃撃される。キズ自体は致命傷に至るものではなかったが、弾丸に放射性物質(ポロニウム)が含まれていた事から中毒症に冒されてしまう。医師は「余命4〜5週間」と夫妻に宣告する。

間もなく病床に就いたウィルは「PiNN」に言語を覚えさせる作業を続け、エヴリンはそんな彼の頭脳(知能・記憶・意識)そのものをデータ化し、人工知能上にアップロードさせようと試みる。

こうして、ウィルの肉体は地上から姿を消し、その頭脳はサイバー空間に“再生”を遂げる事に。
ネットに接続する事で、世界中から情報を得た「PiNN(=ウィル)」は驚異的な進化を加速させ、人類を脅かす存在となって行く・・

「人工知能を巡る(空想ベースの)プロモーション映像」として観たら、それなりに好奇心をくすぐってくれる作品と言えるんだろうけど、、全体的に「学説・理論の具体的な映像再現にばかりこだわった」ような物語(脚本)となってしまっており、エンターテインメント性やサスペンス性に著しく欠いてた印象がある。

何となく連想したのは、ロバート・ゼメキス監督の『コンタクト(1997)』だろうか。あちらも「過激なテロ組織との攻防」「壮大な研究の具現化(=映像表現)」などを活写してくれてはいたんだが・・総じて面白くなかった(・ω・)
また、不器用な天才科学者とその妻との「ラヴストーリー」が作品の根底(?)に流れてる辺りには「ポール・ベタニー助演」の印象も手伝ってか『ビューティフル・マインド(2001)』を想起させられた。

その一方、ワタシが本作(の作品世界)にすんなり入って行けなかったのは「RiFT」の絡み方に因るトコが大きいように自己分析している。
序盤〜中盤にかけ「赦し難い残虐非道なテロ組織」にしか思えない(描かれてない)のに、後半〜終盤にかけ「真っ当な活動をしてる組織」とし肯定的に描かれ始めるのだ。その辺り、なかなか「彼らに対する気持ちの切替え」が出来ず、観ててスッキリしなかった次第。

また、ウィルが(表舞台から)姿を消して(?)以降、エヴリン&マックスが物語の舵を取り、そんな彼らの周囲を『バットマン組』のジョセフ(モーガン・フリーマン)、ドナルド・ブキャナン連邦捜査官(キリアン・マーフィー)がサポートするワケだが・・ そんな2人のキャラ造型&言動が中途半端&地味な仕上りで「登場してもしなくてもあんま関係ねぇし」ってな絡み具合だった。そこはホンマに残念である。

常に、ノーラン監督作に対し「暗く、地味で、面白くない」ちぅ印象を抱きがちなワタシなんだが、そう言った「悪い部分」が更に顕著に現れてたように感じざるを得なかった。
それってば、監督が悪いのか、脚本が悪いのか、製作総指揮(←ノーランじゃん)が悪いのか・・はワタシにはハッキリ分からないんだが、、「ジョニー・デップ主演作」とし捉えても「ワーストランキングで上位に喰い込む事に間違いない1本」と評せそうである(・ω・)

(因みに『シークレット・ウィンドゥ(2004)』『ツーリスト(2010)』『フロム・ヘル(2001)』なんかが上位に堂々の(?)ランクインを果たしている)

〜 こんなトコも 〜

・要人ともなれば「差入れのケーキにダイオキシンが混入してるかも」「撃たれた弾を通じ放射能汚染しちゃうかも」などと色々気にしなければならなくなりそうだ。
・某FBI捜査官が、大した活躍もしてなかった。ってか、キリアンさんはテロリスト役で出演された方が引き立ってた気もする(⌒〜⌒ι)
・エブリンの乗ってたクルマはレガシィワゴン(BG系)だった。
・PiNNと繋がったウィルの意識の中で、電脳世界の広がる様子が“セレブロ接続”を連想させる。
・世界と繋がり、ある種「神」に近付いて行く辺り、寺沢武一氏のコミック『MIDNIGHT EYE ゴクウ』の主人公(風林寺悟空)を思わせる。
・「RiFT」のアイドル的存在(?)ブリー・ネヴィンス(ケイト・マーラー)に関し、も少し魅力的なキャラ造型は出来なかったんか?
・地下にデータ・センターが建造され、地表に太陽光パネルの敷き詰められたブライトウッドの街って、何処にあるの?
・少なくとも、最新鋭の治療設備を備え、難病を無償(?)で治す行為については、もの凄く人類の役に立ってた気がするが・・ ←いわゆる“奇跡の村”状態(・ω・)
・モーガン、レベッカと共に並ぶと・・意外に背の低さの露呈したキリアンさん(×_×) ←公称ではさほど低いワケでもないんだけど、、
・体内に仕組まれた(?)ナノレベルのマシーン(ロボット)により、急速で細胞の修復と再生の行われる“ハイブリッド人間”が登場! 当初こそ「新時代のゾンビや!」と驚いたワタシだったが・・「怖さ」を全く感じさせないのが「その設定の限界」だった。
・データ・センター内に並ぶサーバ機に、カタカナで「コンピューティング」と書かれてるのが、何とも滑稽だった(×_×)
・『マイノリティ・リポート(2002)』に登場のアイリス・ハイネマン博士もそうだったが・・科学者って園芸(庭いじり)がお好きなんやろか?
・世界規模の混乱・崩壊が描かれるワケだが、実際には田舎町(ブライトウッド周辺)が映されたのみである。やはり、限られた視点(ロケーション)で世界全体を描くのにはムリがあるのかも・・
・ナノロボットに関するCG描写は『地球が静止する日(2008)』で既に観たような気がする。
・データ・センターを遠くに臨む建物の屋上(?)にロケーションが限定され、しばらく物語の進行するトコは『ランボー(1982)』とか『ドーン・オヴ・ザ・デッド(2004)』を連想した。
・オープニングのナビゲーション映像で「トランセンデンスの世界へようこそ」などと喋り始める、ナレーターの爆笑問題。いや、そんなナビゲーションパートなんて、要らないんだけど・・
・ジョニデ主演作品としても、ノーラン製作作品としてもイマイチ過ぎ。
・ヒロイン(レベッカ・ホール)も、テロ組織の少女(ブリー)にしても、魅力に欠けてる。
・レベッカさんはスカーレット・ヨハンソンを平凡にした感じにも見える。ケイト・マーラーはクレア・ディンズを平凡にした感じにも見える。で、どちらにも“華”がない(×_×)
・時間の経過が淡々としてる。
・世界規模のハナシが見えて来ず。
・いきなり崩壊しちゃう「奇跡の村」状態のラボ・・ 並んでたしとたちは何とも可愛そう(×_×)
・ウィルのみならず、マックスも中盤で拉致監禁され“不在”に・・(×_×)
・「トランセンデンス映画祭」なんてのを開催してはどやろ?
・ナノロボットの動力源や設定が適当だった気も?
・「全世界に向け発信する演出」が一切なかった。例えば大統領演説なんかが盛り込まれてれば、少しはリアルに仕上がった事だろう。
・国家(軍)やFBIやCIAの動きが良く分からんかった。
・「夫婦愛のドラマ」としても薄味だった。
・「地下5階にコンピュータ設置」ってのは何か“根拠”があっての事か?
・構想自体には「古いB級作のテイスト」も漂ってた本作。

〜 こんなセリフも 〜

マックス“以前とは全く違う”
    “人類と科学技術の対立・・それは必然”
    “かつて、ネットの登場で世界は狭くなってしまった。
     だが、ネットのない(今の)方が狭く感じる”
    “キャスター夫妻は才能の塊だった”
    「何故“彼”だと言える?」
    「あれは・・“彼”じゃない」
    「聞きたくないね」
    「“Y2K”以上の混乱になるぞ」
    「必要なのは“原始的”な装置だ」
    「ナノロボットは世界中に運ばれる」
    「いつ、彼が変わった? 変わったのは※だろ?」
    「あれは、最初から※※※じゃない」
    「人の感情は、非論理的で矛盾に満ちている
    「僕らは折り合えない」
    “ウィルスが総てを破壊したが
     きっと、意味があるはず”
    “あの事件もこの庭も、
     作ったのは、彼女の愛だった”

ウィル「銅は電磁波を遮断する」
   「ここは“聖域”だからね」
   「進化し始めてる感じだ」
   「愚かな支援者達は“商業利用”って
    言葉を聞きたいだけだろ?」
   「妻は“世の中を変えよう”と考えてますが、
    私は“世の中”ってものが分かっていません」
   「政府からは、口出しも資金提供も受けたくない」
   「人間は、未知なるものを恐れる」
   「テロ組織のやり方は、論理的には
    筋が通らないが、皮肉には溢れてる」
   「最期ぐらい、君と過ごしたい
   「ナノテクを活用すべきだ」
   「テロで死ぬなんて」
   「死後も彼女を愛せるのか、不安だ
   「彼女を頼む」
   「無理するな」
   “聞こえるか?”
   “誰かいるか?”
   “暗い・・突然、夢から醒めた気分だ”
   “意識が分断されている”
   “治療しただけじゃない。彼は僕と繋がってる。
    ・・これで君に触れられる”
   “君も喜んでくれると思う”
   “今の僕なら、肉体的なハンディに
    苦しんで来た彼らを治せる”
   “これはまだ「初期段階」に過ぎない”
   “「僕らの夢」が叶うんだぞ?”
   “君をアップロードして彼らから護る”
   「僕は生きたかった」
   「恐れてるね?」
   「何故、僕を信じなかった?」
   「滅ぼす? 違う、この星を救うんだ」

ジョセフ「世界は偉大な考えと、偉大な男を失った」
    “ここから逃げるんだ(Run from this place.)”
    「意識が劇的に変化してるが、問題はそこじゃない」
    「奴は“軍隊”を造っている」
    「君の字は汚いな」

エヴリン「聞こえるかしら?」
    「出てって!(Get out!)」
    「音を立てるのは止めてくれない?」
    「あなたの肉体は、もう天国にいない」
    「あんまりだわ!(This is wrong.)」
    「彼は私しか信じないわ」

ブキャナン「奴は・・誰も殺さなかった」

ブリー「私達は“一線”を超えてしまったの」

ウィル「電磁波や信号を(銅の網で)遮断するのさ」
エヴリン「いっそ、携帯の電源を切れば?

エヴリン「何処へ行くの?」
ウィル「何処へでも」

エヴリン「人間とは戦えないわ」
ウィル“戦うまでもない・・超越する”

聴衆「神を創りたいのですか?」
ウィル「いい質問だ」

ジョセフ「良くぞ無事で」
ウィル「あなたに護身術も教わったおかげです」

ジョセフ「自我を証明出来るか?」
ウィル「・・難しい質問だ。
    だが、そう言うあなたは出来るのか?」

マックス「僕に君を救えるだけの頭脳があれば」
ウィル「卑下するな・・君は僕ら夫婦に次いで優秀だよ」

マックス「本当にいいのか?」
ウィル「猿でも出来たんだ」

ジョセフ「大丈夫かい?」
エヴリン「最高に幸せよ」

エヴリン「あなたは?」
マックス「・・矛盾だらけさ」

エヴリン「あなたなのね?」
ウィル「ずっとそうさ」

| | コメント (2)

2013年10月24日 (木)

☆『ダイアナ』☆

19日(土曜)の午後。お隣の伊丹市内にある、イオンモール内のシネコン“TOHOシネマズ”で鑑賞して来たのは、密かに国内封切を楽しみにしてた新作『ダイアナ』だった。

一般に知られざる(知らなかったの、オレだけ?)ウェールズ公妃=ダイアナ(1961-97)の、不慮の事故死を遂げる2年前に遡っての“秘めたる恋”にスポットを当てて描いたラヴ・ストーリー。

1997年8月31日、深夜のパリ市内。

事故に遭う直前、当時の恋人=ドディ・アル・ファイドとリッツ・ホテルをあとにしたダイアナは、エレベータに乗り込むその瞬間まで“とある人物”からの連絡を待っていた。鳴らない携帯を気にし、エレベータに向かう廊下では「1度、後ろ髪を引かれるかのように」立ち止まり、振り返りさえもしたダイアナ。

彼女は一体、誰からの連絡を待っていたのか?

物語はその2年前に戻り、晩年の彼女の言動に“多大な影響”を与える、1人の男性の存在が語られる事に・・

鑑賞するまでは、てっきり

・謎の事故死の核心に触れる

・王室との確執(?)をいよいよ詳(つまび)らかに描く

・幼少期からの半生が丁寧になぞられる

などの演出を伴うストーリーなのかと思ってたが、決してそうではなく「母として」でも「妻として」でも「王妃として」でもない「闇に怯え、孤独に悩み、愛を渇望する、等身大の1人の女性」としてのダイアナ妃の姿にスポットの当てられた作品だと言う事が分かった。

それはそれで、エンタテインメント性を飛躍的に(?)高めてくれてるし、確かに我々=「下賤の観客」の知りたい点ではあるのだが・・もう少し(当時の)背景としての王室や公的な部分(再現映像)などを脚本に練り込んで欲しかったかなぁ。

ダイアナ妃の“心の拠り所”となっていた男性は、パキスタン出身の心臓外科医=ハスナット・カーン氏だったが・・このしとが“ただの太った、福耳のおっさん”にも見えてしまい、余り魅力的に映らなかったのは(私的に)残念なトコロ。

観ようによっては、アップのご尊顔が「色の浅黒い(ジョン)マルコヴィッチ」にさえ、見えて来たりもして(⌒~⌒ι)

パパラッチとの関係も良く分からず、場面によってはパパラッチに“直電”で情報提供したりしてたダイアナ妃。自暴自棄になってたのか、結局は「ナチュラル・ボーン・かまってちゃん」だったのか、分かんなかったなァ(・ω・)

ドディとの関係も「妙に薄~く」まとめられており「ホントに愛し合ってたのか」さえ、本作を観ている限りは掴めなかったり。

静止映像では「ダイアナさんになり切ったはる!!」と(当初こそ)驚愕させてくれた主演=ナオミ・ワッツさんも、劇中でダイアナ妃が見せる「(黒髪+ロン毛のウィッグを用いた)変装シーン」を眺めてると「いや、どう観てもあんたナオミ・ワッツやんか!」と突っ込めたり(=^_^=) きっと“ヘアスタイル”“眼の周辺のメイク”で「それなりの完成度」を保ってはっただけなのかも知んない、、

中盤ではハスナット医師に対する“ストーカーじみた行為”がヒートアップして来て「ちょっと、アカンでしょそれは!」「側近、何か言うたれよ!」と心の中で突っ込んでしまうシーンもあった。

もう少し「下世話な部分だけでないダイアナ妃」を腰を据えて描いて欲しかった気がするし、それを成立させてくれてたら、もっともっと世界的な評価も高まったんではなかろうか?

~ こんなトコも ~

・字幕担当は戸田奈津子さん。近年、お元気なのでせうか・・

・リッツ・ホテルの部屋に携帯を置いて行ったが・・持って行ったらあかんかったのか? 「着信時に出るかどうか」は別にしても。

・「TV好き」「ジョギングが日課」「4台の携帯を使いこなす」「偽名“リタ・ジョンソン”を駆使」「イチゴ好き」「バッハのピアノ(アリア)を流暢に弾く」「部屋では裸足生活を好む」など、ダイアナ妃の私生活の片鱗が描かれてた。

・息子2人とは「5週間に1度の面会」を赦されていた。

・居住する「ケンジントン宮殿」は、ハスナット医師の勤務する「ケンジントン病院」に隣接してるようだ。

・側近の運転するベンツの「トランク」から出て、アウディに乗換える妃。おいおい「トランク内」って(⌒~⌒ι)

・専用の(?)アイビールックの紺色ジャケットが欲しくなった(・ω・)

・「勝手に恋人の留守宅に押し入り、部屋を片付けた後、鏡にキスマークを残す」「恋人の帰りを待ち伏せたり、下(の歩道)から窓に向かって叫んだりする」「車のトランクに隠れて移動する」「後部座席に恋人を隠して宮殿内に“お持ち帰り(お持ち込み?)”する」「パパラッチに情報提供する」「変装せずに街を歩く(!!)」「裸足で帰宅する」など奇行の数々が。。

・当時、ハスナット医師は36歳だったそうだが・・ワタシよりも年下だとは(ヴィジュアル的に)どうにも認めたくないものだな。

・「コンコルド(旅客機)」「クライスラービル(NYの高層ビル)」などのショットが出て来て嬉しかった!

・パパラッチ筆頭格(?)の、フレイザー氏の方が、ヴィジュアル的にはよっぽどカッコいいぞ! 『ローマの休日(1953)』的な展開には、ならんもんなのか(・ω・)

・まだしも、お相手(の設定)が「年下のウブな青年」だったりしたら『マリリン/7日間の恋(2011)』っぽく、フレッシュな物語にも撮り得ただろうけど・・

・毎日、妃の運転するクルマを見送りしてると・・警備員には「行きと帰りの車重の違い」が一目で分かって来るモノらしい(⌒~⌒ι)

~ こんなセリフも ~

ダイアナ“確かに自らを傷付けました。

     プレッシャーに勝てない、自身が恥ずかしくて”

    “私たちの結婚は2人ではなく3人・・

     人数オーバーでした”

    「私には“しがみつく癖”が・・結婚にも」

    「問題は“誰が私を受け止めてくれるか”なの」

    「もう逃げられないわね」

    「彼は“自然な態度”で接してくれるの。

     まるで“私の身分”を知らないかのように」

    「この宮殿に“ないもの”なんてないわ」

    「TVは大好きよ」

    「此処は宮殿だから、本当はあなたを

     送るために馬車を用意させるべきね」

    「ロンドン塔に連行して、拷問にかけようかしらね」

    「“帰れ”と言われるのには慣れてるの」

    「あなた方は“しつこい”から覚えてるの」

    「逢えない時は、TVで私を観ていて」

    「“女の勘”は“そう言う事”を

     “間違いない”と察知するんです」

    「信頼出来る“新しい岩”を探すまでよ」

    「“反撃”したかったの

    「この私が“迷惑な女”ですって?」

    「1人で行かないと、後で色々と言われるわ」

    「私は“全能”よ」

    「私の“忍耐”に比べたら、あなたは・・」

    「あなたを護りたくて、誇りたい気持ちなの」

    「私はプリンセス・・わがままなのよ」

    「この国の外には、別の世界が広がっているのよ。

     そこに息子達を連れ出したい。

     何処か“暖かい所”へ・・」

    「あなた自身の気持ちが聞きたい。

     障害を越えても私と結ばれたい? 生涯の誓いを?」

    「あなたの家族に会い“私と言う女”を知って貰う」

    「あなたの祖母が、私を“雌ライオン”だと」

    「未来が見えたわ・・外国で暮らすのよ」

    「私の人生は、最初から“ドラマチック”なのよ」

    「いつも“眼の前”でドアが閉まる」

    「このマイク、死んでるの?!」

    「勇気を出して“これで終わりだ”と言って!」

    「見る夢が変わったの。楽しいものよ。

     “空を飛んでいる夢”なの」

    「もう“受け止めてくれる人”は要らない。

     “本当の愛”に出会ったの」

    「巧く撮れて? それで充分だわ」

    「ポール、彼から電話は?」

ハスナット「僕は僕です」

     「手術が始ると“時間の概念”はなくなります。

      そしてそれが終わると、再び“単調な現実”に

      引き戻され、疲れだけが残ります」

     「ジャズは人生と同じ・・即興がつきものです。

      人間だって“即興の生き物”でしょう?」

     「マリア・カラスの場合“ハートが割れた”のでしょうね」

     「いいですか?(Do my?)」

     「ゴシップ紙は読みません」

     「ご馳走様でした(Wonderful cooking.)」

     「触られるのは、僕には耐えられない」

     「君のやり方は強引過ぎる」

     「力で戦えよ。“即興”で頭を切り替えろ。

      離婚した今、もう王室は関係ないだろ」

     「君のやった事を誇りに思うよ」

     「最高の幸せを得るには、第2の幸せが要る

     「イスラムの教えは“自己形成の力”を与えてくれる」

     「あの噂の否定で、僕自身が否定された気分だった」

     「苦労して築き上げたキャリアを勝手に変えないでくれ」

     「この障害は、解決出来ない」

     「君を拒否する人間なんていないさ」

     「チャールズの話は止せ」

ドディ「このヨットの行き先?

    “カラ・ディ・ボルペ(狐の入江)”さ」

チャールズ“またその非難か”

ソニア「閉じこもって待つのを止め、庭に出ては?」

   「ジャズの好みが違うだけで“殴り合い”も」

   「ジャズは座って、黙って聴くものです」

   「クルーズは気晴らし? 寂しいからでは?」

ロニー「マイクが死んでるぞ」

ルーミーの詩“花の香りが分からないなら、

       庭に足を踏み入れてはならない

      “善悪を超えた世界に永遠がある。

       そこで逢いましょう”

コーランの言葉“高く堅牢な塔にこもろうと、

        死はあなたを見つけ出す”

母「あなたたち英国人は、

  昔からその言葉(“Sorry”)を上手に言えるのね」

警備員A「80キロほど(車重が)重くなってるぞ」

警備員B「あの心臓外科医だな」

ソニア「今も“闇に堕ちる夢”をご覧に?」

ダイアナ「そう・・誰かに“突き落とされる夢”をね」

ソニア「愛を与え続けるだけでなく、受け容れては?」

ダイアナ「“受ける”のは下手なの」

ハスナット「どうやってあなたに連絡を?」

ダイアナ「私だって、携帯ぐらい持ってますわ・・4台も」

ハスナット「家族は“塊(かたまり)”です」

ダイアナ「そして、それが厄介な場合も」

ハスナット「・・あなたの場合はね」

ハスナット「キッチンのあなたはとても“ホット”だ」

ダイアナ「そう・・“ホットなお料理”よ」

ハスナット「前にも(宮殿内に誰かを連れ込んだ)経験が?」

ダイアナ「それがあなたに関係ある?」

ダイアナ「この公園(で密会するの)は初めてね」

ハスナット「最後に残った1ツさ」

記者A「あそこに地雷なんか埋まっちゃいないさ」

記者B「でも3ヵ月前には、死者が出たけど」

ダイアナ「秘密のお話しをしても?」

バーナード教授「“私に関する秘密”以外でしたら

フレイザー“今、何処に?”

ダイアナ“此処よ”

| | コメント (4)

2013年2月16日 (土)

☆『ダイ・ハード/ラスト・ディ』☆

15日(金曜)の夜。

いったんは仕事から帰宅し、自室でウツラウツラしたりもしたが・・「何か、ここらで新しいの、行っとこう!」といきなり思い付き、公開が始まったばかりの新作『ダイ・ハード/ラスト・ディ』を観に、クルマで“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”へと向かった。

“レイトショー料金”で、多少はお安く鑑賞する事が叶ったが・・やはり地方都市=高松と言おうか・・シアターの入場率は半分も行ってなかったように思えた。

自席の左右が空いてた事を喜びつつ、何となくな(作品に対する)不安を覚え始めるワタシ(⌒~⌒ι)

・・

ブルース・ウィリスをスターダムに押し上げた、人気シリーズの第5弾。随分と前から、ことウィリスの頭髪面に関しては「ダイ(Die)」になっちゃってるワケなんだが(おい!) 近年も様々なアクション作に精力的に出演しまくっており、その点に関しては「すごいな~」「したたかやな~」と正直、感心させられてしまう。

今回は、とうとうアメリカを遠く離れ(←ウディ・アレン監督みたいやね)、ロシア・モスクワにやって来た“ニューヨーク最後の正義”ことジョン・マクレーン刑事(ウィリス)。

数年来、連絡の取れないままだった息子=ジャックが“とある揉め事”を起こし、モスクワの拘置所に収監されていると言う情報を掴んだジョンは、娘=ルーシーの不安な表情を振り切りつつロシアへと発つ。

奇しくもモスクワでは、服役中の元政治家=ユーリ・コマロフが、かつて盟友だった現役の政治家=ヴィクター・チャガーリンの妨害工作を覚悟しつつ、初公判に臨むトコロだった。

どう言う流れでか、証人の1人としてジャックもコマロフと共に裁判所に入廷するが、間もなく裁判所は謎の武装集団による襲撃を受け爆破・半壊。ジャックは混乱の中、コマロフを連れ追っ手からの逃走を開始する。

襲撃の黒幕はチャガーリンであり、その命を受けた配下の殺し屋=アリクがコマロフの隠し持つ“極秘ファイル”の保管場所を聞き出さんと追いかけて来る。どうやら“極秘ファイル”の内容はチャガーリンにとって「致命的な存在」らしい。

コマロフを乗せ、ジャックが運転する青いバンを追うアリクたちの装甲車。そしてそのすぐ後に続くのは、ジャックを裁判所前で見かけ、状況すら掴めぬままにひたすら追いかけて来たジョンのクルマ(←盗難車)だった。

やがて合流し、再会を果すマクレーン父子(ジョンとジャック)だが、ジャックは父親に心を開こうとはしない。

逃走の中、ジャックがCiAの一員とし、コマロフを保護すべく作戦行動中だった事実を知ったジョンは、息子の置かれた状況が完全に掴めぬままながら、コマロフを“隠れ家”まで案内するジャックの任務に同行する事となる・・

『ダイ・ハード』の「作品としての当初の面白さ(設定)」と言えば・・「閉鎖的なロケーション」「事件に巻き込まれ、孤軍奮闘する普通の(不運な)男」「相手が冷酷なプロの武装集団」「外野から(主人公を)サポートするパートナーの存在」・・と言った幾つかの要素があり、それらが(当時は)斬新だったと記憶してるんだが、シリーズが続編を重ねるごとに、そう言った「お約束」がどんどん削除されて行ってしまい、それは今回も同様だった(×_×)

これは“厳しい言葉”で言い換えれば「だったらもう『ダイハ』シリーズなんか冠さなくてイイじゃん!」って事でもあるんだけど・・まぁそこを突っ込んでも仕方ないんだろう。呼び込める観客の数が大きく変わる事にもなるワケだから(=^_^=)

モスクワ観光モードは殆ど盛り込まれず(「市内の環状道路が常に混雑してて、タクシーが全く役に立たない」って事だけは学べる)、どちらかと言えば、ロシアのミリタリー系が好きなしとにこそおススメ出来る感じか? 軍用ヘリ「Mi-26T」の存在感とかが圧倒的でしたな~。

物語は『16ブロック(2006)』とか『S.W.A.T.(2003)』っぽい“要人(証人)保護”テイストでジェットコースター的に流れて行くワケだが・・後半の「重苦しい“負の世界遺産”的なロケーション」に到着するに至ってからの展開が・・何と言うか・・良くも悪くも「観客を存分に裏切ってくれる」ものなので「やられたなぁ~」と思い知らされつつも「何だか(此処まで)集中しながら観てて、(最後に)騙されたみたいで、アホらしかったなぁ~」とも思わされた。

いや、まんまと一杯喰わされたのはワタシが悪いだけなんやけど・・(⌒~⌒ι)

ウィリスは「身体を張ったアクション演技」と言うより「息子想いだが不器用な、皮肉親父としてのキャラ造型(言動)」こそが光ってたようだ。って言っても「いつものウィリス節」と言えば、それまでなんだけど(=^_^=)

『ダイ・ハード』シリーズを名乗るだけあって、幾つかのシチュエーションが過去の『ダイハ』作品を思わせるモノだったりして、そこは気付いた限りに於いては楽しかった。

濃縮ウラン235の保管庫内で“黒幕”がウィリス(父子)とバッタリ出逢うシーンは、まんま『ダイ・ハード(1988)』でのハンス・グルーヴァー(演:アラン“トカゲ頭”リックマン)との“あのやり取り”を彷彿とさせる。

強烈な(?)女性キャラの迎える運命は『ダイ・ハード3(1995)』に似てなくもなかった。

まぁ、更に言えば“黒幕”の迎える運命は『ダイハ』と言うより『ラスト・ボーイスカウト(1991)』の敵キャラ=マイロと全く同じだったが。。

当然ながら現地ロケではないと思うが(?)「プリピャチ」と呼ばれる、チェルノブイリ近郊(ウクライナ北部)のゴーストタウンが終盤のバトルフィールドに選ばれてて、確かに勉強にはなるものの・・前述のシナリオの展開とも相まって「暗~い気分」になってしまった。

「雪の降らねぇ『ダイハ』なんて、ちっとも『ダイハ』じゃねぇ~!」と、少しツッコんでしまったワタシではある。

~ こんなトコも ~

・原題『A GOOD DAY to DiE HARD』は洒落っ気があって、面白い。

・字幕担当は戸田奈津子さん。で、特に「光る名訳」は・・なし!

・『劇場版/ゴルゴ13(1983)』の終盤に於いて「残念過ぎる完成度」だった軍用ヘリとの対決シーンは、ホントは本作のような映像・演出で造りたかったやろな~としみじみさせられる。

・(実は)陽気でフランク・シナトラ好きなタクシー運転手が登場するが、特に記憶しておく必要はない(=^_^=)

・敵陣営の“狙撃能力”にバラツキがあった。「神!」と言うぐらいに巧い時もあれば、ジョンを狙った(後半の)1弾などは「そこ、外したらアカンでしょ!」と苦笑しつつ突っ込める。

・ラストのラストまで「生き残ったテロリストの1人が、背後からガバ~ッと襲いかかって来るのでは?」と緊張し通しだった(×_×)

・チャガーリンが背後に手下連中(?)を多数従え、ゆっくりと歩くシーンが、なかなかカッコいい!

・チャガーリンの胸毛周辺が、何とも愛くるしい(=^_^=)

・チャガーリンの迎える運命は、何とも言えず悲しい、、(携帯電話で“遠隔的”にされちゃうとは)

・ジョンvsアリクの「まともなバトル」を拝んでみたかったが・・振り返るに「ジョン父子と対峙するにはキャラが弱過ぎる」って事だったんやろかネ。

・いきなり踊り始めるアリクが『ルル・オン・ザ・ブリッジ(1998)』でのウィレム・デフォーみたいで、ちょっと恐かった。クリストファー・ウォーケンもこう言う演技を「アドリヴで」好んでそう(=^_^=)

・ロシアの高級クラブの駐車場に停められたクルマのトランクには・・銃器がどっさり積まれてるケースが多いそうだ(店内に持込み禁止なので)。

・こちらもあちらも「蛙の子は蛙」ってな世界観だった。 

・チェルノブイリにほど近い廃墟を、防護服もなしに動き回る、某バカ父子の姿が拝める(⌒~⌒ι)

・ジョンがモスクワで犯した罪の数ってば・・史上最悪級の多さじゃなかろうか? 誰か数えてみて下さいや!

・「息子にすんなりバトンタッチする気なのか?」と言えばそうでもなさそう? ちゃっかりしたたかなトコは『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008)』に於ける某ハリソンさんみたいだ。

・コマロフの愛娘=イリーナとジャックの「ええ関係」を期待してしまったワタシって・・(×_×)

・さっさと始末しとくべき相手を前にペラペラ喋ってると・・ロクな事にならない。

・前方に送り出したハズの相手に、いつの間にか真横に回り込まれ、左側からいきなり側頭部を撃ち抜かれる瞬間の「驚き」ってば、如何ほどのものだろう・・!

・本作に於ける“極秘ファイル”ってば、いわゆる“マクガフィン”の一種と言えるんやろか?

・チャガーリンを支えてたあの(クールな)女性は何処に行ったのか?

・ロケーションによって、壁に「オバマ大統領の写真」や「ゴルバチョフ書記長(当時)の写真」が掛けられてて印象的だった。

・“おバカ用のガイド本(ロシア篇)”ってのを是非、読んでみたい。

・『OMOH』ってのは、ロシアの特殊部隊の略称らしい。

・『RPG』って言うのは、経験値とお金を稼ぎ冒険を進めて行くゲーム・・の事じゃなく「ロケット弾」の事である。

・「化合物27-4」なる「放射能を中和出来るガス」が存在するらしい!? ←SF設定か?

~ こんなセリフも ~

ジョン「(息子との)最後の会話は罵り合いだった」

   「“エラい(=大変)”と言った。“エロい”じゃない」

   「俺に向かってロシア語なんか使うな、アホたれ」

   「最悪の休暇だ、ロシアでもコレか!」

   「何が“隠れ家”だよ」

   「(携帯を壊されて)・・2年契約なのに」

   「奴のためにもっと殺すのか?」

   「“何か”が臭う・・“妙な気配”を感じる

   「早く着いたんだな? 環状道路は渋滞してる筈では?」

   「お前じゃなく、お前のその服が笑える」

   「スリルだったな、またやろうぜ」

   「俺たちの出番だ、皆殺しにしてやろうぜ」

   「人は誰でも泣く時があるもんさ」

   「キーはこじ開けられそうか? 何ならコレ(鍵)を使え

   「(建物の壁に)ペンキ塗りゃ、新都市の誕生だな」

   「いつかゆっくり話そう」

   「ドンパチにはなったが、楽しかった。

    “お前と一緒”だったからな・・満足だ」

   「誰が“逮捕する”と言った?」

   「親は子に尽くすもんさ」

   「お前の頭も5年後にはこうなるさ」 ←自ら仰るとは!

   「たまには敬意を払え」

ジャック「父親は選べない」

    「あんたが俺からの連絡を待ってた?」

    「あんたのイメージは“ワルをぶっ殺す男”なんだろ?」

    「あんたを良く知ってるが、親父とは“もっと長い”んでね

コマロフ「私は罪を償いたいだけだ・・君も覚悟しておけ」

    「人生に未練などないさ」

    「自由も命も欲しくはないさ。

     ・・だが、娘を国外に連れ出したい」

    「手慣れてるな・・流石だ」

チャガーリン「アリク・・これ以上ドジるなよ」

アリク「耳を塞いでろ」

   「空を飛んで追いかけろ」

   「俺はアメリカ人が大嫌いでね・・特に“タフガイ”が」

   「本当はダンサーになりたかったが、カネがなかった」

   「お前らをどうするかな?」

   「殺しはカネになる」

   「そろそろ踊ろうぜ」

黒幕「“ファイル”の事は忘れてろ」

  「『巧く行く』と言ったろ?」

  「奴を利用したまでだ・・お前もな」

チャガーリン「法を動かすのはこの私だぞ」

コマロフ「だろうな・・だが私は動かん」

チャガーリン「この俺を失望させるなよ」

女性「私がいつ失望させた?」

マーフィ「ロシアの連中のやり方は違うぞ」

ジョン「“俺のやり方”も違うさ」

ジャック「任務が先だ」

ジョン「その“任務”が血を流してるぞ?」

ジョン「俺はお前の父親だぞ?」

ジャック「何処がだよ」

ジョン「俺たちも此処でハグするか?」

ジャック「・・ムリだ」

ジャック「※が※を裏切るなんて・・理解出来ない」

ジョン「それが子供さ・・今に分かる」

ジャック「クルマが要る」

ジョン「良くぞ言った、行こう」

ジョン「チェルノブイリ? スキーの出来る、

    スイス国境近くのリゾートの事か?」

ジャック「それはグルノーブルだろ」

ジャック「作戦は?」

ジョン「ぶっ放しながら突っ込む」

ジョン「お前を援護してやるよ」

ジャック「お互いにね

ジョン「此処はまるで“あの街”みたいだな」

ジャック「・・ニューアーク」

ジョン「今、俺の事を“親父”と?」

ジャック「・・いや」

ジョン「空耳か? 耳に水でも詰まったかな?」

ジャック「“厄介事が好き”なのか?

     それともただ単に“運が悪い”だけ?」

ジョン「さぁな・・俺にも分からんよ」

ジョン「父親ってのは“働き者”ならそれでいいと思ってた。

    ・・だが間違ってた」

コマロフ「やり直せるさ、まだ遅くはない」

アリク「銃を寄越せ」

ジョン「欲しけりゃ、俺からもぎ取ってみせろ」

黒幕「お前も自分の事を“頭が良い”と思ってるアメリカ人か?」

ジョン「いいや、俺は休暇中の“只のツーリスト”さ」

| | コメント (2)

2013年2月11日 (月)

☆『ted/テッド』☆

溜まってる劇場鑑賞作のレビューが「もうちょっとだけ続くんじゃ」(←K仙人風)。

・・

先月1月20日(日曜)。クルマで郊外の“ワーナー・マイカル・シネマズ綾川”へと向かい、観たのは「R15指定」のブラック&ビター仕立てなファンタジック・コメディ作『ted/テッド』だった。

確か、公開が始まったばかりだったもんで・・久々にチケットカウンターで「残席:僅少(わずか)」みたいな電光表示を眼にした! そないにまで香川県人の期待値を高めさせ得る作品だったとはネ!(=^_^=)

で、確かにシアター内はほぼ満席状態であり「最前列の席」を選ぶしか余地は残されてなかったのだった(×_×)

1985年のボストン郊外。

“永遠の友達が欲しい”とクリスマスの夜、心から願った8歳の少年=ジョン・ベネット。

果たして・・一夜明けた彼のそばには、何と! 魂が与えられ、生きているかのように歩き、話し出すテディ・ベアの縫いぐるみ“テッド”の姿があった・・

「現代の奇跡」とし、しばらくは全米で(?)もてはやされた“テッド”だが、世間はやはり飽き易く・・「人気のセレブ」から次第に「元セレブ」へと落ちぶれてゆく“テッド”・・(『幻覚キノコで逮捕』なんてな見出しが地方紙を賑わせたりもした)

そして27年後。

今や35歳となったジョン(マーク・ウォールバーグ)はオタク気質の中年となり、そんな彼の隣には、姿形こそ昔と変わらず可愛らしいテディ・ベアながら、その言動はジョン以上に過激さを増した下品な不良グマの“テッド”がいた。

2人は今なお“永遠の友達”だったが、彼らの“遊び道具”は、今や「酒」「煙草」「クスリ(マリファナ)」にとって代わっていた・・

ジョンには、付き合って4年目になる恋人=ロリー・コリンズ(ミラ・クニス)がいたが、彼女は「“テッド”がいつも一緒にいる以上、ジョンはいつまでも“ダメ人間”のままで、結婚にも踏み出せない」と考え、とある夜に起こった“事件”を機に“テッド”を家から出て行かせるようジョンに迫る。

こうしてジョンと別れ、独り暮らしを始める事になった“テッド”だったが・・

軸の部分(冒頭とか)では、しっかりした「ファンタジーもの」の骨格を形成してくれてるんだが、その底辺に流れる「実際には有り得ない超常現象」を「その手の作品では(描写の)有り得ないナンセンスさ」にスルッと置き換え、観客の“ツッコミ”を絶妙にかわしながら(そらしながら)も、次第にスピードアップして行く「過激テイスト」に、ちょっと病み付きになりそうだった(=^_^=)

結局、作品世界の中で何故“テッド”だけが魂を持てたのか?! って事に対しては、何の解答も、いやヒントすらも劇中で示される事はなかったのだ(=^_^=) なのに、そんな事が(次第に)気にならなくなってしまう脚本の巧さよ!(=^_^=)

今後、こう言うテイストのファンタジック・コメディ作が案外増えて来そうな気もする!

いや、昔からあったのかも知れないが・・今こそ「ありきたりのファンタジー作なら、ネタが出尽くしてる」「CG技術の飛躍的な発達により、比較的低予算でも素晴らしい表現が自由自在に可能となった」てな観点から、本作に続く「※番煎じ」が出て来ても、何らおかしくないと思えて来るワケで。

“テッド”が過剰&異常な某父子に追われるシチュエーションのみに対しては、何処か「取ってつけたような唐突感&安直さ」「月並みさ&失速感」を覚えなくもなかったが、それにしても「俳優陣」「カルトネタ」を揃えただけで、こんなにも楽しい作品が出来るんやな~と感心させられたワタシだった(=^_^=)

~ こんなトコも ~

・連想したのは、やはり『宇宙人ポール(2011)』と『A.i.(2001)』だろう(=^_^=) ここまで“毒気の強い”テディベアが登場してくれたなら『A.i.』も、更なるインパクトを持ち得たかも知んない(=^_^=)

・コレが1.5昔ほども前だったら、主演はマシュー・ブロデリック辺りだったトコか?

・「撮影時点(=映像合成前)では存在しなかった“テッド”」を相手に、熱演を繰り広げた主要俳優陣は流石にスゴい!

・でっかく取り上げられてたのが、クイーンがサントラを手がけたカルト(?)SF大作『フラッシュ・ゴードン(1980)』。当時「ブロンド+マッチョ」でカッコ良かった主演男優=サム・ジョーンズが“本人役”で(老化されつつも)絶妙な“濃さ”をもって我々観客を楽しませてくれた! しかしマックス・フォン・シドー、トポル、ティモシー・ダルトン・・と、もの凄い面々が出とった作品だったんですなぁ・・(⌒~⌒ι)

・“テッド”からの着信音が往年のTVドラマ『ナイトライダー(1982)』のテーマ曲(のイントロ)だったし、ついでにデヴィッド・ハッセルホフ氏にも出て欲しかった(⌒~⌒ι)

・「トム・スケリットと友人」って言うのは、そんなにハクの付く事なんやろか。。

・飲み明かした朝、恋人と観たのが『007/オクトパシー(1983)』って言うのは、何ともスゴい!

・『きみに読む物語(2004)』の中に出て来る曲って『帝国のマーチ(ダースベイダーのテーマ)』に似てるの?

・アダム・サンドラーが2役を演じてる駄作で『ジャックとジル(2011)』ってのがあるらしい!

・「無茶ぶりゲーム」に於ける「大ワザ」とは・・?!

・“テッド”の引越荷物の段ボールに、まんま“大麻吸引グッズ”と書かれてたのには引いた(=^_^=)

・ドラマ『チアーズ』のDVDボックスの“特典映像”では、出演者それぞれの悪口が楽しめる(?)らしい。。

・ボストンの「チャンドラー・ストリート」って通りが出て来た。

・『フラッシュ・ゴードン』の主人公は、プロアメフトチーム=NYジェッツのQB(クォーターバック)と言う設定だったそうだ。

・往年のボクサー=ジョー・ルイスの使ったグローブや、(自転車レーサー)ランス・アームストロングの摘出睾丸のオブジェ(ブロンズ製)などをコレクションしとるしとがいた。

・ジョンと“テッド”の乱闘シーンに於ける「殴り効果音」が印象的だった。

・『エイリアン2』でランス・ヘンリクセン(ビショップ役)の披露してくれた“超絶ナイフ芸”の失敗事例が拝める(⌒~⌒ι)

・久々にノラ・ジョーンズ(本人役で出演)を観たが・・デビューアルバムのジャケット写真と印象の違う感じで分かんなかった。

・頭上からのアングルでジャンプしてる姿を捉えたら・・それだけで“フラッシュ・ジャンプ”と呼んで良いんかな?

・スタジアム以降の展開が『チャイルド・プレイ(1988)』みたいなドロドロした方向(スプラッタ系)に進んで行かないか、ヒヤヒヤした(⌒~⌒ι)

・「取って付けた」ようなサスペンス要素など加味しなくとも、単に「何気ない日常の物語」で描き終えても良かったか?

・本作をダラッと観てると、つい「米国の雇用事情ってば明るいの?」と思えても来てしまう(・ω・)

~ こんなセリフも ~

ナレーター“少年の願い程、強いものはない・・アパッチヘリは別だが”

     “ロバート少年は、成長しテイラー・ロートナーとなった”

ジョン「ホントに話せたら“永遠の友達”になれるのに」

   「“僕の記憶”と違うぞ」

   「TV(の下敷き)でナニが潰れた!」

   「尻は止めろ!」

   「お前なんかより“くまモン”の方がよっぽど可愛い」

   「ムリだ、すげぇ嫌われた」

   「出来る事はした・・残念だけど」

テッド「だいちゅき(=大好き)」

   「ハグして。驚く事ないよ・・そう願ったろ?」

   「ボストンの女は、青白くてブスだ」

   「いぐ~」

   「もっど~」

   「“クサ”なしじゃ辛い」

   「おっと失礼。ツイートしてた」

   「彼女にプロポーズ? 愛で充分だろ?」

   「27年間も一緒の俺にも、指環を呉れよ~」

   「床の上にウ※チがある。

    キルケゴールに言わせりゃ『ウ※チの下に床がある』だな」

   「“アーノルド坊や”の気分だな」

   「大事にするよ。風俗嬢の名刺みたいに」

   「さぁ、ハッパ決めようぜ」

   「何時(いつ)でも遊べるよな?」

   「“誰かが死んだ部屋”じゃなくて幸いだ」

   「品物なら“売るほど”あるさ」

   「おっと、顔射はNGか・・」

   「で“毛深い友人”を失ったワケだ」

   「来いよ。ウチで吸おう」

   「隣はアジア人の家族だが、どうやら銅鑼(どら)はない」

   「違うさ、俺は独りじゃない・・常にイエス様がいる」

   「暗闇の訪問、ありがとよ」

   「ジャバールを知ってる? 『死亡遊戯(1978)』のラスボスさ」

   “ダチの従兄弟のダチがサム・ジョーンズなんだ。

    今は『64分け』の髪型なんだぜ!”

   “彼は俺たちの同志。

    単なる演技を超え、俺たちに道徳を教えてくれた”

   「80年代のパーティやろうぜ!」

   「俺を信じるなんてどうかしてる・・ヤク決めてんだぞ?」

   「(ノラとは)ベリンダ・カーライルの家で会って以来でね」 

   「確かにヘタだが、ケイティ・ペリーより巧いさ」

   「『ブリジット・ジョーンズの日記(2001)』でも観て、

    ひと泣きしたらケロッと忘れるさ」

   「5秒だけ話を聴け! 肉の穴を閉じて話を聴け!」

   「俺はただの熊だぞ? 俺のせいにするとは女々しい奴だ」

   「俺は消えるさ、永遠にな」

   「げげっ! 誘拐される!」

   「奇遇だな。ウチにも君の写真があるよ」

   「此処にはPS3はなさそうだな・・木馬で遊ぶ家族って感じ」

   「その話の続きはメールして」

   「チョコバーはたまには断われ」

   「“臨場感”のあるイイ話だな」

   「変な質問してないで早く数えろ」

   「デブが走る姿は、想像だけで笑える」

   「でも誰かがジョーン・クロフォード(≒星一徹)にならないと」

   「『エイリアン2(1986)』のビショップみたい」

   「2度とロリーを離すなよ、彼女を・・」

   「縫い直した時の綿の位置が悪くて、後遺症が残った」

ロリー「彼は優しくて可愛いけど、熊のせいで将来を考えて呉れない」

   「仕事(で呼んだん)じゃないじゃない!」

   「あなたは“テッド”といたら駄目になる」

   「普通、彼氏と別れた翌週に誘う?」

   「恥なんて思ってないわ。少なくとも彼は努力してくれた

同僚「全く覚えてないんだが、昨夜の3:15、

   誰かに『殴れ』とメールしてる。で、4:30、

   誰かに『どうも』とメールしてる」

  「どうやら俺はゲイらしい・・自分でも意外だ」

SJ「皇帝ミンに死を!」

父「ジーザス! 銃を持って来い! それから警察だ!」

母「奇跡だわ・・現代のイエス様」

司会者「君は、意外に小さいね」

テッド「そう言うあんたは、意外に笑えないね」

ロリー「知能は5歳児並みね」

ジョン「読解力なら6歳児並みだぜ」

ロリー「親指に着いた!」

ジョン「今すぐ左利きになれ!」

ロリー「魔法なしでも、あなたは私のものよ」

ジョン「使ったかもよ、魔法

ロリー「座った方がいい?」

ジョン「ああ、君が良ければね。

    後は・・良い終わり方をしたい」

ジョン「俺のため?」

ロリー「私の人生のためよ

ジョン「俺、ゲイじゃないよ」

テッド「知ってるさ」

ジョン「20分ある」

テッド「なら完璧さ」

経営者「名前は?」

テッド「“熊ん子”って呼んでくれ」

経営者「で、何が出来る?」

テッド「あんたのカミさんをイカせることさ」

経営者「この私にそんな口を利くとは・・採用だ」

テッド「・・マジ?」

経営者「よりによって、店の奥で店員同士の“行為”に及ぶとはな」

テッド「俺にはアレがないので、野菜を使った。

    で、使った野菜は、家族連れに売った」

経営者「いい度胸だ・・気に入った! 昇格だ」

テッド「あんた大丈夫?

レストランの客A「誰が屁をこいた?!」

レストランの客B「おい! 仕事の話をしてんだぞ!」

| | コメント (2)

2012年9月14日 (金)

☆『デンジャラス・ラン』☆

10日(月曜)の夜、出張先の某県内にあるシネコン(TOHOシネマズ系)で夕食のついでに観て来たのは・・密かに期待値を高めてた1作『デンジャラス・ラン』だった!

主演がデンゼル・ワ〜シントン+ライアン・レイノルズって事で・・出演陣から言えば、大して「観たい気」にもならなかったんだが(←おい) 長年の経験から「コレって何だか面白そう!」と感じた、そんな気持ちを大事にしつつシアター内へと向かったワタシである(・ω・)

世界各地に点在するCIA(米国・中央情報局)の管理する極秘施設(セーフハウス:隠れ家)。
ここ南アフリカ・ケープタウンの某所にも「7-R」なるコード名の与えられた“隠れ家”が存在した。

その「7-R」に“客室係”として配属された新米局員=マット・ウェストン(ライアン)。当地に赴任して1年になるこの青年は「1日1度の報告作業を行う」程度の勤務に飽き飽きしていた。

現地の恋人=アナ・モローがパリに発つ日が迫ってもおり、上司=デヴィッドに「パリ勤務」を申請し続けるも・・「候補者は他に37人もいる」と聞かされ、焦りと不満を募らせる。

そんなある日(木曜の午後)、ケープタウンの合衆国・総領事館に“伝説の元CIAエージェント”トビン・フロスト(デンゼル)が出頭、その身柄を拘束される。

CIAを裏切り、9年間も逃亡生活を続けていたトビン。世界各国の諜報力を総動員してすら「2011年、ハンブルグにて目撃」以降の足取りがぷっつりと途絶えていたのだ。

トビンは総領事館から極秘裏に連れ出され、CIA本部の手配で遣わされた“尋問チーム”と合流する形で隠れ家「7-R」に移送される。

「何故、今になって総領事館に投降したのか?」「何者に追われているのか?」に関し、チームリーダー=キーファーが“プロの尋問”を開始するが・・間もなく「7-R」は謎の武装集団(12名)の侵入・襲撃を受け、敢えなく“壊滅”してしまう。

トビンを連れ、新たな“隠れ家”に向かわざるを得なくなったマット。
そして、行く先々で“執拗な追撃”を受ける2人。

トビンはマットに「我々の行動を把握する“何者か”が、襲撃者の裏で糸を引いているのでは?」と“元局員”としてのアドバイスを与え、マットはCIAの指示に従い続けるか、トビンの言葉を信じるか・・逃避行の中で「大きな選択」を迫られる事となる・・

うむ! 近年のデンゼル作品にしては、なかなかにパワフルで良かった!

何やらご本人も「製作総指揮」とし、作品の“軸の部分”に大きく(意欲的に)関わったはるようだが、どうにもワタシの中で『ザ・ウォーカー(2010)』『悪魔を憐れむ歌(1998)』と言った“残念気味な作品”のマイナスイメージが強過ぎるので、ある意味「毎回、作品を観終わるまでドキドキ感を継続させてくれる」そんな希有な存在の男優さんだったりもする(⌒〜⌒ι)

本作は「逃亡劇+バディ・ムーヴィー(=コンビもん)」と言う、まぁ(過去にも)良くあったタイプの物語に、イマドキな「ド派手系カーチェイス」「巻き込まれ型演出」「腐敗したC※A」と言った要素を巧く盛り込み、今後のサスペンス作の「お手本」にもなって行きそうな完成度を見せつけてくれた!

しかし、その一方で「とにかく人が死に過ぎる!」「“ブレまくり映像”の連続が、観客の視神経を著しく疲弊させる」「描写が意図的に(?)えげつない」と言った脚色には「う〜む」と困惑させられるトコもあった(×_×)

“隠れ家(Safe House)”ってな原題も『デンジャラス・ラン』ってな邦題も・・どうにも“イケてない”気がするんだが。。
も少し全体的に「洗練されてたら」もっともっと評価されて然るべき1作やろな〜と感じたワタシ。

尚、デンゼルって昔から「後継者問題」を強く意識してるんだか(?)定期的に『アンストッパブル(2010)』『トレーニング・ディ(2001)』『ボーン・コレクター(1999)』みたいな「後輩を指導する、クセのある教官」的なキャラを好んで(?)演じたはるようにも思われる。

そして「ギャグを放つタイプの役柄」ってば、どうにもこのしとにはムリがありそうなので(多分、そう言う意味では“不器用”なんだろう) その辺りには眼をつぶって(=^_^=) これからの主演作にも寄り添って行きたいと思っている。

〜 こんなトコも 〜

・展開もノリも素晴らしかった本作だが「キャラ群の使い方が粗い」「コメディ要素が“皆無”で疲れる」「映像がブレまくってて眼がしんどい(特に襲撃シーン)」など、総じては“要改善”なトコもあった。しかし“新境地のスパイアクション作”としての完成度はなかなかだ!
・冒頭から、イッキに3人ほど殺されるのに圧倒された(⌒〜⌒ι) ってか本作、一体劇中で何人が殺されたんやろ?
・キーファー役は、どうやらロバート・パトリックが演じてはったらしい! 全然気付かなかったし! こうなったら「同窓会的な企画」で、マイケル・ビーン+ロバート・パトリック+エドワード・ファーロング+ニック・スタールの「現在の」共演アクション作なんかを観てみたいなァ!(皆さん“ヴィジュアル的な劣化”が激しそう、、)
・(そんな)ロバート・パトリックのあっけない“退場ぶり”は『ダイ・ハード2(1990)』での彼を彷彿とさせてくれる(⌒〜⌒ι)
・ヒロインの女優さんの「泣き顔どアップ」が、メチャメチャぶさいくに見えた(×_×)
・ベラファ(ベラ・ファーミガ)姐さんの迎えるあの“オチ”ってば『マイノリティ・リポート(2002)』に於ける、コリン・ファレルの辿った運命と殆ど(全く?)同じだった。
・本作に於けるベラファ姐さんは、あんまし魅力的じゃなかった(×_×) 同じCIA局員でも、ジョアン・アレン姐さん(パメラ・ランディ役)に完敗してたな〜(×_×)
・CIAの“冷徹さ”“極悪さ”が特に強調して描かれてた(×_×) たった1人の証人の“口封じ”のために、管制官を殺し、旅客機ごと墜落させますか、、
・(セリフのみながら)ドイツのメルケル首相が実名登場しててビックリ! ご本人の承諾とかは・・?
・本作を観る前に『トレーニング・ディ』を観といたら・・更に楽しかった気もした。
・ライアン・レイノルズは、さほど“ホレボレするまでのイケメン”じゃないように思う(自分を差し置いて言うのもアレだけど)
・信頼してる(?)同僚と協力してミッションに取り組むにせよ、やっぱり「防弾チョッキ」ぐらいは常時着用しとくべきだと思う。
・知り尽くしとるハズの自分の持ち場(隠れ家)で殺されちゃうエージェントって、、
・後半のロケーションは『グリーン・ゾーン(2010)』でマット・デイモンが戦ってた場所とかなり似てる雰囲気だった(中東のバラック地帯風?)
・青色や黄色の“フィルターのかかってるっぽい映像”はスティーヴン・ソダーバーグっぽく、ロケーション&時間のテロップが小さく表示される辺りの演出はトニスコ(トニー・スコット)っぽい(・ω・)
・前半と後半でデンゼルさんの(お色直しによる)“変身”が楽しめる本作(=^_^=)
・余りに素早く「主人公らの行く先々に襲撃チームが現れる」もんで、ついつい「本人のあずかり知らぬトコで、CIA全局員の身体には“発信装置”が埋め込まれとるんじゃないやろか?」とまで邪推してしまった(⌒〜⌒ι)
・主人公とその恋人を巡るラストの演出は『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011)』にそっくりだった。
・冴えない任務のCIA(補助)スタッフにせよ・・持ち前の「運転技術」「格闘術」は“ピカイチ”だった!
・エンドロールで流れる“No church in the wild”はなかなか良い雰囲気のトラックだ。
・本編開始前には、いよいよ“007シリーズ”の新作『スカイフォール』の予告編が流された!
・字幕担当は松浦美奈さん。ナイスなジョブですね!
・現実のヨハネスブルグ上空には“巨大円盤”などはなかった(⌒〜⌒ι)
・恋人とは“継続的な関係”と報告されてたマット君(=^_^=)

〜 こんなセリフも 〜

マット「この尋問は“合法的”なのか?」
   「・・だよね(I know.)」
   「ヤツとは14時間も一緒でした」
   「君を騙してた(I lied to you.)」

アナ「まだ出発までに6時間あるわ・・ベッドに行く?」

デヴィッド「上司には話すが、何も“約束”など出来んぞ」
     「全員、良く聞いてくれ! 電話は切れ」
     「何故、総領事館に行った? 追っ手は誰だ?」
     「我々は“すべき事をする”までだ」

トビン「で?(So..)」
   「尾行されてるか?」
   「使うなら、600グラムのタオルを使え」
   「何でも訊くがいい」
   「これは演習じゃない、実戦だぞ・・どうする?」
   「このままじゃ“客”が拉致されるぞ?
    “客”の生命を護るのが君たちの“ルール”だろ?」
   「刻一刻と時は過ぎるぞ・・“チクタクチクタク”とな」
   「この国は“重要度”が低い」
   「“ルール”に従うか?」
   「一緒に考えるのは悪くないな・・むしろ楽しい」
   「君の知る“誰か”が此処を教えたのでは?」
   「上司が君に“良くやった。後は我々に任せろ”
    と言ったら・・要注意だぞ」
   「君の敵は・・どうやら俺だけじゃない」
   「この仕事に就く限り、恋人との絆は保てんぞ」
   「ウソを重ねると、やがて“真実”さえウソに聞こえ始める」
   「彼女が去るんじゃない・・君が去るんだ」
   「この仕事を放棄しろ」
   “余りに長き犠牲は、心を石へと変える” ←イエーツの詩だそうで
   「好みは変わるさ・・そして、人も変わる」
   「出来るか? 確かだな?」
   「俺を襲撃するなら・・もっとアタマを使え」
   「工作員の多くが、何度も結婚を繰り返す」
   「“罪なき人間”を殺すな」
   「初めて殺した相手を覚えてる。
    ジョージ・エドワード・・管制官だった」
   「重ねたウソはやがて“真実”に」
   「長く続ければ、慣れて来るさ」
   「若い頃は“愛国心”を振り回してた」
   「ピノタージュ・・素晴らしい香りだ」
   「・・それじゃ、行こうか」

アレック「そのファイルは、我々の世界を狭くする」

※「(車を降りて)脚で追う」
 「ホレたか?(You want her?)」
 「我々は、南アフリカには存在しない」
 「お前は俺とは違う・・俺よりもずっと優れてる。
  これから先も“ずっと優れたヤツ”でいてくれ」

キーファー「・・この部屋のカメラを切れ」
     「・・タオルを」
     「ハリド・シェイク・モハメドは20秒で吐いたぞ」
     「・・ナイフを」

カルロス「お前はいつも、グラスの中に“最上のもの”を求める」
    「やがて未来の中に、より多くの“過去の時間”を
     見つける事になってゆくのさ」
    「“大傑作”とは言えんが、急いだ割には良く出来た」
    「揉め事もカネも“命取り”だぞ」

ケラー「この10ヵ月で初めての“客”だ」

ホイットフォード「君の報告書の一部を書き直さねばならん」
        「今じゃ誰も“真実”など求めん」

トビン「俺といると不安か?」
アレック「・・常にな」
トビン「それは何よりだ」

マット“客室だ”
キーファー“予約したいんだが”
マット“名前は?”
キーファー“フリーアーク保険だ”
マット“到着(時刻)は?”

マット「さっき、俺の喉を絞めたろ?」
トビン「そう言う君も、私を強引にトランクに押し込めた」

マット「俺を殺すのか?」
トビン「いや・・プロしか殺さんよ」

リンクレイター「“Mi-6”は何と?」
部下「公式コメントはありません」
リンクレイター「では、非公式には?」

| | コメント (2)

2012年9月 6日 (木)

☆『トータル・リコール』☆

1日(土曜)の夜。
クルマで“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”へと出かけ、レイトショーで観たのは「そこそこに期待値を高めてた(かも知んない)」新作SF『トータル・リコール』である。

こう言う“インパクトの強烈すぎるオリジナル作を持つリメイク版”だと・・本作にしてもどうにも、故ポール・ヴァーホーヴェン監督の手がけた(←おい! まだお元気だっての!)『トータル・リコール(1990)』の存在感や完成度が素晴らし過ぎ(=^_^=) 未だに「アレは流石に超えられんやろぉ〜?」と決めてかかってもしまうワケだが・・まぁ、いつまでも懐古主義なんぞにひたっとるのもアレなので、一応は“ココロをリセット”して鑑賞に取り組んだ次第である(・ω・)

21世紀末。全世界規模の化学戦争の結果、地球上の大部分は汚染され“居住不可能”となってしまった。
辛うじて人類の生存可能な区域は「ブリテン連合(UFB:旧イギリス)」と「コロニー(旧オーストラリア)」の2つの大陸のみ。

支配階級はUFBに暮らし、労働階級はコロニーに暮らす事を余儀なくされていた。
そして、これら2つのエリアを繋ぐ唯一の交通手段は“フォール”と呼ばれる、地核(コア)を通じ高速往復する、いわば“巨大リフト”のみだった。

UFBは『コロニー居住者に、富裕層エリアの解放を!』と訴える、マサイアス(ビル・ナイ)率いるレジスタンスによる連続爆弾テロに苦しめられており、それに業を煮やしたUFB代表=コーヘイゲンは、コロニーへの支援中止と共に、ロボット兵士=シンセティックの増強配備を進めるのだった。

・・

シンセティックの製造工場で働くライン作業員=ダグラス・クエイド(コリン・ファレル)は、毎夜の悪夢に苦しめられていた。
「見知らぬ女性(ジェシカ・ビール)と共に忍び込んだ部屋で、彼女と引き離され、自身は捕まってしまう」・・そんなパターンの夢にうなされる夫を見守る妻=ローリー(ケイト・ベッキンセール)。

ある日、親友ハリーの忠告を振り切って、ダグ(=ダグラス)は労働者の数少ない娯楽(?)の1ツである「ヴァーチャル体験(≒人工記憶)施設」=リコール社に向かう。スタッフのアイデアもあり「諜報員としての活躍を体験する」つもりで装置に身体を拘束される彼だが・・そこにいきなり警官隊が乱入して来る。

自分でも予期しなかった“戦闘能力”を発揮し、たちまち警官隊を全滅させてしまうダグ。
「・・俺は一体何者なんだ?」と戸惑いながら帰宅すると、今度は突然に愛妻=ローリーに殺されかける展開となる。

仕事も家も失いつつ、単身「自身の過去」を辿り始めるダグであったが・・

旧作に比べ“ケレン味”が余りになさ過ぎ、そう言う意味では「つまんなかった」ワケだが・・“オリジナル版を知らぬ(世代の)観客”にとっては、この上ない“ジェットコースターアクション”に巧くまとめてたな〜、仕上げたな〜って感想である。確かに「長いな〜」と感じる事は「皆無」だったし。

製作陣自身が、旧作を徹底的に研究し尽くしてる姿勢(?)が確かにあり「ここはやっぱりこうなるンやろな〜」と予想してたら、決してそうはならず、妙に驚かされたり(=^_^=) そんな事で、逆に「旧作と比較する楽しみ」がしっかり点在してたりもする(=^_^=)

主人公は(旧作の)アーノルド・シュワルツェネッガーと比べるに、流石に印象のマイルドになっとる感じか。
コリン・ファレルってば(ワタシは)その風貌にメル・ギブソンとブラッド・ピットの両氏に通じる(ヴィジュアル)イメージを感じたりするんだが・・それを発揮してまでも「伝わって来るモノ」が余りなく、ある意味「ちょっと(インパクトの)薄くて悲しい兄さん」って思ったりもする(⌒〜⌒ι)

そう言や『フォーン・ブース(2003)』も『マイアミ・バイス(2006)』も『Dr.パルナサスの鏡(2009)』も、大した印象が残ってないや、、逆に“チョイ役”にも関わらず存在感の強烈だったのは『ヴェロニカ・ゲリン(2003)』だったりしたなぁ〜(・ω・) 

奥さん役は、旧作に於けるシャロン・ストーンが(後にして思えば)「メチャ豪華なキャスティング(オーバーキャスティング?)」だったワケだが、、今回は「眉間銃撃による(中盤)即時退場」とはならず、良い意味でチェイサー(追跡者)として終盤まで出ずっぱってくれてた☆

ま、コレにより、旧作で悪役を好演してくれてたリクター(演:マイケル・アイアンサイド)のキャラの存在そのものが必要なくなってしまったワケでもあるが・・それはそれで“思い切った、面白い改変”と評価したい。

また「コロニー内」の世界観ってば、まさに“サイバーパンク”で“無国籍”な空気感がバンバンに高められてて、思ってた以上に素晴らしかった!

ただ、ニッポンと言う国の存在自体が(現代ハリウッドに於いて)既に過小評価されとるようで、、殆どの電光(ネオン)看板は「韓国語」「中国語」の表記で占められてたように見受けられた(×_×) この調子だと、もう少しもしたら、この手の世界では「印度語」の看板に取って代わって行くんやろか。。

そして惜しむらくは、コーヘイゲンにせよ、マサイアスにせよ・・登場シーンの少なくない(?)割に、何となく存在感がインパクトに欠けてたトコか。

って言うか、作品のあらゆる要素に於いて「インパクトに欠ける!」のが、本作の“反省点”なのかも知んない。

ロケーション(の製作)にハンパない資金を投入してると思しき事からも、この点については「勿体ないなぁ」と素直に感じた(・ω・)

〜 こんなトコも 〜

・UFBのロケーションが余り出て来なかったような気もするが、きっと『TiME/タイム(2011)』の世界観を思い浮かべとけば、それで良いんやろね(=^_^=)
・ヒロイン(?)キャラ2人の区別のつきにくいトコがあった。。「逆(キャスティング)ヴァージョン」も観てみたい気がする(=^_^=)
・ローリーには『G.i.ジョー(2009)』における“バロネス様(演:シエンナ・ミラー)”のような「インパクト大のヴィジュアルアイテム」が欲しかった〜
・敵ボスが(総てに関して)「自らチョロチョロと動き回り過ぎ」な気もした。もっと“取り巻き”とかいないんかね?
・軍隊をロボット(=画一的なキャラ)にしてしまうと、どうしても“一網打尽”的なオチにされ易い。。
・ユーモア演出にはイマイチ欠けてたか?
・決して「火星に行く」ハナシとはならず・・一体、原作(小説)では何処が舞台なんだいっ?
・キーキャラは「太ったおばさん」ではなかった!
・「夢が現実か」の“二者択一”を迫られる主人公に「決意」させたのは旧作の「汗」ではなく・・(ここは少し感動した!)
・「記憶を失った2重スパイ(の男)を巡る2人の美女」・・ってノリで、もっと現実的な(世界設定の)スパイコメディが見たいかも!
・ベートーベンの「ピアノ・ソナタ第17番ニ短調作品31-2=“テンペスト”」が印象的に用いられてた。最初の部分だけなら、猛練習すれば、何とか弾けるかも??(21世紀末でも、ピアノは「ヤ※ハ製」なんやねぇ)
・主人公が通勤時に読んでたのは、イアン・フレミングの諜報小説『007/私を愛したスパイ』だった(=^_^=)
・地核(コア)に突っ込む“フォール”内での銃撃戦には「こいつらアホか!」と苦笑してしまった。防弾壁(?)を過信してるとヤバいよ〜
・エレベータ内に向けて、ローリーのぶっ放す(持ち替えた後の)銃の音がなかなかに良かった!
・“メリーナ”と言うヒロインの名は、劇中で「たった1度」しか出て来なかった!
・リコール社の施術ルーム(?)の床に、何故だか“巨大な仏頭”が置かれてて・・やたらと怪しかった!(=^_^=)
・右手の中に埋め込まれた携帯電話って・・機種変更しにくそ〜(×_×)
・幾ら“夢の中”だからって(爆笑)、、カラダを張って(?)忠告してくれとる親友に対し「いきなり眉間銃撃」ってのはどうにも、、(⌒〜⌒ι)
・「好牌(?)酒」「夜伴」「豪放公司」「計建造」「24小時」「太白酒」などと表記された電光看板が映ってたり。
・ハモンドは「登場」と共に「退場」だった(×_×)

〜 こんなセリフも 〜

ダグ「同じ夢を、同じ時間に・・」
  「“閉じ込められ、逃げ出せない”夢だ」
  「“お城での暮らし”が君の夢だったのか?」
  「大丈夫・・“ただの夢”さ」
  「クソみたいな気分だ」
  「疑問すら持たず、毎日“同じ事”の繰り返しだ」
  「そこを持つと、ショートしてボルトが飛んで来る。
   掌に刺さってこうなるぞ。休めるが・・痛過ぎる」
  「毎日のクソ仕事に、息抜きがこんなクソビールだ。
   今の人生に満足か?」
  「もういい(Forget it.)」
  「言わないと“死が2人を分かつ”ぞ!」
  「答えろ! 分からないなら、考えろ!」
  「此処の皆は俺を知ってるらしい・・俺以外は。
   ・・妙な気分だ」
  「こいつを頼む(Take this.)」
  「過去など知らん・・これが今の俺だ!」

ハリー「リコール社? “脳いじり”の会社か?」
   「止めとけダグ。トラヴィスが『火星大王』になりに
    出掛けたが・・機械がトラブって、今じゃ“抜け殻”だ」
   「脳をいじるなんてな」
   「“バカな事”を考えてると、人生を棒に振るぜ」
   「本当のお前はリコール社のイスの中だ。
    隣では、奥さんがお前の手を握っているぞ」
   「どうだ? 現実で(相手に)銃を渡したりするか?」
   「自分で眼を覚ませ」

※「ここじゃ“何でもあり”よ。
  きっと手が3本欲しくなるわよ」
 「それより・・さっきは手加減したの」
 「恋人に“別れのキス”をしとく事ね。私とヤッた唇で」
 「“お別れのキス”がまだよ」

メリーナ「素敵な“鬼嫁”だわね」
    「彼は決して“完璧”じゃなかった。時にはムカつく事も」

スタッフ「“現実と重なる記憶”は提供出来ません。
     記憶同士がケンカして、脳を破壊しますから」
    「楽しくて、戻りたくなくなりますよ」

ハモンド「右手をガラスに押し付けろ」
    「キーを入手しろ・・(場所は)知ってるだろ?」
    「その携帯を“処分”しろ」

ハウザー「今、この映像を観ていたら・・君は相当ヤバい」
    「マサイアスに会え。彼は君よりも君に詳しい」
    「色んな罪を犯したが・・それを償うチャンスだ」
    「それは夢ではなく、記憶だ」

マサイアス「“真実の答え”は現在にある」
     「過去とは“客観的な概念”に過ぎない」

コーヘイゲン「良くやった(You did it.)」
      「その意気込みだ(There it is.)」
      「墜落する前のお前に戻してやろう」
      「記憶諸共消えるがいい」

ローリー「また恐い夢を?」
ダグ「大した事ないさ(It's nothing to talk about.)」

ダグ「眠るのが恐い」
ローリー「じゃあ、私の夢を見て」

ダグ「この手で武装警官を殺した・・10人ほど」
ローリー「本で殴ったの? でも、ライン作業員が
     武装警官を殺せるものかしら?」

スタッフ「どんな夢でも、記憶にします」
ダグ「じゃあ、諜報員がいい」
スタッフ「例えば“コーヘイゲンの2重スパイ”とか?」

若者「あんた、誰なんだ?」
ローリー「・・彼の妻よ」

警備員「滞在は?」
ツァオ「・・3日間だ」
警備員「目的は?」
ツァオ「・・有難う」
警備員「?!」

メリーナ「あなた、奥さんが?」
ダグ「ああ・・もう別れたけど」

ダグ「君と俺は特別な?」
メリーナ「・・ええ」

仲間「(彼は)信用出来るか?」
メリーナ「・・ええ、出来るわ」

| | コメント (4)

2012年7月30日 (月)

☆『ダークナイト ライジング』☆

29日(日曜)の正午少し前からクルマで出かけ、市の北方にある“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”にて、遂に鑑賞に踏み切ったのは“バットマン”シリーズの3作目にして完結篇・・『ダークナイト ライジング』である。

正直、ワタシはクリストファー・ノーランと言う本シリーズの監督が大ッ嫌いで仕方がなく(=^_^=)
「独りよがりで、観る側(観客)に不親切」「編集がヘタで、とにかくダラダラ長い」と、評価すべきポイントが1ツもないワケだが(おいおい)・・本作に関しては「何か“とっておきのサプライズ”を準備してくれとるのとちゃうやろか?」と勝手に期待値を高めてしまった次第(・ω・)

↑まぁ、何だかんだボヤキながら、意外にノーラン監督の作品をフォローし続けてる派、だったりはするが。。

今回は流石に“公開2日目”って事で、シアター内はなかなかの混み具合だった。普段狙ってる着席ポイント(大体は最後尾の列の左右端)に全く残席がなかったのって、ここ高松ではかなり珍しい事だと思う。

・・

“正義の象徴”だった熱血地方検事=ハーヴェイ・デント(アーロン・エッカート)が凶弾に倒れ8年。
デントを殺害した容疑により、その権威の失墜した我らがヒーロー“ダークナイト=バットマン”もまた、姿をくらませて久しかった。

デントは亡くなったが、彼の死を機に定められた『デント法』のお陰で、ゴッサム市にはびこっていた凶悪犯罪には徹底的にメスが入れられた。

悪人たちは次々と逮捕され“ブラックゲート刑務所”に収監される・・ゴッサム市民は、平和な日常を「自然なもの」として享受していた・・

そんなある日、自らをベインと名乗るマスク姿の巨漢が現れる。“地獄から這い上がって来た”とウワサされるベインは、ウェイン財団の管理する「超小型・核融合炉」を強奪し、ゴッサム市を核爆発で滅ぼそうと目論むテロリストだった!

表舞台から身を隠していた、財団の代表=ブルース・ウェイン卿(クリスチャン・ベイル)は、長年の“ヒーローとしての活躍”で全身に負ったダメージにより、歩行に杖を要するまでの状態だったが・・ベイン軍団の暴走を食い止めるため、再び“バットマン”のマスク&ケープをまとう決意をする。

だがそんな彼に対し、乳飲み子の頃から世話を焼いて来た執事=アルフレッド・ペニーワース(マイケル・ケイン)は「お暇を頂きたい」と申し出るのだった・・

上映時間=164分・・って事で、やっぱり「長いわ!」と言うのはあった。
特に本作の場合、ヒーロー(バットマン)に対しても、我々観客に対しても「忍耐」がひたすらに強いられるので“気分爽快なの”を期待して観に行くと、ちょっとツライものがあるんじゃなかろうか?

ノーラン監督は、本来バリバリと「前面に出て活躍すべき」ジェームズ・ゴードン市警本部長(ゲイリー・オールドマン)を負傷させ、ウェイン卿を表舞台から遠ざけ・・代わりに“自由自在にゴッサムを動き回る事の出来る存在”として、ブレイク刑事(ジョセフ・ゴードン・レヴィット)とセリーナ・カイル(アン・ハサウェイ)の2人を敢えて配したようだった。

「忍耐」を強いられた結果、それに見合うカタルシスが得られるのか・・と思いきや、ラストに用意される3ツの出来事(「※※※の操縦プログラムが半年前に修正されてた」「※※を去った※※※※の名前が、実は※※※だった」「※※※※と※※※※が良い関係に発展していた」)がワタシにとっては、余り手放しで喜べるシロモノでもなく「いや、そんな細かな事より、ゴッサム市民は欺かれとるままやんか」と逆にハラが立ってもしまった(・ω・)

ベインと言う悪役キャラも、不気味さ&強靭さこそは巧く漂わせていたが、どうにも「ただの筋肉バカ」って印象が強く・・特に終盤に突入してからの「はい、ご苦労さんでした」的な扱いが情けなさ過ぎた・・ マスクそのものに大した謎があるでもなかったし。。
(役回り的に連想したのは『愛と誠』における、座王権太(演:伊原剛志)だろうか、やはり(=^_^=))

「ジョーカー」「キャットウーマン」なる単語が、劇中から一切排除されてて、その辺りにも違和感が拭えなかった。
「スケアクロウ(演:キリアン・マーフィー)」も更に“立ち位置”が後退してたし・・

「エネルギー開発」などと称し、結局のトコは「私的に原子炉を開発⇒保有&運営管理してた」ウェイン財団に対しても、どうにも好感を抱く事は出来なかった。

色々と“シリーズ完結”に向け「本来あるべき(=観客の期待する)組織&人物の造型を強引にねじ曲げた」事による弊害が脚本の至る部分に「亀裂」を生じさせてた気がしなくもない(×_×)

ただその一方、物語の重要な部分で(シリーズ第1作の)『バットマン ビギンズ(2005)』の世界観に回帰し、エピソードを繋げようとした点は、大いに評価したいトコだ!

ベインの手口やテロの目的が『ビギンズ』における某人物と“殆ど同一”だった事に「んん?」と気付き始めたが・・
あの人物が、実は「そう」だった! みたいな展開だけは、流石に全く“予測不能”だった!

これって、例えば『アイアンマン(2008)』で言えば・・「右脇腹をいきなり刺された主人公=トニー・スターク(演:ロバート・ダウニーJr.)が、激痛にその表情を歪めながら振り返ると・・よりによって“あのしと”がいた」みたいな状況なのだろうから(⌒〜⌒ι)

総じてのワタシの評価は・・前作『ダークナイト(2008)』よりはスッキリしたが「やっぱり、どうにも好かん」ってトコやろか。

〜 こんなトコも 〜

・「事件が起こっても、真相を知る権利がない」し「定期的に大規模なテロ事件が起きる」し・・ゴッサムみたいな街には住みたくない(×_×) きっと住民税も高いハズだ(=^_^=)
・ゴードンに代わり、ブレイクが“探偵役”となり動き回る辺りは『ボーン・コレクター(1999)』っぽかった。
・「バットポッド最強説」はやはり健在! (搭載する)火力で言えば「バットモービル」をはるかに凌いでた!
・“とある人物”が姿を現してからの、ベインの存在感の後退ぶりがもの凄い!
・“ラーズ・アル・グール”なる名を耳にすると、どうにもケン・ワタナベ氏の容貌を思い浮かべてしまうんだが・・そうか、ホントは彼じゃなかったんやったね(⌒〜⌒ι)
・ジョーカーのその後については、何も劇中で触れられてなかった。ブラックゲートにはいないんか?
・ベイン(の終盤)もそうだが、アルフレッドの“退場”がどうにも(脚本的に)クレバーに思えなかった。演じるマイケル・ケインの体調とかに配慮しての展開やろか?
・“とある人物”の最期が穏やか過ぎた気もする。。
・バットポッドの機関銃で至近距離から銃撃されりゃ、そりゃ“泣き別れ”で吹っ飛ぶ事だろうて(×_×)
・トム・ハーディが『ブラック&ホワイト』のあのエージェント役だった事を考えると、やっぱり俳優さんってのは器用なんやな〜と思う。
・大物俳優=GOの“大暴れ”を期待してたんだが・・(「リドラー化」とか(=^_^=))
・ある意味「ダークマンvsダークナイト」の図が成立しかかってた。
・ミランダ・テイト会長(マリオン・コティヤール)とウェイン卿のラヴロマンスを、妙に期待&応援してしまったモノだ。
・アン・ハサウェイは結局、総て「苦労せず手に入れたもの」で戦ってた。「鞭を手にしたお姿」を想像してたものだが(⌒〜⌒ι)
・「最後に美女をゲットする」ためなら、例えネックレスを盗まれようが、スーパーカーを乗り逃げされようが、意義ある“先行投資”と言えなくもなかろう(=^_^=)
・後半の乱闘シーン、何となく『燃えよドラゴン(1973)』終盤の乱戦を彷彿とさせてくれる(=^_^=) 或いは『ギャング・オヴ・ニューヨーク(2002)』とか。
・「冒頭のハイジャックシーン」「中盤のスタジアム(フットボール場)の爆破シーン」「(同様に)橋の爆破シーン」とか、映像的に眼を引くものが幾つかあった。ただ、いずれも「もう少し効果的に見せるやり方があった」ように思えてならない。
・総じて言えば、主人公=ブレイク刑事だった気がしなくもない(・ω・) そうなってしまった理由は、後に明らかとなるんだが・・
・冒頭の演出が『M:i-2(2000)』に似てた。ウェインの幽閉(?)されるトコは『アイアンマン』に少し似てた感じか?(結局アレって何処の国だったんだ?)
・マスクを着けたままで、フルフェイス(ヘルメット)って装着可なんやろか?
・ライキンデータ社の開発した“クリーンスレート”なるソフトウェアが登場。
・ポリイゾブチレンのタンクを一目見て「プラスチック爆弾だ!」と気付く勘は凄い!
・「奈落から抜け出した子供」のエピソードには、殆どの観客が“ミスリード”されるんじゃなかろうか?
・ブレイクが劇中で乗り回してた(市民に拝借した)クルマは「現行型レガシィワゴン」だった!
・ゴッサム市民は1200万人との事。全米最大規模の人口やね。。

〜 こんなセリフも 〜

ウェイン「君は母に似ている・・似ているだけだが」
    「僕は・・ただの“金持ちの変人”さ」
    「便利な道具は、武器にもなり得る
    「僕はレイチェルと、この洞窟を出る筈だった」
    「世界が“未熟”なら・・融合路を破壊しろ」
    「マスクを着ければ、ヒーローになんて誰にでもなれるさ」
    「独りで戦うつもりなら、マスクを着けろ」
    「1人でも多くの市民を救え」
    「君は“逃げるような女”じゃないだろ?」
    「スイッチの在処を言えば、死ぬのを赦してやる」
    「強さを学び、脱獄したのはお前だけじゃない」
    「お前のナイフはゆっくり過ぎる」
    「今、大事なのは“生きる希望”だ
    「ヒーローは何処にでもいる。少年の肩に上着を
     かけ、優しく励ますような男の事だ」

セリーナ「もちろん、何にでも“例外”はあるわ」
    「イイ男が焦らないで」
    「ドアを開けるのに、殿方の連れは必要だわ」
    「出すものをさっさと出せば、もっと楽だったのに」
    「1度悪に染まったら・・2度と抜け出せないの
    「“持たざる者”は狙わない主義なの」
    「嵐が来るわよ・・だけど、あたしは生き残る」
    「盗むなら、ノロマな人を狙いなさい」 ←おい!
    「ガッカリだわ」

CW「下がって!(Stay back!)」
  「またね(See you around.)」
  「出て来たら?(Don't be shy.)」
  「これは重大な過ちよ」
  「・・まだ死にたくないの」
  「本当に嵐が来たねぇ」
  「“銃なし主義”はあたしにはムリみたい」

ブレイク「本部長とデントのお陰で、その内“図書館の延滞”も
     警察が取り締まる事になるのでは?」
    「(上司に)報告したが『デカいワニも下水道にいたか?』
     と言われただけでね」
    「怒りで骨まで軋む」
    「“怒りは隠すもの”と悟った」
    「あんたの見せた笑顔で、すぐにあんたの正体に気付いた。
     僕と同じ“仮面”だ
    「外の空気を吸って、世間の声を聴くべきだ。
     “助けを求めるも市民の声”をね」
    「つまり・・(外からの)助けは来ない」
    「この橋を開放しろ! どのみち爆発するんだ」
    「あんたの“バカな命令”のせいで全滅だ!」
    「あなたが言ったように・・枠が枷に」

ミランダ「世界の調和のためには、投資が必要なの」

ゴードン「ハーヴェイ・デントは友人であり“信念の男”だった」
    「デント氏の“真実”は・・またの機会に」
    「勝った? “ウソで固めた勝利”だよ」
    「今こそ、この街にはバットマンが必要なのだ」
    「刑事は偶然を信じない
    「行くぞ、ルーキー」
    「“偽りの法”が枷となり、悪人共に手出し出来ない」
    「解決出来るのは、此処にいる我々だけだ。政府じゃない」

ベイン「何故、撃ち殺す? この高さなら落とせば済むハナシだろ?」
   「大事なのは“計画”だ」
   「俺は何者でもなかった・・このマスクを着ける迄は」
   「このマスクを外せば・・地獄だ」
   「落ち着け。“真の恐怖”はこれからだ」
   「調べろ・・その後、お前も殺す」
   「死んだ? なら死体を見せろ」
   「自分がボスだと思ってたのか?
    大金を払って、この俺の上に立ったと?」
   「この衣装と勝利が、お前を堕落させた」
   「“ラーズの運命”は俺が完結させる」
   「がむしゃらな戦い方だな。
    勢いだけはあるが、この俺には通用しない」
   「俺は光を憎んで生きて来た。
    光など“目障りなだけ”だ」
   「お前らの武器庫だ。有難く頂くぞ」
   「どちらが先にへし折れるだろうな?
    心か? それともお前の体か?」
   「肉体ではなく魂をいたぶってやる。
    ・・ここで“絶望”を学べ」
   「ゴッサムが灰と化したら、死ぬ事を赦してやる」
   「西洋文明の“次の時代”の幕開けだ」
   「あんたの息子のために言っておく。
    “爆発させる”のが目的だ」
   「何と美しい歌声だ」
   「ゲームの始まりだ」
   「ゴッサムよ、立ち上がれ!(Take control!)」
   「我々は“征服者”ではなく“解放者”だ」
   「裁きは我々の手で下す」
   「市警は“真の正義”にこそ奉仕せよ!」
   「“厚い氷”を選んで歩け」
   「・・有り得ない!」
   「この街と心中するために戻ったか?」

アルフレッド「メイドが何故、正面玄関の階段を使うのかね?」
      「此処は久々ですね」
      「あなたを外に連れ出せるなら、
       お相手がチンパンジーでも何ら構いません」
      「あなたも私も、声はかけません。でも私には
       あなたが“幸せ”だと分かるんです
      「心配ない。勘なら、すぐに戻りますよ」
      「あなたが“戻りたがっている”のが恐いんです」
      「ベインには“信念から生まれる力”を感じます」
      「お仕えするのは、これが最後です」
      「“ウェイン家の葬儀”は、これ以上見たくない」
      「私が、レイチェル様からお預かりしていた手紙を
       あなたに見せず焼き棄てていたとしたら?」
      「私はあなたを裏切った・・」

フォックス「“冬眠”から目覚めましたな」
     「昔なら、最後に必ず“無理な注文”を出された」
     「完成しています。自動操縦以外は」
     「自動操縦? 横着はいけませんな

医師「膝の軟骨がない。肘、肩も擦り減っている。
   腎臓も良くない。脳しんとうの後遺症もありますな。
   もう“ヘリスキー”はムリですぞ」

市長「この街では、悪は栄えない」

市民兵「“ゴッサム市民の権限”で逮捕する」

市警「ヒーローも、平和は街には必要ないさ」
  「どちらが重要だ? ただの強盗と、デント殺しの犯人と?」
  「見失いました・・パワーが違います」
  「“コスプレ野郎”もこれで終わりだ」
  「袋のネズミ? どうやらネズミじゃなさそうです」
  「たった今、駐車違反でレッカーされました」

ダゲット「どう言う事か説明しろ(What the hell's goin'on?)」

囚人「“あんたを生かす”のが俺の仕事でね」
  「“殺せば幾らくれる?”と言ってる」
  「“まず背中を治せ”と言ってる」
  「美しい花も、地獄ではたちまちむしり取られる」
  「飛ぶのに必要なのは“魂”だ」
  「“死を恐れぬ己”を強いと思っているな?
   だが、それがお前の弱さだ」

HD「“不死身”にも色々あるさ」
  「ゴッサムは“救うに値しない街”だ」

クレイン「“追放”か“死刑”か・・どちらを選ぶ?」
    「・・なら“死刑”だ。方法は“追放”で」

タリア「ラーズの子は、私だ」
   「“罪のなき人間”がこの世にいると?」
   「ナイフは、ゆっくりと深く刺すものだ」
   「撃て。皆殺しだ」

CIA「無様に捕まるのも計画か?」
ベイン「もちろん」

CIA「“ご立派なその計画”の続きは?」
ベイン「こいつを墜落させる」

ベイン「ダメだ。お前は残れ」
部下「・・火は着いたか?」
ベイン「ああ。派手に燃え上がるさ」

アルフレッド「外に出て、人生を見つけて下さい」
ウェイン「外には何もない」

ブレイク「下水道に仕事が?」
少年「きっと上(=地上)よりはあるさ」

バットマン「“銃も殺人もなし”だ」
CW「それで楽しいの?」

CW「“知らない男の車”には乗るなって」
バットマン「・・これは車ではない」

CW「ベインは雑魚(ザコ)とは違うわよ」
バットマン「俺もそうだ」

セリーナ「死んだかと」
ウェイン「まだだ」
セリーナ「“救って”なんて頼んだ?
     あたしは今の、この街が好きよ」
ウェイン「だが、爆発は明白だ」

ベイン「このゴッサムを“清算”する」
ダゲット「貴様は・・悪の化身だ」
ベイン「いいや。“必要悪”さ」

ミランダ「屋敷のカギはないの?」
ウェイン「持った事がなくてね」

ミランダ「今のは?」
ウェイン「電気を止められたようだ」

ミランダ「過ちなら、私だって犯したわ」
ウェイン「・・僕も多少は」
ミランダ「沢山でしょ?

バットマン「何故、ひと思いに殺さない?」
ベイン「貴様は死を恐れていない・・むしろ望んでいる。
    それでは“罰”にならない」

囚人「何故、鍛える?」
ウェイン「ここでは死ねない」

囚人「恐れがお前の弱さだ」
ウェイン「恐れなどない・・怒りだけだ」

ウェイン「彼らは何と言ってる?」
囚人「“登れ”と」

バットマン「5ツ数えて、投げろ」
ブレイク「もっと強力なヤツ、ないの?」

バットマン「礼はまだ早い」
ブレイク「今しか言えないんでね

追記1:ホンマに、HDとウェインが「父子関係」に陥るトコだったんやね(『破門』よりマシか?)。
追記2:凍った川面をソロソロ歩き“ゴッサム入り”するウェインの情けない姿が眼に浮かぶ。。
追記3:橋上の壁面(?)にコウモリ型にオイルを塗布(?)してるウェインの姿も、想像するにちと情けない。。。
追記4:CW&バットマンのキスが「あれ以上しつこく」長引いてたら・・街中で“ドッカ〜ン!!(by 松たか子)”だったトコやね。。。。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2012年6月15日 (金)

☆『ドライヴ(2011)』☆

高松に戻ってからの事。

商店街の中にあるミニシアター“ソレイユ”で公開中の『ドライヴ』を観て来た。

どんな作品なのか、予備知識など殆どなかったが・・別作品でその予告編を観て以来、気になり続けてたワタシである。

ロサンゼルス。

昼はカースタント専門のドライバー、そして町工場の自動車整備士。
夜は強盗犯の逃走を手助けするドライバー。

そんな“2つの顔”を持つ孤独な男=キッド(ライアン・ゴズリング)。
彼がある日、同じアパートで出会ったのは、刑務所に服役中の夫を息子=ベニシオと共に待つ女性=アイリーン(キャリー・マリガン)だった。

次第に惹かれ合う2人。しかし、いよいよ夫=スタンダード・ガブリエルが出所して来る事に。

夫婦から静かに離れるつもりだったキッドだが、収監中の借金の返済に追われるガブリエルの苦境を知り、その手助けを申し出た事から、凶悪な犯罪組織に眼をつけられる事となる・・

総じて言えば「演出が凶暴(暴力的)に過ぎるだけのB級アクション」なんだが、作品の端々に漂う「主人公の孤独感」の見せ方がムチャクチャにエエ感じだった!

何だかもう、主人公が(意味なく?)楊枝をくわえてる時点で「やるな、こいつ!」ってな威圧感がビンビン伝わって来る(=^_^=) 「チ※ウ・ユ※ファかあんたは!」と思わづ突っ込みたくなるような快感が“B(級)嗜好派な観客”の全身を駆け抜け、エレクトを誘う事、請け合いだ(=^_^=)

キッドのなさる事がタイトル通り「ドライヴ(運転)」だけかと思いきや・・中盤以降は銃を撃つわ、トンカチ振りかぶるわで「やりたい放題」だった! 敵の組織が当初こそ恐ろし気に描かれてる・・と思いきや、その実メチャメチャ構成員が少なくて爆笑(=^_^=)

「旦那さんが出所して来はる」って時点で、誰もが「つか、出て来られても邪魔なンですけど?」と感じてしまうんだが、そこからの「物語の突っ走りぶり」は確かに“猛ドライヴ”しててスゴかった。

残虐シーンがちょっとどうかなぁ・・とは時折感じたが、、序盤の『レオン(1994)』『コラテラル(2004)』『悪人(2010)』に通じる「夜」や「孤独感」の描写、そして中盤の『ブリット(1968)』を思わせるカーチェイスの(適度な)ド派手さが素晴らしかった!

肝心な事は殆ど(劇中で)描かれてないんだけど・・「いきなり恋に堕ちる事だってある」「いきなり殺される事だってある」なんてな可能性を前もって“予習”しておく意味でも、本作を観る価値はあるように思う。

〜 こんなトコも 〜

・ハンドルに腕時計を結びつけ、5分間を計測・・電波時計なのそれ?
・「キミら、(雰囲気的に)※※に似てるやんか!」なしとたちがごっそり登場してくれ、楽しかった。ライアン・ゴズリングは草刈正雄に、キャリー・マリガンは岡本綾に(←最近、お元気なのでしょうか?)、バーニー役のしとはハーヴェイ・カイテルに、ブランチ役の赤毛さんはサンドラ・ブロックに、ロン・パールマンっぽいしとはロン・パールマンに(←だから、本人だっつの!)
・ロスってこんなにもヤヴァい街だったんか?! 
・主人公は“運転のスキル”以上に“近距離殺人(ショート・キル)のスキル”が高過ぎてスゴかった! 劇中で最初に殺(や)っちゃうトコで、顔面が血まみれになり茫然とするんだが・・「初めて人殺しをしちゃったい」と言うよりも「また殺しちゃったい」って言いたげな表情だった。絶対に元海兵隊員で、これまでに多数の人間を殺めとるハズや!
・同業者(=逃がし屋)とか、しつこい刑事役とかのキャラも配して欲しかったかな。
・『TiME/タイム(2011)』でも使われてたと思しき、水路(?)っぽいロケーションが印象的だった。
・右腕をザックリ切り裂かれたら、もうそれで“終わり”なのね(×_×) しかしアレは、防ぎようがないかな(×_×)
・運動靴でガンガン踏んで、頭蓋骨って踏み砕けるもんなの? プロドライバーならではの“脚力”ってトコか?
・「銃社会」なのに、相手に気安く背後を見せるって・・どうかしてる!
・たまに“行動予知(予測)”してる主人公が、シャーロック・ホームズみたいだった(=^_^=)
・進行やラストに大きく関わって来そうなキャラが、不意をつかれ次々に“退場”する辺りは予測不能だ!
・もっと「逃がし屋稼業」の仕事っぷりが観たかった。
・銃ぐらい、背広に忍ばせとけよ、パールマンさんよ。
・波打ち際で“退場”したあのしとが、1番安らかだったようにも思う・・
・本作を観ると、しばらくは「握手」がコワくなる・・(×_×)
・サソリの刺繍が派手に入ったシルバーのスタジャンを愛用する主人公。何だか『ファンキー・モンキー・ティーチャー(1991)』を連想しちゃったぜおい(=^_^=)
・「質屋の店員(店長?)」「中盤のチェイス相手(運転手)」など・・良く分かんない(=人間としての造型描写が殆どない)人物も多かった。
・「貴様の脳味噌は猿以下だ!」とボスに叱責されとる部下がいたが、横にいたロン・パールマンっぽいしと(←だから本人だってば!)の方が明らかに猿っぽかった!
・序盤、主人公の車がヘリに追われるシーンでは「地面を照らすサーチライト&音だけ」で、ヘリは実際に飛ばしてなかったんかも!
・敵組織の“組織感”“恐ろしさの描写”は『キック・アス(2010)』の方が数段上だった。
・ロスのしとがパッと思いつく「トンズラ先」は、メキシコとかベリーズとからしい。
・相手の額に釘を打ちつける(←未遂)・・ってノリは、船戸与一の小説『伝説なき地』を彷彿とさせる。。

〜 こんなセリフも 〜

キッド“10万のストリートのある街だ・・逃走経路なら任せろ”
   “5分間は必ず待つ。だがそれを過ぎたら面倒はみない”
   「ロスには・・前からいる」
   「仕事は“運転(ドライヴ)”だ。スタントマンはバイトさ。
   「送るのはいいが、俺の車にはタイヤがついてない。
    5分待ってくれ」
   「寄り道は?(Do you see something?)」
   「いいんだ(It's OK.)」
   「週末はヒマなんだ。ドライヴはどう?」
   「こう言うのはどうだ? 自分で黙るのと、
    俺に黙らされるのと」
   「今のは“適当な返事”かい?」
   「何があろうと5分間は待つ。だが、5分経ったら
    待ってると思うな」
   「銃は持たない。運転だけだ」
   「こんな状況でも、嘘をつくのか?」
   「これから話す事が真実じゃなきゃ、痛め付けるぞ」
   「“サソリとカエルの話”と同じだ。
    ヤツは川を渡れなかった」
   「ある所へ行き、もう帰れない」

アイリーン「“デラックスなガブリエル”は?」

シャノン「インパラはカリフォルニアじゃ良く見かける。
     つまりは“目立たん車”なのさ」
    「監督が“横転シーン”をお望みだ。500ドルでどうだ?
     だが、断わってもいいんだぞ」
    「俺もあんたの“隣人”になりたいもんだ」

ベニシオ「サメは悪人に決まってる。良いサメなんかいるワケない。
     見れば分かるじゃん!」

ガブリエル「“第2のチャンス”は貴重だ。だから祝わないと」

※「惚れた女の夫の借金を返そうと、盗み出す男は珍しいな」
 「手前ぇ・・シロウトだな?」
 「黙れ。貴様の脳味噌は猿以下だ」
 「貴様も俺のようにさっさと“邪魔者の後始末”をしろ」
 「“悪い報せ?” いや、これは“悪い運”ってヤツだ」
 「これでいい。心配するな・・痛みもなく死ねる」
 「生涯、背後を気にしなきゃならなくなるぞ」
 「“思い描いてる夢”があるなら、諦めろ」

キッド「握手したいが・・手が(油で)汚れてる」
バーニー「汚れてるのは、俺も同じだ」

バーニー「勝てそうか?」
キッド「・・だとイイが」

アイリーン「うるさいでしょ?」
キッド「警察に通報しかけた」
アイリーン「してもイイのよ」

ベニシオ「“これを無くすな”って」
キッド「預かってもいいかい?」

キッド「5分以内だぞ」
ガブリエル「4分で戻るさ」

| | コメント (2)

2012年4月29日 (日)

☆『タイタンの逆襲』☆

28日(土曜)の夕方。

この週末(大型連休の前半)は帰阪予定ではなく、一方で「月〜火曜」「金曜」と出張続きでかなり移動ばかりしてた1週間の反動か、疲れが抜けず・・この日は(案の定)正午過ぎまで、ひたすらに寝溜めてしまったのだった(×_×)

起きてからは、部屋の片付けやなんやをダラダラとした後・・自転車で“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”へと出掛けたワタシ。
何となく気になってた1作『タイタンの逆襲』を観る事にしたのだった。

『タイタンの戦い(2010)』の続編。

はるか昔、神々と怪物が世界を支配していた時代。

全能神=ゼウス(リーアム・兄さん)の子とし“半神”としての生を授けられたペルセウス(サム・ワーシントン)を主人公に“神々の黄昏”の時代、完全なる力を得て地上の総てを滅ぼさんと“復活”を目論む邪神=クロノスを倒すべく、剣を携えて再び立ち上がる青年の冒険の旅を描く。

今回は上映時間の都合がつかず「字幕2D版」での鑑賞となったワケだが、観終わってしみじみと「3D版を観なくて良かった〜」と実感した(=^_^=) ホンマに“わざわざ3D仕様で観るのがバカバカしい作品”って感じだったモノで。

前作に比べ、物語の舞台が“神々の黄昏”に差し掛かった頃である点も影響してか、前作からの「スケールダウンぶり」がひしひしと伝わって来たのだ(×_×)

「天界で優雅に寛ぐ神々」ってな“図”は全く出て来ないし、ゼウスにしても「あんたは“黄金聖闘士(ゴールドセイント)”かい!」と突っ込みたくなるような、例の(?)キラキラした鎧をまとってるでもない。

ゼウス、ハデス(レイフ・ファインズ)、ポセイドン(ダニー・ヒューストン)の3兄弟こそ、その出番は多いんだけど、如何にも「ペルセウスの引き立て役・・のハズなのに、引き立て切れてない」って風で、総じて存在感がペラペラ気味だった。

それ以上に「致命的」だったのは、登場する怪物(クリーチャー)たちの「インパクトのなさ」だろうか。

キメラ、サイクロプス、ミノタウロス(?)みたいな連中がバトルシーン毎に出て来るんだが、ちっともワクワクしない。

終盤に出て来るクロノスに至っては「バルログ」と「巨神兵」を足して2で割って、0を乗じた(=^_^=)みたいなヤツで、観てて鬱陶しいばかりだった。

・・って言うか「仲間を集める」⇒「迷宮に向かう」⇒「捕われた重要人物を救出する」⇒「大ボスを倒す」って展開、脚色そのものが「何に似てるか?」と考えるに「まんま、前作『タイタンの戦い』の焼き直しじゃん!」って感じで、怒りすらもが込み上げて来る(=^_^=) ゼウス&ハデスの言動も何だか(支離滅裂で)ワケ分かんなくて「“ヒマを持て余した神々の遊び”かよ!」と思ってしまったり。

にしても・・本作って、どっかで“3部作”と聞いた覚えがあるんだが・・本作のラストを観るに「完結編」としか受け取れないんでは? と思えて来る。
コレが、制作陣の「こんな脚本でシリーズを展開してたら・・とても“3作目”はムリやろ」と言う考えの働いた結果であれば、その点(狡猾さ(=^_^=))だけは「“入神の域”やな」と評価してやってもイイんだけど(=^_^=)

〜 こんなトコも 〜

・神の種族を3ツ設定し、それぞれに「ニタン」「ヤイタン」「タイタン」と名付けてはどやろ?
・『タイタンの冒険/アルゴ号の秘密』とかのタイトルで、適当に1本でっち上げても面白いかも。
・ペルセウスの妻=イオが既に亡くなってる時点で、観客はまず萎えてしまう(×_×)
・「人間の漁師とし息子と共に静かに暮らしたい」みたいな考えだった(ハズの)ペルセウスだが、、家の床下(?)をパカッと開けば、そこには「いつでも取り出せる」ように剣&鎧が隠されてた(=^_^=)
・キメラの「灼熱のブレス」を板っきれ(戸板?)ごときで“真っ正面から”防ぐペルちゃん。それがやすやすと出来る時点で、既に“人間失格”では?(=^_^=)
・キメラ4匹を相手に戦って、300人もの兵士が殺されたそうだ(×_×) ←で、結局4匹は倒せたんか?
・アレスを演じた男優さんの“悲し気な眼差し”が異常に印象的である(・ω・)
・襲って来たサイクロプスを止めたのは・・サイクロプスの「爺さま」だった(=^_^=)
・神がハンドパワー(?)で怪物を“瞬殺”してく終盤は、ちょっとは爽快だが・・お前ら、飛べないンかい?!
・「対キメラ戦」等での“お約束”的な「手持ちハンディカム系の、揺れまくるカメラワーク」には思わず「いい加減にせい!」と言いたくなった。月並み過ぎるねん!
・女王=アンドロメダ役にロザパイちゃん(ロザムンド・パイク)。前作では違う女優さんだったんやね・・(全然覚えてないし)
・ヘパイストス謹製の「黄金のフクロウ(ブーボー)」は、今回は“ただの置物”でしかなかった(×_×)

〜 こんなセリフも 〜

ペルセウス「“善なる神”なんていない」
     「神々の事より、お前自身の人生こそが大事だ」
     「ゼウス・・あなたか?」
     「それはあなた方、神の仕事では?」
     「私は、息子のそばにいたい」
     「“神の子”である以前に父親だ」
     「ペガサスはお前に懐いたようだな。・・俺には冷たい」
     「真っすぐに飛べ。カッコ良くな」
     「“軍神”アレスを相手に“和平”だと?」
     「何があっても“軍神”アレスには祈るな」

ゼウス「“神の子”であるお前に、力を貸して欲しいのだ」
   「力を失えば、神ですら死ぬのだ」
   「人間である部分こそが、お前を神よりも強くする」
   「人間だけが“自由意志”を持つのだ」
   「嘆くとすれば、お前の出来の悪さに対してだ」
   「神の死は“消滅”だ。それは“無”であり、
    “永遠の忘却”でもある」
   「お前には、まだ“善の心”があろう?」
   「“内なる神の力”を使え」

ハデス「これが“始まり”だ」
   「汗をかくとは“人間的”だな。次は涙でも流すのか?」
   「地底では、この私に従った方が賢明だぞ?」
   「仰せの通りに(As you order.)」
   「見境のない憎悪がお前の弱点だ」

ヘパイストス「相棒は“ノー”と。まぁ、いつも“ノー”なんだが」
      「“役立たずの半神”は多いさ」
      「権力に酔ってたのはゼウスの方さ」
      「そなたは・・我が妻に似ておる」
      「“人魚の口説き方”をポセイドンに教わったものさ」
      「この迷宮は“心を惑わせる”よう設計しておる。
       心こそが“最大の罠”だからな」

アンドロメダ「聞いてるわ(I know.)」
      「あなたと相棒のどちらに“決定権”が?」

アゲノール「“幸運のマント”の効果はスゴいぜ。
      着けた途端、ヒゲが生えた」
     「2日前まで俺は捕らえられ、逃げる事ばかり考えてた。
      それが今じゃ、世界を救おうとしてるんだぜ」
     「“手柄は他人に譲れ”ってのが母の教えでね」

※「力のある者には務めが」

ペルセウス「ここへ来たのは“通りすがり”?」
ゼウス「いや・・助けて貰いたくて来た。
    “神々の存亡の危機”なのだ」

ペルセウス「女王と話したい」
アンドロメダ「女王も(あなたと)話したいわ」

ペルセウス「女王はここに残るべきでは?」
アンドロメダ「女王に命令する気?」

アゲノール「神々は死なないんだろ?」
ペルセウス「今は死ぬ」

アゲノール「地獄へ堕ちちまえ!」
ペルセウス「そうだ。そこが“目的地”なのさ」

ペルセウス「罠か?」
アゲノール「何にせよ“来るな”ってこった」

ペルセウス「いいか、何もするなよ」
アゲノール「それなら得意だ」

ペルセウス「何も言うな」
アゲノール「言わねぇよ」

アゲノール「女王に恩赦を求めたい」
アンドロメダ「・・授けます」

追記:本作の監督=ジョナサン・リーベスマンの前作は『世界侵略:ロサンゼルス決戦(2011)』だったそうな。。

| | コメント (2)

2012年2月25日 (土)

☆『TiME/タイム(2011)』☆

22日(水曜)の夜。
今週も残すトコ、あと2日となった。

「急ぎ目で片付けとかなきゃならない仕事」があるんだが・・それは「明日と明後日に集中して取り組もう!」・・ってことで、今日は仕事をさっさと切り上げ「何となく気になってた」新作SFモノ『TiME/タイム』ってのを観に“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”へと向かった次第。

結局「向かう道」も「帰る道」も雨に祟られたが、、思った程ひどい雨勢でもなく、まぁ問題なかったかな。

そして果たして・・シアター内は「高松市民の関心も高い」んだか(?)珍しく“いつも座ってる席”の界隈がほぼ埋まってる状況だった(・ω・)

近未来。

“遺伝子操作”により歳を取らなくなった人類にとって、今や“時間”は通貨であり、生命そのものとなっていた。
人々は“生の最後の瞬間”まで、人生に於いて時間を稼ぎ、そして使う。

“生まれながらのシステム”とし、25歳を迎えた時点で、総ての人間には“余命”と称してわずか1年が与えられ・・それを増やし、更に永く生きながらえられるのは、一部の“富裕層”のみに与えられた“特権”とも言えた。

・・

スラム・ゾーンに生まれ育った青年=ウィル・サラス(ジャスティン・ティンバーレイク)は、25歳を迎えて3年目。

その左腕に刻まれた“デジタル時計のような”時間の表示は刻一刻と減り続けており、彼自身や彼の母(←外見は25歳だが、実際は50歳!)を嘆かせるのだった。

彼はある日、行きつけのバーで「105歳」と言う気の遠くなるような時間を持つ男=ヘンリー・ハミルトンに出逢う。
ニュー・グリニッチ(富裕ゾーン)から来たその男は、特権であるハズの「長寿」に嫌気がさしており、ウィルに「永遠の生命を得ても、それが耐え難くなる日が来る」と言い残し、彼に「100年以上の時間」を与えた後、自らの生命を絶つのだった。

直後、母の“時間切れ”による急死を目の当たりにしたウィルは、静かな怒りと共に「富裕ゾーンのヤツらから、総ての時間を奪ってやる」と言う目的を胸に、4ツのゾーンを通り抜けニュー・グリニッチに到達する。

そこにあるカジノで、ウィルは“世界の時間を掌握する権力者”の1人である紳士=フィリップ・ワイスに接触を試みる。
ワイスに「適者生存」「進化とは、常に不公平なもの」なる理論を聞かされたウィルは、心中で怒りの炎を燃え上がらせるのだった。

数日後、パーティーに招待されたウィルは、ワイスの娘=シルヴィア(アマンダ・セイフライド)に出逢う。
「倦怠の毎日」に飽き「無茶を求め始めていた」彼女の手を取り、ニュー・グリニッチを飛び出し、スラム・ゾーンに逃げ込むウィル。

そんな2人を追うのは“タイム・キーパー(時間監視局員)”であるレオン(キリアン・マーフィー)だった。

脚本と監督が『ガタカ(1997)』のアンドリュー・ニコルって事で、そこそこに期待値を高めつつ鑑賞に臨んだが・・総じて感じたのは「製作費不足」「撮影時間不足」・・そして「脚本の練込み不足」だった。

「時間が通貨となってる」って部分でのインパクトは、当初こそ新鮮かつ強烈な印象なんだが・・観てるウチに「ホントの時間経過」と「劇中でやり取りされる時間」との単位や相関関係がごっちゃになって来てややこしい(×_×)

そう言えば、劇中の人物は「誰も腕時計を嵌めてない」ようにも見受けられた。彼らはどうやって「今が何時なのか」を知るんだろう? 或いは正確な“体内時計”が生まれながらにして備わってると言うのだろうか?

ワタシ自身の持論(?)として「時間は凍結なんか出来ないし、戻りもしない」と現時点では信じて止まないワケで・・ひと昔前のゲームカセット(?)みたいな造型の銀色のケースに「時間が止まった状態で保存されてる」と言うガジェット的な設定には・・正直、微妙な“スベリ傾向”を感じてしまった。

斬新な部分に斬り込みつつ、何処かに致命的な“ポンコツさ”を抱えてる、とでも言おうか。

劇中で“キーワードとなる人物”がチャールズ・ダーウィンなんだけど、それ(=進化論)よりも、ニュートン、アインシュタイン、H・G・ウェルズと言った人物の名の方が、よほど(作品世界に)しっくり来る気もした。
まぁ、ワタシは専門家じゃないので「何も分かってない」だけなのかも知んないけど(×_×)

それに、魅力的な造型のキャラが少なくない割に、配置(=立ち位置)やその退場ぶりに「納得のいかない」しとたちが多過ぎた!

レオン、フォーティス、ボレル・・いずれもが、余りに「粗い」絡ませ方なのだ。

ワタシ同様、本作に対して「あれれ?」と素直に感じるしとたちが増え、そんな“声”がニコル監督の耳に(いつか)届く事を信じたい。

〜 こんなトコも 〜

・字幕担当は、松浦美奈さんだった(=^_^=)
・「電気代:8時間」「昼食代:30分」「寄付:5分」「コーヒー代:4分」「バス料金:2時間」「『タイムゾーン12』通過:1ヵ月」「『同8』通過:2ヵ月」「『同4』通過:1年」「高級ホテル(スタンダードルーム)1泊:2ヵ月」「高級カジノに入るための寄付:1年」「スポーツカー:59年」「電話代:1分」「安宿1泊:5時間」・・などと細かく設定されてた。
・腕に表示された時間は、最大で13ケタもあるらしい(左から“年(4桁)”“週(2桁)”“日(1桁)”“時間(2桁)”“分(2桁)”“秒(2桁)”)。
・右腕に時間の表示されてるしとがいなかった。“遺伝子操作”により「左利き」は絶滅したんやろか?
・「ダーウィンの誕生日」を“ソレ”にしてるとは。
・劇中で「世界がそうなってしまった経緯」を少しなりと解説して欲しかった。科学的、歴史的なトコに一切触れられてないと、やっぱり説得力に欠けると思うぞ。
・ロスの街がメイン舞台と思われた。『コラテラル(2004)』っぽい雰囲気の「夜のロス」の情景(暖色系の街灯)が印象深い。
・“見せ場”の1ツにしては「タイム・バトル」のシーンがショボ過ぎる(・ω・)
・ウィルの父母のドラマが、実に中途半端だった(×_×)
・『ロミオ+ジュリエット(1996)』な展開を期待してたら・・次第に『俺たちに明日はない(1967)』化して来たり。。
・折角貰った時間を、酒に棄ててしまったヤツ。。
・ボディガードの連中が「いつの間にか(仲間が)1人増えてる事」に気付かないのって。。
・「ジャグワーEタイプ」の派手なクラッシュシーンは・・どうにも(明らかに)CG映像っぽかった。
・腕に時間を残したまま死んでしまうと・・文字が黒ずみ「盗めなくなる」ようだ。
・ワイス氏の眺めてる「北米の地図」に、ゾーン毎の色分けがされていた。もう1度、本作を観る機があれば、是非「どのゾーンがどのエリア(州)に該当するか」を確認したいトコだ。
・正しく“タイム・キーパー”からの要請なのかどうかも(身分)確認せず、パトカーに乗り込んだ人間に「時間を転送」する監視局の杜撰さ(アホさ)がちょっと笑えた。
・主人公らの「泳ぐ」シーンに『ガタカ』っぽさを感じた。アマンダちゃんのヌードは・・ハッキリ拝めず(×_×)
・母親役にオリヴィア・ワイルド。死んでもすぐ生き返るのかと思ってたら、そうでもなかった。エイリアンじゃなかったのね。。
・アマンダの“化けぶり”がなかなか良かった。「デコちゃん」返上か?!
・“警官の存在しない世界”っぽかった? 犯罪は何でもかんでも「時間絡み」で片付けて良いんやろか?
・腕を密着させ、互いの時間を“細かく”やり取り出来る「仕組み」だけは、正直良く分かんなかった(×_×)
・「追跡劇」や「追跡者のあっけなさ」には『マイノリティ・リポート(2002)』を想起させられた。
・「ハミルトン事件」の現場と「ジャグワーの壮絶クラッシュ」の現場はほぼ同一のロケ地だったんじゃ?
・デイトンと言う街が登場。オハイオ州に実在する街やろか?
・『ソーシャル・ネットワーク(2010)』ではチャラくてムカつくジャスティン君だったが、本作では真面目そうな雰囲気である。
・コンクリ壁でガッツリ防御されてそうなゾーンのゲートだが・・その合間(?)の詰所(?)の壁は「紙のように」薄かった(=^_^=)

〜 こんなセリフも 〜

ウィル“僕には時間がない・・何故、こんな世界になった?”
   「この調子じゃ、106歳は迎えられないぞ」
   「もし俺に長い時間があったら・・無駄にはしない」
   「ヤツらに“代償”を払わせる」
   「この車は“飾る”んじゃない。“乗る”のさ」
   「仕事? まだ決めてない」
   「“100年後に出来る事を今するな”と?」
   「君は“家の裏手の海”に入りもしないのか?」
   「“時間の略奪者”は俺じゃない。
    この屋敷にいる全員だ」
   「君が“俺の切り札”だ」
   「“すべき事”なら何でもやるさ」
   「彼ら(タイム・キーパー)も、
    与えられてるのは“1日分の時間”だけだ」
   「昔なら“生命が惜しけりゃカネを出せ”って
    言う所だが・・時間を貰おう」
   「此処(スラムの安宿)は“時が潜む場所”だ」
   「盗むのは“搾取された時間”だけさ」
   「限られた者のために誰かが死ぬのなら、
    人は不死であってはならないんだ!」
   「あんた、此処の出身だな?」

シルヴィア「貴方が走るのを見たわ
      ・・まるでスラムの人のように」
     「時は誰にとっても苦痛よ。スラムの人には“死”が、
      私たちには“倦怠”がもたらされるの」
     「願いが叶ったわ。私“無茶な事”してる」
     「父の成功を“寛大だったから”だと
      本気で思ってるの?」
     「長らえた人生の、1日でも楽しんだ事がある?

ボレル「ここ(スラム)じゃ、時間を見せびらかすと、
    たちまち奪われ、殺されちまうぜ」
   「そんなに持ってると・・殺されるぞ」

フォーティス「あんたの“時計”は実に素晴らしいな」
      「ヤツはスラムの連中に時間を与え、
       人々を苦しめてる」
      「此処(スラム)では、くたばるまで
       生きるのを止めないのさ」
      「俺は“冷酷には殺さない”主義でね」

ハミルトン「長く生きると・・身体は元気でも、心が消耗する。
      “生きる事の耐え難くなる日”が来るんだ。
      そして毎日・・死を求め始める」
     「少数が“不死”でいるため、多くが死ぬのさ」
     「人が増え過ぎたら、どうなると?」
     「本当は、時が長過ぎるんだ。そして我々は
      “時が満ちる”迄は死ねない」
     “私の時間を無駄にするな”

レオン「この辺じゃ、1週間持ってるだけでも殺される」
   「監視局に50年勤めてから“自分の意見”を言え」
   「奪われた時間の行方を追え」
   「スラムに100年もの時間は隠せまい」
   「時は街を離れたようだな」
   「100年も時間があるのに、何故“走る”と?
    ・・“習慣”は変わらないからさ」
   「ゾーンの移動は“違法”ではないが・・かなり稀だ」
   「不死身の人間が死を恐れる? そう信じろと?」
   「その時間は、君の手にあってはならん」
   「手続きのため、2時間残しておいてやろう」
   「我々の時間の割当は少ない。
    ・・“盗っ人を失望させる”ためさ」
   「伺う必要があるから、此処に来たんです」
   「明日には“見物する余裕”もなくなるぞ」
   「『即時射殺命令』を!」

ワイス「持っているものを大切に」
   「昔の人間関係は単純だったそうだな」
   「少数のためには、多くが死なねばならない」
   「この私に“買えないもの”などない。
    言い給え。何年欲しいのだ?」

女給「貴男は総てに“焦り過ぎ”かと」

質屋「2日を払ってやろう。嫌なら死ね」

ワイス「総てを賭けたのか?」
ウィル「危険じゃない。“勝てる”と分かっていたさ」

ウィル「いつもボディガードが1人付いてるのか?」
シルヴィア「普通は2人付いてるわ」

ウィル「来いよ。“無茶”をしたいんだろ?」
シルヴィア「・・貴方を知らないわ」
ウィル「だったら、知り合おう」

シルヴィア「・・戻らなきゃ」
ウィル「何のために?」

ウィル「“生命の限界”なら、何度でもあったさ」
シルヴィア「私は初めてなの!」

シルヴィア「みんなどう生きてるの?」
ウィル「睡眠を減らしてるのさ」

シルヴィア「時間が沢山あれば、他人に分け与えるの?」
ウィル「そうさ。僕はいつも“1日”あればいい」

男「スピード違反か?」
ウィル「逆だ。“遅過ぎる”んだよ」

| | コメント (4)

より以前の記事一覧